初めての喧嘩#1

付き合って、そろそろ1ヶ月が経とうとしていた頃

その日は週に一回の選択授業の日で

私と高橋と菊池は一緒で、中村だけは違った。


その日はあいにくの雨で中村は

私たちのいた教室の2個上の教室で

授業していたみたい。



降り止まない雨をぼーっと眺めていると


「かな、最近どうよ?」

高橋に聞かれて、近くに座っていた菊池も

それとなく会話に参加してきた。


「どうって、聞かれてもなぁ。」


「上手くいってないの?」


「てゆうか、付き合ってる感覚が無いってゆうか?好きかどうかも分かんないし、別れどきかなぁ~」



「そうかなぁ?」



「え?」



「前から思ってたんだけど、かなって絶対中村の事好きだよ。」



「そりゃぁ、告白だってしたし。気にならないわけないじゃん」



「いーや。前から」



真剣な顔で言う高橋と

横で大袈裟なくらい相槌をうちながら

「俺もそう思う」なんて言う菊池に

なんだよこいつって思いながらも

高橋の話を聞いた


「だってかなさ、中村が他のクラスの子と付き合い始めた途端にボロクソ言い出してたし、人狼ゲームで中村に喰われた時だけすんごい根に持ってたじゃん」



「え、まじ?」



「え、まさか無自覚?!」



「無自覚もなにも、、、」



「中村が別れた時なんか、かな凄く嬉しそうだったし。」



「うそ、いやでもそうだとしても今は、好きとか違うと思う。」



「いーや。違うな、好きやな。」



「菊池に言われるとなんか腹たつ。」



「かなのことやから、あいつが振り向いてくれんのが嫌なんやろ?あいつ、そうゆう大事なこと言わなそうだし。それでも別れるん?」


2人と話しているうちに段々と辛くなってきて、

気付いたら下を向いて泣いている自分がいた。



そっか、寂しかったんだって。



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