#3

中村と初めて2人きりで話したのは

付き合うほんの2週間前。


それまで、2人きりでなんて話したことはなくて

いつも、高橋や同じクラスの菊池を間に挟んでた。



改めて、付き合ってる事を

お互いに認知したその日の夜


久しぶりに、中学時代の同級生から

連絡がきた。



中学の時、その人達にいじめられていた私。


思い出したくもない過去は

次第に怒りへと変わった。



「彼氏できたんやって?」


「ぜってー、続くわけねーやんw」


バカにされるのが悔しくって

ムカついて、思いの丈を

タイムラインに書いた。


中村はそれを見たのか

今まで自分から話しかけてきたことなんか一度もなかったのに

初めてその日電話をした。



私はずっと、

‘なかむっちゃん’って呼んでいて

向こうはずっと名字の松永って呼んでて


その日の、電話の最後に


「ねぇ、かなって呼んでもいい?」


顔が真っ赤になって

体温が急激に上がっていった気がした。



誰でもいいや、

この人でいいや、


から始まったこの恋だけど



私の中の気持ちは

もう既に出来上がっていて

それが確信へと変わった。



あぁ、私

この人の事好きなんだ。






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