第8話 おやつと食事

 近頃、画面で文章を読むことが多いですが、今回はその話です。


 古本屋で本を購入した時に、ふと「文章を読むだけならインターネットでもできるのに」と思ってしまいました。

 そうです。アマチュアかプロかの違いはあれ、文章を読むだけなら本を買わなくても良いのです。

 更に、著作権切れの古い書籍なら青空文庫(インターネット上の著作権切れの本を集めたサイト)で読めます。

 それに、アマチュアでもプロ並みに「読める」文章を書く人も居るようです。


 でも、紙の書籍に手を出してしまう――これは、一体どういうことなのでしょう?


 考えるに、画面上では長い文章を読み辛いというのがあると思います。

 長々と、画面いっぱいに文章が表示されると、それだけで読む気力がなくなるというか……単に私が怠け者だからかもしれませんが。

 だから、インターネットでは短めの文章の物を好んで読む傾向になります。食べ物例えると「おやつ」みたいな感覚でしょうか。


 しかし、紙の書籍は違います。

 ページいっぱいに書かれた文章でも、地道に読んでいけるのでそれほど苦痛ではありません。

 むしろ残りページ数が多いと「まだある」とちょっと嬉しくなるぐらいです。

 これは、インターネット上の文章と違い「食事」と言えるかもしれません。


 画面で読むのが苦痛な「古いタイプ」の人間はきっとかなりの数がいると思います。

 近年、電子書籍が広まってきているようですが、紙の書籍も残っていくんでしょうね。

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