第5話 旅立ち
「あんた、冗談上手いわね~」
愛想笑いでおばさんがからからと笑う。
その、すぐ後おっさんが
「ガハハハ、なんだ冗談かよ。脅かしやがって。」
ん?、いや、全くもって分からんのだが。その、アースとかいうキラキラを通り越して目が眩むほどのギラギラネームの人。
「だが、あんた冗談はここだけにしとけよ。そんな冗談アース様に伝わったらあんた殺されるぞ。」
「あの~、本当にアース様とかいう人って誰ですか?」
「お前……」
絶句された。
「あんた、本当にアース様知らないのかい。あの魔王七天皇の一人を」
うん、全く分からん。
ただ、名前からして関わってはいけない雰囲気がプンプンする。
「 その、魔王七天皇ってなんだよ。何かヤバそうなやつらだけど」
「あんたには呆れたよ。いいかい、魔王七天皇っていうのはね、魔王を筆頭とした各属性のスペシャリストのこと。アース様はの一人、土魔法の天才と呼ばれているね。そして、弱い人を徹底的に叩き潰すからもっとたちが悪い」
属性だかなんだか知らんけど、クソ強いってことはよく分かった。
「だが、なんで弱いやつが狙われるんだ。
普通そこは、強いやつから狙われるもんだろ。」
「もっともな疑問ね。けど、その疑問の答えは余りにも理不尽だよ。」
そして、おばさんは答えた。けれどその答えは余りにもふざけているとしか思えなかった。
あいつは、私たちの前でこう言ったんだ。「俺はメインディッシュは最後に喰う派だからな強ぇやつは最後まで殺さないでやるよ。だが、ここから逃げようなんて考えたやつは俺が直々に殺してやるよ。お前らなんてどこにいようがすぐ殺せるしな。」
おばさんの話曰く、その日の夜逃げようとした四人家族が全員岩に潰されて殺されたらしい。
「あいつがあの日来たときから全てが狂ったんだ!!」
おばさんがヒートアップしてきたところをおっさんが止める」
「まぁ、そういうことだ。だから逃げるなら今のうちだぞ。」
確かにそうだ。いじめられて自殺するような人間にそんな化け物倒せる訳がない。
「ありがとうございました。俺はもう死にたくないんでこの村から出ていくことにします。短い間でしたがありがとうございました。」
そう、俺ははっきりいって全くこの世界について分からなかったが一つだけ分かったことがある。
「おう、頑張れよ。お前みたいなやる気が溢れているやつならきっと出来る。行ってこい。」
俺は勢いよくドアを開けて草原を駆け抜ける。
そう、俺は……俺は…
「おい、お前なに逃げようとしてるんだ」
もう…お家に帰りたい……。
その時後ろから、ガッシリとフードを引っ張られた。
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