第2話 神

ここは…… どこだ……。

そうだ......俺は首を吊って死んだよな...... 。

よく分からない意識のなか俺は目を覚ました。

周りをキョロキョロと見回して、分かったのはここは完全に光が差し込まず、視界がほとんどないということと......。

結局俺は死ねなかったということだけだった。

一人で混乱していると急に目の前に中学生くらいの女の子が立っていた。

どうやって来たのか俺にもさっぱり分か

らなかった。

音も気配も全く感じない。

悩んでいると少女は話し出す。

「単刀直入に言うね、君には最後の勇者になってもらうそして、この世界にいる他の5

人の勇者と一緒に魔王を倒してもらうよ」

いまだによく理解が追い付かない。

だが、一つだけ分かったことがある。それは今いる世界は恐らく元々の世界じゃないということ。

少女は訳の分からない話しばかりしているが、生きてて聞いたこともない生物の名前ばっかり出てくるからだ。

ファンタジーとかで出てくる異世界という場所か……

普通ならここで異世界で勇者になる、そういうのがお約束だろう。けど、俺はそんなものを望まない。

生きるのに疲れて死んだというのに何で俺はまた生きなきゃいけないんだ。

「俺は......勇者にはならない!!」

と、そう強く言いきった。

だけど、そうは問屋が卸さなかったようだ


「ダメだよ、だってそれが僕が君を勇者に選んだ理由なんだから」

急に俺の床が白く光始めた。

それと同時に......

体が燃えるような熱さに覆われた。

芸人がよくやる熱湯風呂のそれとはわけが違った。

これはマジで死ぬぞ。

脳が熱いという単語で埋め尽くされた頃

「それじゃあ、異世界にいってらっしゃ~い」

その言葉を最後に俺は2回目の死を遂げた。

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