第294話 なぜ迷う?

 24時を回る頃

『ニーーーートーーーー』

 階段を上ってくるチョビさん

 なぜか、この時間になると部屋にやってくる。

 寒いせいか、小走りに入ってくるのだが、手前の部屋を通過するのがチョビさんの日課のようで、時折、忘れると、わざわざ戻って、しなくていいのにソファをバリバリしてからやってくる。

『ニート』

 ベッドの脇で鳴き、飛び乗り、布団に潜るのだが…

 これが長い…

 下から入ろうか?

 左から?

 右から?

 ウロウロ…ウロウロしながら鳴いている。

『どこから入ろうか?』

「どこでもいいから早く入ってくれチョビさん」

 毛布の上、ベッドの真ん中で眠るのだ。

 掛布団を捲って待っている間、寒い…

『ここから入る』


 結局、壁側から、僕の身体を踏みながら入ってくる。

「迷う意味あるのかな?」

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