第293話 雪の朝

 雪が積もった、寒い朝

 窓から手を伸ばすと積もった雪がとれる

 クロさんが窓から、前足をチョイッっと伸ばす

 プルプル…と前足を振りながら、ヒョイッと引込める


 フンフンと鼻を鳴らして雪の香りを嗅ごうとする

 僕が雪を一掴み、クロさんの前にだすと

 フンフン…フンフンと鼻を鳴らす

 手の中でシトシトと溶け出す雪

 冷たい水を、ペロッとひと舐め、クロさん


「冷たい…冷たい」


 風が吹きこんでブルッと身体が震えると、トスンッと窓から飛び降りて、部屋の奥へ走って逃げた。


 そんな冬の朝

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