第258話 クロさんの寝言

 天気のいい日、クロさんがやってくる。

『ニート、ココで寝ようかな』

 クロさんお気に入りのクッションを前足でカリカリする。

 日当たりのいい場所へクッションを置くと

 ボフンと丸くなる。

 しばらくすると…

 腹をだして眠っているクロさん。

 スカーッ…スカーッと鼻息が気持ちよさそうに鳴っている。

『ンガッ…ヌゴゴゴゴ…ウニャッ?』


 何の夢を見ているのか?


 ハタッと目を覚ますと

 周囲を見回す。

『ニート…だよな?』

 傍に擦り寄ってきて、狭い額をゴチッとぶつけてグリグリと匂いを付けてくる。

『うん…ニートだ』


 そして、差し込む日差しの位置が変わった部屋で、またクッションを移動させる。

『もう少し寝る…』

 あくびして、また丸くなる。


 何も無い、そんな日、それがクロさんの幸せな日。

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