第259話 風呂くらい

『ニートー、まだー』

 お風呂に入っていても、ドアの向こうからチョビさんが鳴く。

『ニートー、僕遊びたいよー』


 一応、チョビさんは心得ている。

 帰宅する。

 ご飯を食べる。

 風呂に入る。

 その後で遊ぶ。


 解ってはいる。

 ただ絶望的に待つことが苦手なだけだ。


 ご飯を食べているときも、ベッタリ横でソワソワしながら僕の顔をジッと見ている。

『まだかな…まだかな…』

 お風呂に入っているときも、ドアの向こうでウロウロしている。

『まだかな…まだかな…』


 お風呂から出ると、足に纏わりついて部屋までウキウキ。

『早くヒモ振って』


 よほど気にいってるんだな~。

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