第130話 いつもの朝

 バイトから朝帰る、気が付けば自分の誕生日だった。

 たまたま今日は休みだ。

 何の予定も無い、強いて云えば滞っている小説を書かなければならないだけ。


 玄関を開けるとクロさんがチョコッと顔を出す。

『おはよ』

 ひと鳴きして、リビングへ戻る。

『ニートーーーー』

 チョビさんが鳴きながら2階へ付いてくる。

 僕が着替えてベッドへ入ると、いつものように僕の左腕を枕にベッドへ潜り込む。

「チョビさん、今日は誕生日なんだ」

『なんだ?知らん?』


 僕の顔に自分の前足をポンと乗っけて眠る。


 何も起きない…いつもの朝。

 2時間ほど悪夢を観るために僕は眠る…眠る…。


 せめて今日くらいは…夢くらいは…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る