第129話 ノラさん

 雪が積もった寒い朝、ノラさんが風除室のガラスを引っ掻く。

 ノラさんを玄関に入れて、新しいダンボールとタオルを敷いて、カリカリ御飯とぬるま湯を差し出す。

 御飯を食べて、ぬるま湯を飲んで、ダンボールに入るノラさん。


「寒くなったね…」

 しばらくノラさんの身体をタオルで拭いてみる。

 汚れた身体。

 濡れた身体。


 しばらくすると、丸くなって眠るノラさん。

「いつまでいるのかな…今度は」


 眠るノラさんのダンボールをガリガリ引っ掻くチョビさん。

「止めたげて…チョビさん」

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