第96話 迷う

 台風の夜、チョビさんは迷っていた。

『ニートの布団の上で寝るべきか…中で眠るべきか…ソレが問題だ』

 潜り込んでみる…微妙に暑い…出てみる。

 布団の上で丸まってみる…少し寒い。

「ニャッ…」

 布団をめくらせる。

 モゾモゾ…モゾモゾ…

 モソッと顔を出す。

「ニャッ…」

 僕の身体の上。

 ウロウロ…ウロウロ…

 ボフンッと丸まってみる。


 繰り返す…繰り返す…その度に起こされる。

『ニート…ベッドの隅にいってくれ』

 結論…毛布の上で丸まってニートと少し距離を置く。

『寝るまで撫でろ、ニート』

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