第83話 先回り

 僕より先に階段を駆け上がるチョビさん。

『ニート、こっちに行くんでしょ?』

 階段の先で僕を待って、今度は左右のどちらかへ走って行く。

『こっちでしょ?』

『アレ?そっちなの?』


 僕の先へ…先へ…と走って行く。


 僕がソファに座ると、ヒョイッと飛び乗って。

 しばらく撫でられて…またどこかへ行ってしまう。


 先へ…先へ…。


「いつか…ずっと一緒にいれるといいね…」

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