第6話 英語のアは5種類でアヒル口のア。
次のアは〔eの逆さまに、伸ばす点々)birdのアである。アヒル口のアであるが、他には、circl,girl,earthなどがあるのだ。アだけでも5つの発音があるから差別するのに、大変だが、馴れてしまえば、なんでもない。
「正確に発音しないと通じないから、しっかりと口や舌やお尻の穴を含めて動かしながら工夫してね。マリコ」
「ワカッタわよ!」
「簡単でしょ!」
「そうでもないわ」
「アが一番多いかたきをつけてね」
「ワカッタ」
「素直じゃないわね」
You need to stretch to get good circulation in your body.(血液の循環を良くするためにストレッチをする必要がある)
「このcirculationのアを気を付けて発音すれば、いいんでしょ!」
「そうよ! その発音でいいのよ!」
「良く、解っているじゃないの」
「発音もいいしね」
「アリガトウ!」
「気分が少し、良くなったわ」
「リブに褒められて!」
「安心したわ!」
「これからもいい先生でいてね」
「マリコのためならばね」
「マリコ上達早いじゃないの」
「そうお、自分じゃ分かんない」
「上手くなったょ!」
「Very good!」
「Thank you very much!」
「イイのよ!」
「イイのよ」
「ほっといて」
「みんな私が悪いのよ!」
「英語も疲れてきたから、サッカー遣ろう!」
「そうね!」
「リブ行くわよ!」
「いいわよ!マリコ」
2人は太陽の下で野外が似合っていた。マリコの胸にはボールが2個あり、それも肉弾だった。リブはバストは小さ目ではあったが、ヒップは2つの丘は盛り上がっていた。肉弾同士のぶつかり合い激しく。ボールが凹むのではないかというくらいだった。真剣勝負であって、武士の切り合いのような感じだった。殺気が漲っていた。2人の目標はあくまでも世界であった。世界に通用するサッカーであり、英語にしたかった。大空目掛けて蹴る様は天にも届く勢いがあった。とても練習とは思えなった。異様な中でのサッカーは急成長したが、基本はあくまでも大切だった。何回もしつこいぐらいにシュートをした。リブのヒップは競馬馬のように締まっていた。太腿も弾力性があった。全身、バネの塊だった。マリコも、同じように全身バネであって、特に、上半身が発達していた。2人の若さは爆発していた。英語のフラストレーションの後でのスポーツでの汗は堪らなく気持が良かった。秋風も冷たく。丁度いい気候だった。鬱憤は直ぐに晴れた。マリコは思いっきりヘッディングをした。
「リブ! リブ!」
「Go! Go!」
不思議なもので自然と英語が出ていた。
「ダダッター! ダッダ!」
球は擦り減らそうだったが、平気だった。
ドリブルも早くなって、スピードが増していた。
「動くんだ!」
「走り廻るんだ!」
「滅茶滅茶気分がいいね」
「リブの長い脚はゴールへと向かって蹴った!」
「ゴール! ゴール」だった。
何だか、ゴールネットが広くなったような気がした。
「ナイス、シュート」
プロットの内容は、このようなものでした。前述したように、主催者がコアミックス社のコミックパンチに応募した『野に咲くなでしこ』は1次は通過したが、最終審査に残ることができなかった。当時は女子サッカーは、現在のようにメジャーではなく。マイナーだった。あまり話題もなく。淋しき、なでしこジャパンだった。コミック誌にも載せられない程の人気だったのであるが、今から15年ん前の話だったので仕方なかった。屯場はそれでも先見性を夢に描いて、プッシュしていた。何時かは花が開くだろうと予想はしていた。
28年前の夏のケンブリッジ大学のインターナショナルサマースクール`89に参加した屯場治の体験学習からはじまっていた。当時はバブルの真っ最中で、日本経済は景気が良かった。海外においても円高で十分に楽しめる状態だった。
博多の赴任時代に2年間かよったブリタニカ系の外人講師による研修は、総額45万円であったが、それなりの花は咲いた。本場ケンブリッジ大学への入学は英語を行った集大成であり、マリーランド大学のビジネス英語研修。2年間に渡る外人による少数レッスンの免状などをケンブリッジ大学へファックスで送った結果の合格だった。費用は十万円だったが、食事付で、実際のケンブリッジ大学の講師による英語での講義だった。内容はハードだったが、『英国の憲法』と『英国の近代社会』の二つのテーマだった。
屯場が飛躍する切っ掛けとなった学習だったが、全ての面で教養の実になった。パックではなく一人旅の1人でのホテルなどの予約を行ったことは、欧米の現地での事情が良く理解できた。当時は、ヨーロッパ共同体になろうとする意気込みがあり、現在のように英国の離脱問題など、存在しなかった良き時代だった。
英国の空港からのホテルの予約は……。
「Reservation please!
My name is Osamu Tomba.
I have like to
know,
available for single room tonight.」
から、英国の旅のはじまりだった。
屯場は英国に着いた。自分のイメージとは違って、日本の自然と似た風景が開けていた。英国の建物は石でできとぃるモノが多かった。日本の木やコンクリートは違って、歴史を感じさせる人造物だった。ここが、哲学を生む場所だったんだ。反哲学の日本とは違った文化や思想は日本の過去の手本になっていた。
英国とは昔から英国同盟などで、歴史的に仲がよかったので、屯場も親近感があった。人工物は石造で、日本の木の文化とは、全く違う文化であり、島国は共通点であった。アメリカ合衆国は自動車がやたらと目につく社会であるが、英国は新しさよりも伝統ある古さが目立っていた。荘厳でカッコのいい教会が、駅前には必ずあり、英国国教のキリスト教文化が浸透している社会だった。お菓子の国のような建物が並んだ不思議な街並みを誕生させていた。屯場はお上りさんのように目をキョロキョロさせながら落ち着きのない様子だった。こんな世界もあるんだなと感激しながら眺めていた。1900年(明治33年)に英国へ留学した夏目漱石の気持が良く解った。
1989年の8月6日(日)~19日(土)までの2週間の研修期間だった。6日にチェックインして翌日から授業の説明があった。実際に英国に来てみて、想像していたイメージとの違いは歴然としていた。アジアの隅の田舎者の屯場が世界の原点である英国での第一印象は古い街並みが保存されていて、新しさだけが取り柄の東京とは違った歴史のある建物が存在していた。東京は東京大空襲により、戦時国際法でも禁止されていたナパーム型の焼夷弾によって、歴史あるたてものは消滅していた。語学も、TOEIC試験などで誤魔化してはいけない。生きた英語を現地で学ぶべきだ。英国の英語は厳しいぞ! ロンドンの下町英語でとても英語とは呼べない方言だった。何を喋っているのかサッパリ分からないぞ!机上の英語学習だけでは実際に通じないと屯場ショックだった。彼は一番目に感じたことは
自分だけの英語では現地では通じないよ! 特に発音には気負付けろ! 基本に忠実でなければ、通じない。日本の学校で習った英語では通じないと思ってよい。日本の英語教育の貧弱さが目に付いた。外人による英会話教室での,2年間の
屯場の学習が生きていた。 ビジネス英語より日常会話を完全にマスターせよといいたい。楽しく英会話を楽しむことである。なんでも覚えればいいというものでもなく。覚えるリズムがあって、前置詞と共に構文で暗記していた方が使える英語だった。ケンブリッジ大学へ来ている連中との会話も楽しみの一つだった。
9日のウエルカミング・パーティーでであった。ドイツ人女子大生マティオス・マーティンとの出逢いだった。身長は1メートル75センチぐらいで、真っ白な顔に金髪の美女だった。パーティーの前に授業説明の時に広すぎるケンブリッジ大学構内で、この屯場に教室を訊かれたのが本当の最初の出逢いだった。屯場自信も教室が分からなく探しているところだったので、彼女の質問に答えられないのは当然だった。テニス選手だったベッカムの女性版のような容姿だった。金髪で彫りの深い顔立ちは周囲を圧倒していた。パーティーではじめて、ドイツの女子大生であることが分かったが、屯場は実際に使えた英語に感激した。日本の女子大生も参加していたが、意識的に避けた屯場だった。理由は英会話の学習がしたかったからであった。アルコールの少し入った顔はピンク色に染まっていて、大柄なのに可愛らしかった。暗闇のパーティー会場に一輪の花を咲かせていた。白いユリの花のように……。
彼女は身長は175㎝以上あって、大柄だった。何しろ、目立つ存在だった。
真っ白な肌で白いロングスカートを履いている、どちらかと言うと古風な女性だった。ドイツの良家のお嬢さんという感じだった。屯場好みの女性だった。
屯場から声をかけた……。
Are you a student?
Yes,sir.
I`m student.
Where are you come from?
I`m a German.
I see.
簡単ではあったが、はじめての英会話だった。「通じたな!」記念すべき屯場の英会話の日だった。
「湖の快感はたまらないなぁ!」ドーバミンがバッと出るようnア感じで、ビールのほろ酔いも加わって記念すべき日だった。生の英語でしかも、英国という英語の本場での第一歩だった。「ケンブリッジ大学へ来たカイがあったな!」「素晴らしい体験だな」心の中で感激していたが、面には出さなかった。毅然たる態度だった。しかしながら、嬉しさは倍かしていた。ウハウハとした嬉しさが込み上げてきてしょうがなかった。「何て幸せなんだろうか!」「こんなことがあっていいのだろうか!」心は揺れ動いていた。マーティーンとのはじめての会話は桃源郷の中での運命の巡り合いのようであった。彼は信じられないので、自分の手を摘まんでみたが、現実だった。超自然の世界であって、夢ではなく現実だった。信じられない体験によって2年間の外人講師による研修の辛さも消えていた。
彼は普段から哲学書を読むでもなく、いきなりの『英国の憲法』『英国の近代社会』なんてのテーマは消化できるだろうかという不安が込み上げてきた。
「ケンブリッジ大学の学生の講義と全く同じ講義を英語で行うということに不安を感じていた。そんな中での彼女との出逢いは想像もしていなかったホットさせる出来事だった。「ケンブリッジ大学へ来たための体験だった!」予期せぬご褒美に目の球が落ちるような感じであった。漲る勇気が湧いてきて身体がワクワクしてきた。一人旅の中でのひとり1人知り合える楽しさは格別だった。EUのはじまりとヨーロッパがひとつになる過程を視るに一段階だった。
当時の中国とソ連以外の世界中の人々が参加したインターナショナルサマースクールは大英帝国時代のパワーを感じさせていた。黒人は少数いたが、アメリカの女学生ではないかと思われた。意識的に日本の研修生はさけた。理由は英語の勉強にならないからであった。ドバイ出身のアラブ人から声を掛けられた。挨拶程度の会話をした。会場は暗く。重厚感があって、さすが、歴史ある国英国だった。会場は高級ワインや黒ビールが似合う雰囲気だった。
屯場は白っぽいシャツにブリーの細かいストライプの入った夏用の背広に、ズボンは白でラフな格好であった。「軽め過ぎる服装で大丈夫かな?」と不安が生じた。
薄暗い照明の中で、薄っすらとしたマーティンの真っ白い顔がほのかに輝いていた。見るからに大柄であったが、声は可愛らしく感じられた。屯場は彼女の虜になってしまった。脳の奥底に刻まれた刻印は、もう、消えることはなかった。彼女の煌く顔は中年、屯場の学園のオプティミストとしての象徴として、楽しみの泉であることを感謝した。学生なので、色気はまだ、ないが、汚れ鳴き身体で、周囲を圧倒する姿に彼は見惚れていた。白い清楚なドレスに魅了されて、真っ白なユリの花がいい匂いを漂わせて咲き誇っていた。東洋の田舎から来た屯場にとってはマグダラのマリアのように思えて来るのだった。握手して別れたが手の感じは意外とひにゃりして細い感じだった。まだ、白い衣装に包まれた身体まで想像することができなかった。哲学などの学問漬けになった頭で知識は相当にありそうだが、人間の中身はそんなに変わらないのではないかと屯場は自分勝手に想像していた。学問と娯楽の間で揺れ動く白い妖精は森に帰ってしまうんじゃないかと不安だった。2週間という短期間で恋に花咲くんだろうかと疑問に感じていた。彼の身勝手な一方的な想いが燃えていた。
ドイツの学生の英語はそれにしても上手かった。後でドイツの高校生と話したが、「どういう風に英語を学んでいるかね?」
「なぜ、発音が上手いの?」
「小学校の低学年から英語の勉強をしてるから」
「そうなの。だから発音が上手いんだ」
「発音も欧米の講師から直接学んでいるんだ」
「だから発音が欧米人と一緒なんだ」
「日本と英語教育が違うな」
屯場は現地じゃなければ分からない情報に感心していた。「日本は国画が学んでから英語を学ばせた方がいい」という教育方針であり、中学から本格的に遣るがドイツは小学校低学年から英語を学び。欧米の講師に直接学ぶから上手なんだ」と認識した。緑に囲まれたケム川の畔で風光明媚な寄宿舎クリア・カレッジでの生活がはじまった。庭には銅製のオブジェがあり、歴史ある13世紀の建造物の中での生活だった。
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