第5話 ガス抜きの後の練習。
ガス抜きの後の練習では身が入った。
気持がスッキリした後の身体での全身運動は堪らなく躍動感があり、総べてをボールに集中することができた。心身共に元気が出て、厭なことは忘れて身体が良く動いた。殊の外シュートも決まって上手くなったように思えたが、実際には世界のは程遠かった現実ではあるが徐々にちからを付けてきたのは間違いなかった。総べて、思い込みであって実際には、そんなに急に上手くなるものではなかった。徐々にではあるが力を付けてきてはいた。
メジャーになれる日を夢見て、練習に明け暮れたが、頭では炎が燃えだして、カッカとしてきていた。監督は今流行りのパソコンでのホーメーションを学ばせたが最初は想うように行かなかったが、徐々に馴れてきていた。自分たちだけではオーバーワークになってしまうので、コーチや監督の助言が大切だった。
「リブ! インホメーション馴れた」
「もう、平気よ!」
「ゲームを遣っていたからね」
「他に冬の北海道では遊びがなかったからね」
「そうだったわね」
「冬は長いしね」
「外では遊べないからね」
「どうhしても室内で読書やゲームを遣る以外にはないのよね」
「そうだったのね」
「私は雪国の生活は知らないからね」
「いいのよ。いいのよ」
「別に変わった生活ではないけどね」
「気にすることないわよ。マリコ」
「食べ物は?」
「何でもあったわ。じゃがいも、ニンジン、アスパラカス、リンゴ、トマト、玉ねぎなど、北海道産も多いしね」
「農業圏だものね」
「九州も一緒よね」
「外は雪だし、修道院の廊下を駆けてしかられていたわ」
「小さい時からお転婆だったんだ」
「そうなの」
「知らなかったわ」
「小さい時には、お転婆の方がいいのよね」
「正しくお転婆だったのよ! 親が手を付けられないぐらいの」
「走り会は誰にも、まけなかったわ」
「運動会の徒競走も一位じゃないよ気が済まなかったわ」
「勿論、クラス対抗の選手だった」
「ダントツの一位だったわ」
「負けず嫌いだった」
「一度、転んでしまって、ビリだったのよ。悔しさと言ったらなかった」
「それからは転ばないように走ったわよ」
「失敗は成功の基よね」
「転んだら、負けよね」
「総べては体験ね」
「そうなのよね。ミスをしながら学んで行くのよね」
「ボールだっていうことを訊いてくれないじゃないの」
「でもさ、遣っている内に上手くなるのよね」
「積み重ねの練習によってね」
「サッカーも結局はボールとのお付き合いじゃないの」
「そうなのよね。ボールに嫌われたらお終いよね。
「ミスをして、はじめてボールと上手く行っていないことに気がつくのよね」
「時計だって、どうして、動くんだろうと、小さい時に、壊すじゃないの。そうだったのか、こうやって動くんだと学ぶのよね」
「はじめから、総べてを分かる人はいないものね」
「モノの道理とはそういうものよね」
「ボールにも魂があると思って、付き合わないとね」
「自分の思っているように、進んでくれないものね」
「ボールのも個性があるのよね。まったく、同じボールってないでしょ」
「それはそうだわね」
「それぞれ、違うわね。蹴っても同じ方向へ飛ばないじゃないの」
「結局、何回も同じことを繰り返して、細かいところを学んで行くのよね」
「リブも大人ね」
「良いこと、言うじゃんか」
「修道院で苦労したからね」
「精神的にもクリスチャンの良いとこどりよね」
「そうね。礼拝での牧師の言葉も生きてきるわよね」
「ありがとう!」
「一流選手になるのには、頭や精神力が大切なのよね」
「そうなのね」
「コーチや監督のお話を聞いてから行動した方がいいわよね。経験者だからね」
「結局、悩みは変わらないのよね」
「脳からの命令で身体が動くからね」
「そうそう!」
「みんな一流を目指しているんだからね」
「そこを、抜きん出るのは大変よね」
「運もあるけど、努力も必要なのよね」
「粘り強さをディフェンスでは大事よね」
リブとマリコは世界へ羽撃くために、英会話をはじめていた。
How about taking break?(休憩を取りましょう)
That`s a great idea.(いいですね)
お互いに、初歩的な英会話からはじまった。
,My name is Liv.(私の名前はリブです)
How are you?(ご機嫌いかがですか?)
I`m fine thank you and you.(私は気分が良くて元気ですよ)
何時も、こんなパターンからコミュニケーションがはじめるのだ。
自分の住んで居るところや職業などを紹介する。
I live in Hokkaido.(北海道に住んで居ます)
I`m football player.(サッカーの選手です)
こんな感じで会話が続く。
My hobby is movie.(私の趣味は映画を見ることです)
I like a strawberry.(好きな食べ物はイチゴです)
こんな他愛ない初級会話ではなったが、英会話教室の初級のパターンは自己紹介から、初めって、自分の生活圏の話を行うのが常である。リブも発音はお手モノの出で、自信はあった。マリコの先生ぐらいだった。発音は大切なのは、現地へ行っても通じないのではしょうがなかった。世界で活躍したいという夢で2人は大きく羽撃くことを狙っていた。
Accuracy is what aim for.(細密さこそ私たちが目標にして居るものだ)
肌理の細かいバスやシュートは日本人の十八番であり、これが、世界を制する力になるとは誰にも分っていることであり、この精密さが世界をせいした品質であり、肌理の細かな精神だ。
Everyone`life is valuable.(それぞれの人生には価値がある)
リブもマリコにも個性があり、それぞれの人生が、今は同じ道を進んでいるが、別の人生を歩むことになるだろうが、ひとり1人は生き方が違っていて、それぞれの人生があるものだ。
We had played football in spite of the fact that it was raining.(雨がふっているにもかかわらず、サッカーをしていた)
The convenience store is open around the clock.(コンビニは24時間開いている。
We like a sweet potato.(私たちはさつまいもが好きだ)
Why are you like sweet potato.(なぜ、さつまいもが好きなんだい?)
I pas gas.(おならが出るから)
「そうだったわね。私たちはガス友だからね」
2人のたわいない話が続いていた。
Sweet potato is may favorite food.(さつまいもは私の好物です)
Player should respect their manager..(選手は監督を尊敬すべきだ)
こんな会話を楽しみながらの2人の英会話のレッスンは進んでいった。
サッカーや人生など身近な話題を中心にして学ぶので自然に覚えられて行った。目標がしっかり定まっていたので、楽だった。息抜きの会話もあったが、世界を目指す2人にとっては楽しいひと時だった。
英会話の学習も楽しく遣らないと面白くない。
前述したように、興味のある身近なことからはじめると自然に興味が湧いてきて上達してゆくのがコツであった。学校で学んだ英語は忘れて、外人講師から発音を徹底的に学ばなければ、現地では通用しないことは本場ケンブリッジ大学で屯場が学んだことを想い出していた。2人にとっても、世界に通用する英会話であり、サッカーを望んでいたのだった。
屯場の体験ではアメリカ英語は「ごめんなさい!」を「Excuse me~」というが英国では「Sorry~」だったのを覚えている。日本の英語教育は米国語であって、本場の英国英語とは違うことを屯場はケンブリッジへ行ってから知った。語学を学ぶのには現地へ行けば手っ取り早くはじめられる。特に感じたのは、発音をしっかり喋らないと通じないということである。日本の英語教育の曖昧さは不味すぎるし、英国人は米国人を内心、バカにしているのであることも忘れずに。屯場はケンブリッジ大学へのインターナショナル・サマー・スクール`89の参加して最も、感じたことであった。日米の基地問題をはじめアメリカばかりの追従外交では世界からバカにされるのであることを忘れずに、と屯場は感じた。日本も昔のように日英同盟などを考えて方がベターじゃないのかと屯場は現日本政府の考え方に不満がある。世界一の債権国日本にとっては、北朝鮮問題でもあまりにも、追い詰めると、日本が負けた第2次世界大戦を想い出す。日本は何故せんそうに向かったかという解答は、アメリカの石油はじめとするABCラインによっての追い詰められた結果だったことを忘れてはならない。日本のリーダーは文学や芸術などを学んで、日本のアイデンティティを確立しなければならない。イタリアやドイツのような日本の地位協定を両国のラインまでにしないと独立国とは言えない。屯場はシェークスピアの文学においても、彼が1人であの多くの作品を生ませたかというと疑問に思うし、本当に、シェイクスピアという人間がいたかどうかも良く解らない。シェイクスピアの観光地、ストラド・アポン・エイボンへいってみたが、あまりにも綺麗過ぎるし、後から造られた街という感じを受けた。
シェイクスピアの不思議はケンブリッジ大学への研修が切っ掛けだったが、エイボンのシェイクスピアさんはあまり文字書きも得意ではなく。実際はシェイクスピア劇団の総合制作の戯曲であって、1人で書いた文学作品ではないのでなないかと屯場は感じた。原作も、欧州中にあり、特に、ロミオとジェリエットなどはイタリアなどにも似たとうな物語がある。英語版でも屯場は持っているが、文学というよりはセリフだけの戯曲と言った方が正解かもしれない。まあ、多分、英国のジョークではあるまいかと感ずる屯場だった。チャールス・ディケンスまでの
英国文学を訪ねて大英博物館近くにある、若き日に住んだ家も訪問してきた。かれの物語の中では2都物語が好きな本である。幽霊の出るクリスマス・キャロルもいい。日本の明治時代の建物の外観があり、内部はギャラリーになっていた。
トントンと叩くと中に入れてくれた。洒落た感じのギャラリーであった。室内に入ると現代風の展示になっていた。ディケンスの家まで見学できるとは幸運だった。こちらは本物臭かった。シェイクスピアと違って、現実的に当時の建物の外観が残っているので本物であると屯場は確信した。確かに、ディケンスは明治時代でシェイクスピアは江戸時代の初期であって時代が大分違うのであるが、ディケンスは本物であり、シェイクスピアは偽物臭いと屯場は直感的に感じていた。
ストラッド・アポン・エイボンからケンブリッジまでの鉄道の旅は忘れることができない。13世紀の建物が残る駅々には必ず、駅前には教会があり、重厚な感じで周囲を圧倒していた。
マリコとリブも、本場の英国などへ行って武者修行を行うのも、勉強になろう。英会話だけでなく。ヨーロッパのサッカーは世界一流であることを忘れないで欲しい。上辺の英会話ではなく本場の空気を吸って、大きく羽撃くことを屯場は期待している。ラクビーの本場でケンブリッジの庭で学生が横縞のユニフォーム姿で練習しているのを見たが迫力があった。グランドは大きく空まで届く感じだった。スクラムを組む姿は体格のいい学生の肉の塊のようであって、緑のグランドに映えるユニフォーム姿は2人にも味合わせたくなってしまった。本場ラグビーの練習を見ることができたのは幸せだった。
青空のもとで、ポッカリと雲が浮かぶ英国はボートとラクビーはオックスブリッジの戦いで世界中に知れ渡っていた。
世界に羽撃く英会話……。
「学んだ英語は忘れろ!」
通用しない日本の英語教育。英語をイチイチ日本語に翻訳する煩わしさ。
「英語で考え、英語で喋れ!」これが屯場の経験した実感だった。英語の中には日本語で訳せないモノも存在するのだ。
例えば「A few days」は日本語に訳すと「数日」と訳されるが実際の英語での内容は「数日から数か月に渡る」こともあるのだ。こんな巾のある期日であるのに、日本語の翻訳は数日間であって、屯場の頭にもこびり付いているのだ。こんなバカげた話はない。この巾を表している辞書は研究社の分厚いモノぐらいだ。
だから日本語に訳してはいけないのだ。「英語は記号なので、その単純な単語の中にも、多くの意味を含んでいることを忘れずに!」英語で考え、英語で喋れはそういうことなのであって「英語の単語には多くの内容があるので、他の文の雰囲気によって判断しろ!」ということなんだ。
リブはハーフなので、発音は生まれつき上手かった。
She loves outdoor sports, for instance, footballing and
snowboarding.<(彼女は野外スポーツが大好きだ。例えば、サッカーやスノーボードなどである)
発音に関してはマリコはリブに直されたが、次第に、上手になっていった。
soccerは英語footballはフランス語である。欧米ではFootballの方がの方が一般的に使われている。
「Fは唇を噛んで発音してね!」
リブの注意でマリコは何回もトライした。
「フットボールのフの部分は軽く噛んで発音ね」
「フット・ボール! フット・ボール!「フット・ボール」
「OKね!」「上手くなったじゃないの」
「日本人の多くは正確に噛まないから、通じないのよね」
「間違ってもいいから、大きな声で発音しなさい!」
「じゃないと、聞こえないわよ」
「積極的に行動しないと、英語は上達しないのよ!」
リブの厳しい声が飛んだ。
「く言うでしょ! 日本人はYes< No,をハッキリいわないからダメなのよね」
「日本のように中間色じゃ、ダメなのよね。白か黒か、ハッキリ言わないとね」
「英語には中間がないのよね」
「だから、喧嘩しているみたいの喋り方だね」
「リブは英語向きよね」
「マリコだって、そうじゃないの?スポーツ選手はハッキリしてるわよね」
「そうね! エーイと球を蹴っちゃうものね」
「そうだよね」
「マゴマゴしてたら、球を取られちゃうものね」
「負けちゃうよね」
「迷うことない! エーイ! ドン! シュート!」
サッカーも英会話も地味な練習が成長への賜物だった。積み重ねであって、急に上手くなるものでもない。2人は良く知っていた。
リブもマリコも粘り強く、学習していた。
英会話には5つの「ア」の発音があり、厄介だ。
走るのrunはアの中でも〔Λ〕を使うが、口を縦に大きく健康的に明るく〔ア〕と発音する。
「〔r Λn〕でしょ?」
「そう! 上手い! 上手い」
「それでいいのよ」
「繰り返してオーバーにね」
「えいごの表現力は少しオーバーに言えばいいのよね」
「口は縦に、舌は上の歯ぐきに触るようにね」
「息子のsunも同じ発音ね」
「そうそう! 良く知ってるじゃん」
「mouthもそうでしょ!」
「Yes, sir.良くご存じね」
「英語の法則を覚えてしまうのよね」
「法則?」
「決まり事のことよ」
「そうすれば、同じグループで括れるし、関連があるので、一緒に覚えてしまうのよね」
「簡単よね」
「でも、忘れるものね」
「あまり考え過ぎないでね」
「シンプルにね」
「日本語のように複雑じゃないからね」
「記号なのだから」
「記号の集まりと考えればいいのよ」
「理屈はあまりないよのね」
「決まり、決まりだからね」
「単純に発音して、最初は真似していいのよね」
「口格好なども真似ることよね。外人の……」
次のアは〔ae〕can.fan.cat.などの発音である。口を思いっきり横に開けて、顔に皺を寄せながら、オーバーに発音するのであるが、日本語のはないアなので、気をつけて何回も練習すること。
「キャン、キャン、キャン」何回もマリコはリブの口を観ながら発音を繰り返したが、まるで鬼の形相だった。
「ソウ、ソウ!」口を横に開いて力強く叫ぶの! 顔は鬼のようにクチャクチャにして、canって言うの。
「キャン! キャン! キャン!」
「マリコ上手いじゃないの」
「キャン!」
「お尻の穴を開く感じにして大きな声を出すのよ」
「キャン! キャン」
「ドンマイね!」
「鬼口の横開きね」
「それ、何の事?」
「冗談よ!」
「あまり気にしないでね」
「こっちは真剣なんだから、変な冗談はよしてよね」
「ゴメン! ゴメンね」
「英会話の時は顔の表情は気にしない」
「顔をクチャクチャにしなければ、上手くならないのよね」
「出来るだけオーバーのね」
「綺麗な顔が台無しだわね」
「悪かったわね」
「喧嘩ふっかけないでよね」
「マリコは生徒でしょ!」
「気にしない! 気にしない」
マリコは尻の穴に手を擦りながら、恥ずかしそうにしていた。
「英語って普段使わない筋肉を使うのね」
「そうね。日本語に比べれば全身つかうんだからね」
「表情はできるだけ、豊にしなければね」
「そうなのよ。それにオーバーアクションしなければね」
次ぎのアは〔a〕lockのアである。菊池先生の受け売りだけど、握り拳を入れるイメージでアを言うのである。
「マリコの綺麗な口をいっぱいに開けてアを発音するのよ」
「危ないのアよ! この発音ころ、お尻の穴を窄めるのよね! 分かる! マリコ」彼女は下を向いたまま発音したのだった。
「上を向いて驚いたようにお尻を窄めてアって叫ぶのよ」
「アっとね。分かった」
「shopでしょ!」
「いい発音ね!」
「stopオーケーね!」
「上手いじゃないの」
マリコは意地になってお尻の穴を窄めて発音したので、リブも誉め捲った。
「stopの発音は良かったわね」
「これからサッカーにも使おうかしらね」
「キーパーはボールをストップ! ストップさせないとね」
「そうなのね」
「stop! stop! stop!でしょ」
「OKよ! その発音で……」
「元気良くね」
When I get some free time Ill stop by your place for a chat.(私に自由な時間があれば、あなたの家におしゃべりするために立ち寄ります)
「バシー!」
「ストップ!」
「バシュー!」
「ストップ!」
「ザァーツ!」
「ストップ!」
「ビャシュー!」
「ストップ!」
「ダーッ!」
「ストップ!」
「ゴォォーン!」
「ストップ!」
次のアは〔eの逆さま〕Japanのアである。口をあまり開かないで、曖昧にアをいう。ちょと弱気に……。アをいう。このJapanもNadeshiko JapanのJapan
だから2人にとっては重要だった。このアはお尻の穴に関係なく弱気にアを発音する。「ジャパン! ジャパン!」と……。
「なでしこジャパンは目標だからね!」
「早く入りたい!」
「なでしこジャパン万歳!」
「ジャパン。ジャパン」
「いい発音ね」
「benefit!(ベナフィット)のナの部分ね」
The benefits of our new policies have been great so for.(今のところ、新政策による利益増が目覚ましい)
「こんな感じ! benefit! 」
「OKよ!」
「リブは英語に強いなぁ!」
「パパのお陰よ!」
「発音が特にいいわね」
「パパのお陰よ」
「泣かないで」
「想い出させないでよ」
リブの目から大粒の涙が零れた。
もう、外は真っ暗で一日が簡単に過ぎていった。
時の速さに呆気に取られた。
秋の夜中の長さに吃驚した。
「Stop the night!」
「もう、寝ましょうか」
「そうしょっか!」
「Good night!」
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