メインヒロインが多いのは仕様ですか? 5
【メインヒロインが多いのは仕様ですか? 5 あらすじ】
超能力者の転校生によりもたらされたヒロインハーレム崩壊の危機は、僕の全裸土下座によって間一髪で回避された。しかし、それは同時にヒロインたちの心に火を点けてしまったのだった。魔王、幼なじみ、生徒会長、副会長、異世界ヒロイン、バスケ部の先輩、弓道部の後輩、軽音部の従姉妹、超能力者、そして担任の美人教師と、セクシーな保健室の先生。文化祭を舞台に、ついに「正ヒロイン」を決める時が来る!
ヒロイン
【メインヒロインが多いのは仕様ですか? 5 試し読み】
「はいはーい! わらわはロミオとジュリエットがやりたい! ……お、お主、男が一人なわけだし、ロ、ロ、ロ、ロミオにしてやっても良いぞ!」
文化祭実行委員会の会議で、魔王が真っ先にそう言って声を上げた。
「じゃあジュリエットは私ね。相手がコイツなのが気に食わないけど、まあ、昔からの腐れ縁だし? 私くらいしか相手できないでしょ?」
すかさず、幼なじみが牽制した。
「ちょ、ちょっと待ってください……、わ、私、毒を飲むシーンに憧れがあって、えっと、だから、あの、わ、私がジュリエットでも……」
遠慮がちに、異世界ヒロインも発言する。
(私も、立候補。ジュリエット)
超能力者が、テレパシーで主張する。
「いーや、劇より音楽だ。歌なら私が歌えるし、ドラムならお前が叩けるもんな?」
そう言って従姉妹が僕を指さした。
「ちょっと待ってください! 的当てとかはどうですか? 私、弓道部だから得意ですよ。ねっ、おにーちゃん!」
そう言って、今度は後輩が僕にウインクした。
「ちょっと待て、的当てならボールを使ってもいいだろ!?」
間髪入れず、先輩が後輩に張り合った。
「君たち、落ち着きたまえ。そうだな、リアルお医者さんごっこなんてどうかね? フフフ」
保健室の先生が蠱惑的に笑う。
「お待ちなさい! ここは出し物を決める場ではなく、仕事内容を決める会議! そこで私が生徒会長として仕切らせていただき、補佐として彼にまずは手伝ってもらおうかしら? 力仕事もあるでしょうしねっ」
今度は、生徒会長がそう言いながら僕の腕をつかんだ。
「あっ、こら貴様、会長にベタベタさわるな!」
そう言って、副会長が逆側の僕の腕をひっぱる。
「議論が活発なのは結構だが、みんなひとまずクールダウンしよう。そうだ、ただ一人の男子である彼の意見も聞いてみようじゃないか」
そう言って担任の先生が、僕の肩に手を置いた。
すると今度は、後輩が叫びながら机を叩いた。
「先生も生徒会長さんも、副会長さんも、おにーちゃんから離れてください!」
「そうだ、ふしだらだぞ!」
先輩も叫ぶ。
「どいつもこいつも、うるさいのぉ。とにかく、ジュリエットはわらわで決定じゃな!」
空気を読まずに、魔王が笑顔で宣言する。
「決定じゃない!!!!!!!!!!」
残り全員が否定した。
僕は一言も発言できずに、圧倒されていた。
……だ、誰か、代われるものなら代わってほしい……。
※※※※※※※※※※
【メインヒロインが多いのは仕様ですか? 6 告知】
僕はごく一般的な高校二年生。だが、ひとつだけ困った『体質』を持っている。それは、『ヒロインひきよせ体質』だ。これを聞くと、「モテ自慢乙」という奴もいるかもしれないが、そんな簡単な話じゃない。ヒロインというものは、いつだってトラブルと一緒にやってくるものなのだ。
「正ヒロイン」を決める運命の文化祭。
その祭のあとの教室で、僕は「彼女」を待っている……。
ヒロイン
近日刊行予定――!!
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