第18話 イジリーと牡蠣(上)

合コンの話と言えば、私もすごいのに会ったっけなぁ…というのを思い出したので書くことにする。あれは大学の先輩からの依頼だったっけ。

「女の子を紹介してくれと同部屋の奴がしつこく言ってくるから、人助けだと思って合コンに来てくれ。」

と言ってきたのは、喰い詰めたバンドマンのようないで立ちをした雰囲気イケメンな先輩だった。賀集利樹みたいな感じだったので賀集(仮名)としておこう。

人助け、というか俺助けだと暗に言う先輩の発言の時点で、嫌な予感はしていた。

「多分女子集まらないと思うんで、女子分は私含めで全額おごりで頼みますよ!」

「オッケー、相手に言っておく。」

そんな約束を取り付け、友達を誘う段階になった。が、こういうのに慣れていそうな大学の友達は皆用事があり来れないとのことだった。くそぅ。

なので小学校以来の付き合いになる、心は剛の者なロリ巨乳の友達について来て貰うことにした。当時はKERAに載ってそうなロリパンクなファッションにほぼ金髪のツインテールだった。そうだなぁ、デスノートのミサミサみたいな感じだったからミサミサ(仮名)にしようか。

当日。私はミサミサ(仮名)を連れ、待ち合わせのパルコ前に行ったが、そこに先輩の姿はなかった。少しイラつきながら携帯にメールを送ると、「店に先に行ってて、後から行くから!」というメッセージが返ってきた。「ちょっと全員知ってる人が来ないでどうするんだよ!」と電話をかけるも、30分くらいしたら行くからとテキトーな答えが返ってきた。

「信じられない」と憤慨する友人を宥めつつ待ち合わせの店に向かうと、なんだか微妙に高そうな感じの隠れ家的フレンチレストランだった。

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