第13話 鋼の腹を持つ男

「誰も得しない」やっと1話アップできた。これが産みの苦しみというやつか。

スランプになるとついつい楽な方に流されてしまうのはよくない癖だってわかってるんだけど。

ところで最近便秘気味なんだけどと夫に打ち明けたら、今日の朝

寝起きに下痢ツボを16連打された。キミの奥さんの頭はシュウォッチじゃないぞ!と声を大にして言いたい。

また腹が決壊してトイレに籠城してしまうではないか。

私の腹の具合はころころと変わりやすく、まさに女心と秋の空のようなのだ。

それに比べて、夫の腹は鋼のような丈夫さを持っている。

今回はその時の話をしようと思う。


夫が大学生の時の話だ。

まだ若かった夫は、同室の友達に「一口ちょうだい」と言っては、

全部食べてしまうという困った行動を繰り返していたのだった。

そんなある日のこと。

「お、いいもんあるじゃん。もーらい。」

小腹を空かせた夫が今日も元気に友達の缶コーヒー(飲みかけ)を

グビっと一気飲みしたところ、ヌルッとした塊が喉を滑り落ちて行った。


「なんかこのコーヒーヌルッとしてたんだけど。」

夫は友達に苦情を申し立てたそうだ。人のを勝手に飲んで文句をいうなよ。

「えーっ!信じられないなんで勝手に飲むの!?それ大分前から放置していたやつだよ。もーお前にはギブ&ギブだよ!」と友達。


ヌルッとしたものは、どうやらカビだったらしいと

夫は細い目を更に細めて言った。


「それ、飲んでお腹壊さなかったの…?(震)」

「大丈夫だった」


この日から夫は、私の中で「鋼の腹を持つ男」というあだ名が付いたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る