第8話 そんなハウスで大丈夫か
初めて書いた小説「誰も得しない」が最近スランプで
現実逃避気味にこっちばっかり書いている。
企画に出展している期間だからこっちの更新に力を入れている
というのもあるけれど。
えっと、前回は結婚が決まったとこまで書いたんだっけ。
結婚、つまり別々の家で育った男女が一緒に住むということだ。
私はそう思っていた。今もそう思っている。
一度でも同棲された方はおわかりになるとは思うが、
些細な事でも、話し合いと譲り合いと忍耐が毎日試されるものだ。
憧れだけでは到底乗り越えてはいけないと思う。割とマジで。
結婚に伴い、遠距離を解消し同棲することになった。
私は地元から離れた例がなかったので正直なところ、
いきなり九州に住むのは不安だった。
それと同時に「安い」ということだけに重点を置いた夫の家選びの事を考えると
籍を入れて即の結婚生活開始は嫌な予感しかしなかったからだ。
というのも、夫が結婚前に南の島に出稼ぎに行く前の家が大変にアレだったためだ。
今回は流れがズレるので割愛するけど。
今は別の家に引越したが、当時夫が単身で借りていた家は
駅から徒歩1分の学生アパートの1室だった。
思ったよりもまともで、初めてお邪魔した時にはえらくホッとした。
だが、その空間に少し違和感を覚えた。
旅立った時よりもモノが多いのだ。
生活してゆく中でモノがどんどん増えるのは当たり前の事だ。
しかし夫の場合、最小限のものしか揃えない性格なので、
刑事ドラマの張り込み部屋のような状態がデフォになるのだ。
これは前の住人が置いていったものを流用しているのだろう、十中八九そうだろう。
炊飯器も掃除機もカーテンも無かったが、なぜかこたつだけはあった。
冬なので非常にありがたかったが、きっとこれも前の住人の持ち物なのだろう。
「疲れただろうからそこのベッド使っていいよ。」と勧めてくれる夫は優しかった。
察しの良いみなさんはもう気付いたであろう。
そう、そのまさかだ。
「嫌!前の住人の置いていった布団で寝るのは嫌!買い替えよう!!!(泣)」
「まだ使えるんだから大丈夫だ、問題ない。」
「他のものは我慢できるけど、知らない人の下着と布団のお下がりだけは嫌!!」
「俺は大丈夫だ。」
「お前だけな!!」
散々揉めた挙句、導き出した折衷案は
「シーツを新品にすれば問題ない」だった。
念のためいうけれど、今は大丈夫だから!
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