第4話 私と夫

私と夫は、2年前に結婚した。

付き合った時は、彼は住所不定無職だった。

(頻繁に海外に出る人だったので、住民票を出し入れしすぎて役所の人に怒られたので身元引受人は知人の大学教授に頼んでいたそうだ。)

そんな夫と知り合ったのは5年ほど前だ。

きっかけは大学時代の後輩のメールだった。

川平慈英にちょっと似た後輩だから川平としておこう。

当時、川平は世話焼き&カップリングを趣味としていた。

川平がメールをくれる数か月前間に、彼と大泉洋似の後輩と岡田真澄似の教授と私の4人で飲み会をしたことがあって、その時に誰か紹介してと頼んでいたのだ。


「面白い人を紹介するから、今夜焼肉屋に来てよ。」という川平からのメールを

受け取ったのは、仕事でやさぐれて酒飲もうと連呼していた時だった。

12月上旬の、寒い冬の夜のことだ。

指定された焼肉屋に着き、この人だと今の夫を紹介された。

出会った当時はそんなに変わった人だとは思わなかったし、

本人も普通の男だと言うので、正直なところ周りが言うほど面白い人だとは感じてはいなかった。


夫が真冬の北海道でストーブ無しで生活していることを知るまでは。

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