第20話 冬


 仲冬の時季に入ったサヴォークでは、押し迫った年越しを前にして連日降る雪の中、日夜建材を行き来させる荷役夫や石工たちの熱っぽいざわめきが方々から聞こえてくる。


 それを改築されたばかりで、床材の青い匂いも取れないほどの部屋から、スピネイルは聞き入っていた。地上三階建てのアパルトマンから見下ろす景色を、飽くことなく眺めている。


「暇そうだね、スピネイル」


 音もなく部屋を訪れたヨアレシュが話しかけた。


 スピネイルはそれに振り向くこともなく答える。


「することがないからね」

「なら、ちょっと出歩くのに付き合ってもらおうか。護衛士殿」

 その言葉にスピネイルは振り向く。


「魔術人の行くところに護衛士あり、さ。君はまだ第十三軍団付き魔術人護衛士だろ?インファはまだ帰ってこれないし、君が居なきゃ」


「……わかった。すぐ支度しよう」


 窓辺の椅子から離れたスピネイルは、厚地のチュニックに毛皮のマントを重ねて羽織り、その下に反りの強い刀を帯びた。


「……その剣、まだ持ってたんだね。仇の武器なんだろ?」


「なんだか捨てられなくてね……」


 言葉少なに答えたが、スピネイルは自分の心理をよくよく観察していた。

 


 

 あの日。自らの手でユアン・ホーを殺したことで、遂にこの世にホン・バオ・シーの真実を知るものは、自分とインファの二人だけとなってしまった。ヨアレシュこそ、心を読んで知ってはいるが、それがどういう経過を経て今に至っているのかを理解している、というわけではない。


 あの後、生き残っていたユアンの部下たちは全員が降伏した。目の前で頭目が惨殺されたのだから戦意も何もあったものではなかったから、当然だと言える。これを持ってウファーゴ・ツァオ・シーの王権が確立し、後日その旨が正式に、アメンブルクの自由民オークたちの元に宣言された。


 アメンブルクの市民は、この新たな族長オークと、彼が率いてきた人間の軍団、そしてモグイ族たちを歓迎した。オーク部族社会に恨みを抱くホーの男たちは、シー王国を収奪すると数多の暴虐を市民たちに働いたので、その権勢は全く地に落ちていた。


 居城であったアメンブルク館が捜索されると、広大な中庭から多量のオークの屍が発見された。どれも老壮年の男性で、身包みを剥がされて裸のまま無造作に埋め込まれていた。幸いにも相好を大きく崩すほどの腐乱死体はなく、旧従士団員らによる検分の結果、旧シー王国の重臣たる長老や近親者であると認められた。


 それらの遺体の中に、ラン・バオ・シーと思しき人物が見つかったことは一同に衝撃を与えることとなった。検分により、毒物を摂取したのちに鋭利な刃物により急所を幾度も刺されたことによる出血死であると思われた。


 この検分の場にはスピネイルも同行していたが、それを見ていた彼女の表情はまるで死人のように青ざめたものであった。それでありながら、その瞳は火にくべた石のように赤く光っていたという。


 なお、この館内の捜索の折、ラン・バオ・シーの息女ホン・バオ・シーの居室と思われる部屋が、何か不可思議な力によって開場出来なかったという珍事があった。魔術人ヨアレシュは、これが魔術人の呪いにより封じられていることを指摘するも、開錠は叶わなかった。


 その部屋は外部から窓の存在が確認されたが、中を覗くことが出来ないほど真黒に汚れており、結局、今回は手つかずのまま放置された。状況からして、おそらくホン・バオ・シーは監禁され、室内で自害に及んだのではないかと結論付けられた。


 さて、シー王国三代目国王となったウファーゴは、改めて名をウファーゴ・ツァオ・シーと定め、庇護下に置くこととなった領民と、彼に従うハイゼ・フェオン以下五百余りの従士に向けて、今後の所信を表した。


「我らオークの民は、これより南方に住まう小さき人々、すなわちレムレスカ帝国と友誼を結び、ここに長きにわたる両民族の争いを終わらせる所存である。そして私が正当なるオークの王の地位に就くために助力したモグイの民に、領内への定住権を与えるものとする。三つの民が互いの気質を酌み交わし、この地に長寿と繁栄をもたらさんことを願い、訓示とする」


 この所信は過たず文書化され、シー王国勢力圏外縁に留まっていた十三軍団本隊のキュレニックス将軍に届けられた。彼は過剰にシー王国市民の感情を刺激しないために、アメンブルクから離れた位置にいた。


 この知らせを受けたことで目的は果たしたと考えたキュレニックスは、大胆にもわずかな近習のみを従えて長躯し、アメンブルクへ到着して代将スピネイルと合流した。


「この一帯は既にウファーゴ陛下の支配下であるからして、友好関係下にある帝国の将軍であり、元老院議員である私の身に、危険が降りかかるわけもないだろう?」


 ふてぶてしく言い放ったキュレニックスに対し、その言葉の意味を理解したウファーゴは血相を変えてハイゼに命じ、領内に潜伏しているかもしれないユアン・ホーの残党の捜索と、領内で頑強にユアンへ反抗していたラン・バオ・シー派に帰順を呼びかけるよう差配した。


 とはいえ、互いに『国家の友人』の称号を贈り合ったことで賓客扱いになったキュレニックスは、長きにわたり身に着けていた鎧を脱ぎ、元老院議員の正装を纏ってアメンブルクのオーク市民たちの前に出た。


 その端麗な立ち居振る舞いは南方に広がる人間の帝国の文化水準の高さを、一般のオークたちにも広く知らしめることとなった。それまで略奪か、モグイ族の商人による交流しかなかった文化圏と、より濃厚な交わりが始まることを予感させる出来事だった。


 キュレニックスは数日アメンブルクに滞在し、その間にウファーゴ、スピネイル、インファ、ハイゼらと卓を囲み、今後のシー王国の運営についての方針を協議した後、出国した。


 これに合わせて、スピネイル代将率いる一千五百のうち、領内に残るモグイ族を除いた一千の兵もシー王国を出ることとなった。凡そ半月ばかりの間、狭い空間内で膝突き合わせて暮らす中となったレムレスカ兵士とシー王国のオーク市民の間には、不器用ながら友情が育まれ、互いに別れを惜しんだ。


 

 父の変わり果てた遺体に付けられた、鋭利な刀傷は間違いなく、このユアンの刀によるものだとスピネイルは確信していた。毒を盛り、喪心したラン・バオ・シーに忍び寄り命を奪ったこの刀だけが、今やスピネイル・ハジャールとホン・バオ・シーとの間に横たわる因縁を示す証拠として残った。父の命を奪い、父を襲った仇を討った武器として。


 外着を着たスピネイルを連れてアパルトマンを出たヨアレシュは、にぎやかな街路へそぞろ歩きしながら尋ねる。


「サヴォーク暮らしはどう? 少しは慣れた?」


「初めのころは大変だったわ。書類上はここで生まれた貴族だけど、知己が居るわけじゃない。それで乱が終わって住民が戻ってきたら、知らない顔が偉そうに公堂で市政を差配してるわけでしょう。周囲の人間からすれば、面白くないわよね。針の筵よ」


「それで部屋に籠ってぼんやり外を眺めてたってわけか」


「インファはまだ開拓地から帰ってこられないって手紙が来てたよ。年越しまでには、一旦帰ってくると言っていたけど」


 この場にいて欲しい友人の姿を思い、スピネイルは肩を竦める。


 モグイ族傭兵のまとめ役となっていたインファは、そのまま同族たちを引き連れて与えられた所領の開拓を指導する立場となっていた。とはいえ、長らく如何なる首長も君主も置かず暮らしてきたモグイ族は、たった一人の指導者に傅く文化を持たない。


 そこでインファは各地からモグイ族の長老を開拓地へ招き、彼らとの間での合議により諸事を決定するための仕組みづくりや、当面必要となるシー王国やレムレスカ帝国との取次を担うことになった。


 皮肉にも、略奪を受けたサヴォークの復興活動は、直近の位置に移住したモグイ族にとって絶好の商機

となり、開拓地での生活基盤を急速に固めることになる。


 例えば今、スピネイルとヨアレシュの前では、木彫師や大工がモグイ族が荷役夫のオークに曳かせて持ってきた木材を前に商談を行っている。オークたちの中にはサヴォーク襲撃に加わったものもおり、今は平服でかの街を闊歩することに居心地を悪くしている。行き交う大量の人間を珍しそうに見ていた。


 モグイ族だけではなく、果敢にも手ずから人間たちと商売をするべく、シー王国で生産された鉄細工や手斧といった日用品を地面に広げて立つオークの露天商の姿もあった。


 一方で、開け放たれた門扉の奥、アメンブルクへと続く街道には、粗末な衣服を纏い、石の枷を嵌められた哀れな姿のオークたちがいた。彼らは先の変事に際しユアン側に付いていた者たちで、その多くはホーの男たちだ。


 ウファーゴ王は彼らに対し、改めてホーの姓を与えると、その権限を持って彼らを奴隷として遇し、サヴォーク略奪におけるレムレスカ側への損害賠償金の一部として、レムレスカへと贈与された。このオーク奴隷たちは以後、両国間に渡る街道の再整備や、荒廃した耕地の再開発に従事することとなる。


 余談だが、これにより奴隷に遇された者のことを、帝国では以後『ホー』と呼ぶようになる。雪降りしきる中、奴隷オークたちは巨大な鶴嘴で自分の足元の、硬く締まった土を掘り返し、採石場から運び込まれた新たな敷石を並べていく。その作業は遠くアメンブルクに繋がるまでは終わらないだろう。


 人間、オーク、モグイ族が入り交じっている光景を、スピネイルとヨアレシュは次々と人物の入れ替わる舞台劇を見ているような気分で眺めながら、嘗ての賑わいを取り戻そうとしている目貫通りを経て、中央広場区画に出た。そこまで行くと、活気も遠くなり、見えるのは白雪を化粧にして聳え立つ公堂と礼拝堂ばかりだ。


「少し冷えたな。中で熱い酒でももらおうじゃないか」


 ヨアレシュはそう言ってスピネイルの手を引き、万神殿の中へ足を踏み入れる。冬服のスピネイルと違い、真冬だというのにヨアレシュは夏と同じ素足に襤褸の様なマント姿なので、見た目にもうすら寒く感じるのだ。


 中ではレムレスカから派遣された坊官が、参拝者に炉で温めた葡萄酒を振る舞っていた。


「一人一杯でございますよ。おや、そちらの方は魔術人殿。領外の方がこのような場所に何用でしょうか?」


 穏やかだが、坊官の声にはうっすらと棘が混じっている。万神殿はあくまでも、帝国民の守護を司る臣霊の社である。帝国成立以前より存在する魔術人は、彼らからすれば余所者なのだ。


 場の空気を壊さぬために、スピネイルが間に入る。


「いや、ここに来たのは私が願ったからですよ。御坊殿、北風に当たり病み疲れた我々にも施しを頂くことは出来ましょうか」


「そんな! 恐れ多いことですハジャール卿」


 一転して坊官は恭しく礼をして、炉から温酒を取り出した。


「私はこちらの魔術人の護衛士だ。すなわち部下に当たる。私の上司である此方の方にも、酒を注いでもらいましょう」


「ええ、ええ、もちろん、お注ぎしますとも。さ、どうぞ、魔術人殿。アタリアから送られてきた黒葡萄酒ですよ」


「あはは、それじゃあ、遠慮なく」


 上機嫌でヨアレシュは杯を受け取って、酒を舐めた。


「いや~美味しいね~臣霊と神霊サマサマ」

「ははは……それはどうも」


 坊官がこめかみをひくつかせている。


「ふふふ。歳末の祭事はどうにかなりそうですか?」


「え? ええ、はい。本来であれば総督官が臣霊に年次の終わりを奏上するための祝詞やら、祭殿の設置やらがありますが、今年はこの通り、まだ諸々の片づけがどこも終わっておりません故、死者を弔うための霊壇を大きく前に出し、そこで御神楽を行い、歳収めとします」


「え? キュレニックスかスピネイルが総督になるんじゃないの?」


 ちびちびと酒を煽っていたヨアレシュにスピネイルと坊官は目を向けた。


「だって今、ここの物事は全部、最終的にはキュレニックスかスピネイルの決定で動いているんでしょう? そのままここの総督になっちゃえばいいじゃん」


「これだから、魔術人は世事に疎くて困るのです。事はそう簡単には動かんのですよ」


「なんだと~拝むばかりで何もできない坊主の癖に~」


「まぁまぁ。いい? ヨアレシュ。確かに今、サヴォークの政治機能は第十三軍団の主だった将校と将軍、つまりキュレニックス閣下と私が処理しているが、これはあくまでも臨時のものなのよ。程なくして元老院が指名した属州総督が派遣される。そうなれば、第十三軍団はサヴォーク駐屯になるでしょう」


「元いた第七軍団は公式には解隊されておりますからな」


「ふ~ん、面倒なことだね。……ん? 駐屯になったら私はどうなるの? ずっとサヴォーク暮らしは嫌だなァ。殺風景だし」


「御心配なさらずとも、軍団に従軍した魔術人殿はすぐに後任の方がやってきますよ」


 振る舞い酒を片づけるために、坊官はそう言ってからスピネイルに礼をして堂の奥へと下がっていく。


「ふん。鼻持ちならない坊主だねっ。でも、レムレスカに帰れるならこの寒さも少しは耐えられそう。護衛士のスピネイルもレムレスカに帰れるし」


「……私は、残るよ」


 え、とヨアレシュのせわしない動きが止まった。スピネイルは続ける。


「私は残る。形式上はサヴォーク貴族だし、書類上領地もある。暮らしていけないこともないからね」


 嘯く美麗なる女戦士を、ヨアレシュはじっと見た。そして目を細める。不機嫌な表情だ。


「故郷に近い場所に居たいんだね」


「もう二度と足を運ぶことはないと思っているよ。あそこはもう、ウファーゴたちのものだ」


 静かだが寂し気な声だった。


 ふと、スピネイルは万神殿の礼拝堂に祀られた神霊と臣霊を見上げた。人間でもなく、オークでもない、中途半端な自分を彼らはどう扱うだろう。


 そして手の中で冷えていく、真黒な葡萄酒を見た。深淵の底でわだかまる地神、オークを守護する大地は、呪いで穢れた私をいつか受け止めてくれるだろうか。


 天にも地にも繋がっていないようなうすら寒い浮遊感にスピネイルは戦慄した。血の気が失せて体が氷

になったようだった。未だかつてこれほどの絶望はなかった。呪いで身体を変えられたことに気付いた時でさえ、これほどではなかった。


 衝動的に手が腰間の白刃へ伸びた。父の血を吸い、仇の命を奪ったこの刀で、行く道の見えない己の命を絶ってしまいたい。


 冷たい堂内に差し込む光が刃の煌きに反射したが、その切っ先は宙に留まった。


 振り上げたスピネイルの腕にヨアレシュが抱き着いていた。


「だめっ! それだけは……だめだっ!」


 珍しく激しい感情の籠った熱い目で、ヨアレシュは叫んだ。


「生きてなきゃだめだ!あんたたちはヤオジンじゃないんだ、簡単に死んじゃうんだよ?あっけないほど壊れっちまうんだ。どうして大事にしないんだよ!」


「……すまない」


「謝るくらいなら自殺しようなんて思うんじゃないよ! この馬鹿!」


 涙を溜めた瞳がスピネイルをにらんだ。刀を鞘に納めたスピネイルは、すっかり冷えてしまった黒葡萄酒を飲み干した。酒気が巡りって血肉が温められると、沸き立つ絶望も少しは静まった気がした。


「しかしヨアレシュ、私を死なせたくないなら、何をしろっていうの」


「生きればいいじゃないか! ホン・バオ・シーだったあんたは、確かにもう、影も形もないさ。きっと誰の心の中からも居なくなる。インファでさえ、今のあんたの姿に慣れ親しみ、オークの姿のあんたを思わなくなるだろうよ。でもさ、今のあんたは……スピネイル・ハジャールだ。サヴォーク貴族で、女戦士で、強くて綺麗で。あんたは求められてる! 愛されているんだよ。その愛を受け止めてやりなよ。求めに応じなよ。これまでだって散々、スピネイルとして生きてみたじゃないか。それが例え復讐のための演技みたいなものでもさ、その中にひとっかけらでも楽しかった、良かったっていうものがあったら、あんたはもう、スピネイルなんだよ」


「スピネイルとして生きる、か……」


「そうですわお嬢様。お嬢様には生きて下さらねば困ります」


 二人にそう話しかけながら、礼拝堂の出入り口から近づく影があった。一人は、冬の旅装束を来たインファだった。彼女の後ろを悠然と歩いてきたのは、元老院の居住まいをしたキュレニックス将軍である。


「探したぞスピネイル殿。何ぞ事情があるのかもしれないが、世を儚まれては困るな。卿は今や注目の的なのだから」


「閣下、どうしてここへ?」


「卿を探していたのだよ。そこへモグイ庄から帰ってきていたインファに会ったのだ」


「ただいま帰りました。これよりまたお傍にお仕え致しますゆえ」


「そうか。またよろしくお願いするわ。それで、モグイ庄って?」


「アメンブルク街道から東に離れた場所に拓かれたモグイ族の居留地だ。報告によると林野が豊富で石材も採れる。多少なら耕作も出来るそうだ」


「庄には日々各所から入植を希望したモグイ族がやってきておりますわ。皆安住の地を得た思いです。スピネイル様と閣下には、皆感謝いたしております」


 恭しく礼をするインファに鷹揚に対したキュレニックスは、今度はスピネイルに向く。


「それでだ、スピネイル殿。貴公に召喚状が届いている。私にもだがな」


「召喚?」


「此度の戦役について、元老院に赴き質問に応えよとのことだ。報告書は送っているから、その細部を聞きたいのだろうな。急ぎの用だぞ、既に早馬を用意してある」


 有無を言わせぬ将軍の言葉にスピネイルは動揺した。


「しかし、私は一介の魔術人護衛士です。元老院が何を求めているのか全く分かりません」


「何を言うか。私は元老院に書き送った諸戦役における報告に、卿の活躍をつぶさに記しておる。亡郷の失地回復に奔走せし貴族とはいえ、若年の女性でありながら機略、武勇ともに優れた仁として、元老院では話題になっているそうだぞ。それに元老院の召喚に応じるのは帝国臣民の義務である。人手が欲しいなら、インファ殿も同行すればよいだろう」


「あっ、レムレスカに帰れるなら、私もついていきたいなー」


 頭一つ小さいヨアレシュが胸を弾ませて手を振る。


「どうせ第五軍団付きのヤオジンがまだサヴォークに残ってるんだし、私はこんな寒い土地からさっさとおさらばしたいんだよー、なぁいいだろうキュレニックスよー」


「ああ、分かった分かった。レムレスカに置いてる部下から後任の魔術人の選出が済んでいると連絡しているから、合わせて交代出来るように差配しよう」


「やったー!帰れるぞー!」


 一人気炎を吐き都を懐かしむヨアレシュだった。

 

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