主人公とヒロイン、姉と母、そしてアホなやり取りを交わす友人らに至るまで、皆が等身大であり魅力的であった。
彼ら、彼女らにもそれぞれの物語があるのだろう。そして各々がそれと向き合い今がある。
これはその一ページを切り取り、アイデンティティという普遍的なテーマを一つの家庭の中で過不足なく描き出した、非常によく纏まった暖かな物語である。
それはさておき、舞台を広げ過ぎずに的を絞って丁寧に描写し、クライマックスにはしっかり盛り上げ綺麗にまとめる技量に感心しながら読んでおりました。
これ、話作りがすごく上手いですよ!