今日の夜ご飯は?

私は、クラウの村から家までのなだらかな道を歩いていた。頬を撫でるそよ風が心地よい。

「あーあ、このままずっと続けばいいのにな…」

そんなことを考えながら、家へ向かった。

「ただいま帰りましたよーっと…」

「おー、クエルおかえりー。そして、ご飯はーやーくー。お腹すいたよー」

そりゃ、朝もお昼も食べなきゃお腹はすくでしょうね…

「はいはい、すぐ作っちゃいますから待っててくださいね。今日は師匠の好きなオムライスですから」

「おー!」

「そのかわり、野菜もちゃんと食べてくださいね」

えー!やだやだー!と、駄々をこねている師匠の声を聞き流し、私は夜ご飯を作り始めた。

「ねぇねぇ、クエル。料理ってどうやるの?」

と、不意に師匠が聞いてきた。

「え?師匠、料理したことないんですか?」

「その必要が無かったからね」

「じゃあ、師匠が作りたいって時に教えてあげますよ」

「ホント!約束だぞー」

と、笑顔で言ってくる師匠はすごく可愛いです。

「……なでなでしたい」

「んー?なんか言った?」

「あぁ、いえなんでもないです…」

(危ない危ない…つい本音が)

程なくしてご飯の準備が終わり、夕食となった。

「やっぱり、クエルのご飯は美味しいね!」

「ありがとうございます、師匠。しっかり野菜も取ってくださいね」

「えー…」

師匠は嫌そうにしながらも、野菜を全部食べました。

「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様でした」

「じゃあ、私実験室でやらなきゃいけない事があるから。何かあったら呼んでね」

そう言うと、師匠は実験室に入っていきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る