2森の中で少女と出会いました
その頃、音の発生源では
15歳ぐらいの少女が人の形をした
影の怪物はその少女の頭めがけて、その腕を振り下ろした…が、
―その腕が倒れている少女に突き刺さることは無かった。
ウガァァァァァァァァ!
異形の咆哮が響く。そこには、宙を舞う怪物の黒い腕があった。
「ふぅ、間一髪だったかな」
藍色のローブを纏い、つば付きの三角帽子を被った
「うっ…ここは…?」
彼女が目を覚ますとそこには凄惨な光景が広がっていた。
彼女の周りの地面は黒く染まり、その中心に誰かが立っていた。
「あ、あなたは…だれ?」
「やっと起きたようだね。初めまして、私のことは魔女とでも呼んでくれればいいよ。君の名前は?」
私の…名前?名前は…名前は…
「名前、名前…うっ、思い出せない…」
「そっか、記憶がないのかぁ…」
私は、少し思案するように黙り込んだ。
「あの貴女はいったい」
彼女は戸惑いながらも聞いてきた。
「私は近くにすんでいるただの魔女だよ。それより君は早く逃げるんだ、ここは危険だからね。真っ直ぐ走れば村が見える…と思うから」
私は、曖昧にそう促すと森の奥へ進もうとした。
すると彼女は、
「わ、私も連れて行ってください」
「なんで、ついてきたいの?もしかしたら死ぬかもしれないんだよ?」
「それでも、行きたいんです。連れていってください」
私がどんなに避難を促しても、彼女は「連れていってください」の一点張りだった。
「わかったわかった、連れて行くよ。ただし、命の保証はしないから」
「大丈夫です、きっと魔女さんが護ってくれると信じてますから」
彼女は笑顔でそう言った。
まったくこの子は…絶対に守らなきゃいけなくなるじゃん…
「じゃあ、行こうか。私の後ろに乗って」
彼女は私の乗る箒の後ろに乗った。
「しっかり捕まっててね!」
むにゅと彼女の胸が私の背中に当たった。
「何でこんなに大きいんだろう…」
と、私は自分の薄い胸元を見て呟いた。
「何か言いましたか?」
「あ、なんでもない。それより落ちないようにね」
そう言うと、私はかけていた
「南西方向、距離300ってとこかな。飛ばして行くよ!」
私たちは、恐らく首謀者がいるであろう所へ向かって行った。
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