Genocider from the Dark 7
前がつっかえていたために足が止まっている
「
声をあげて、さらに前へ――ようやく迎撃態勢を整えた
彼が繰り出したやや角度の浅い袈裟掛けの一撃と――
次の瞬間には
その一撃は殺到してきた
剣を振り抜いたままの体勢では、切り返して迎撃するのは難しい――斬り返しをあきらめ、そのまま一回転してその場で上方を薙ぎ払う。三体の
胴体の切断面から血と内臓が撒き散らされ、びちゃびちゃと音を立てて床に降り注ぐ。そしてそれらはじきに塵と化して痕跡も残さぬまま失せて消え、
片足を切断された
三体の
正面、上、左――攻撃の順番を簡単に組み立てると、彼は前に出た。
「
正面から接近してきた
「
それを見届けもせずに、振り返る――側面に廻り込んだ
即座に判断を下して、彼は突き込まれてきた長剣の鋒を左腕の手甲で払いのけた。
体勢を崩した
輪切りにされた胴体が断面に沿ってずるりと滑って床に落下し、斬り飛ばされた四本の腕と衣装の切れ端と手にした武器の破片がその上に落下した。最後に棒立ちになっていた胸から下が、血だまりの上にバタンと音を立てて倒れ込み――そしてそれよりも早く塵と化して消滅する。
残るは一体――彼は振り返りもせずに、頭上に向かって
ぐしゃりと音を立てて
そのまま消失してゆく
「さてと――待たせて悪かったな、クロウリーよ」
彼は肩越しにそんな言葉をかけながら、損傷の治癒が進まないらしく床の上にうずくまったクロウリー・ネルソンに視線を向けた――クロウリーはいっこうに治る様子の無い傷口を手で押さえ、瞳に恐怖を湛えてこちらを見据えている。
傷が癒える気配が無いのは、弾薬の素材のためだ――彼の使う特別誂えの九ミリ口径弾はヴァチカンの修道研究者たちが純銀やその合金を霊的に加工して作り上げた
封入された
銃弾による
アルカードの銃弾は、水銀を充填しているために重い弾頭を高速で撃ち込む――運動エネルギーを極めて高効率に伝達して強烈な衝撃を与え、拡張ダメージを発生させ、内部で展開した弾頭の内容物が飛散して異物を撒き散らし、さらに展開したメタルジャケットで傷口周囲の組織を切断するのだ。
このため普通の銃弾としても、彼の銃弾の殺傷力は非常に高い。
さらに霊的に加工された
手にした
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