第4話 夢から覚めると泣いていた

目を開けると、写り込んできたのはいつもの天井だった。

「スズ……ハ?」

無意識に口に出していた。

夢はいつだって突然覚める。

スズハは……いない。


さっきまでずっと一緒にいたのに、急に一人の現実にもどされるのは、なかなかきついものがあった。

おかしいよな、夢なのに、俺はいつの間にかスズハがいるのが当たり前だと思っていた。


胸に引っかかってたのはこれだったんだ。

スズハはここにはいない。

いや、どこにだって……いない。

この世界でいくら探しても、どこにもいないんだ。



夢は所詮夢でしかない。

そんなことはわかってるよ、でも、俺はスズハがいない現実を受けれることができなかった。

夢に縋るしかなかった。


俺は毎日夢の中でスズハと会った。

夜、夢を見るために、昼間、現実を生きた。

だってしかたないだろ、俺の居場所は夢の中にしかないんだ。

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