第4話 夢から覚めると泣いていた
目を開けると、写り込んできたのはいつもの天井だった。
「スズ……ハ?」
無意識に口に出していた。
夢はいつだって突然覚める。
スズハは……いない。
さっきまでずっと一緒にいたのに、急に一人の現実にもどされるのは、なかなかきついものがあった。
おかしいよな、夢なのに、俺はいつの間にかスズハがいるのが当たり前だと思っていた。
胸に引っかかってたのはこれだったんだ。
スズハはここにはいない。
いや、どこにだって……いない。
この世界でいくら探しても、どこにもいないんだ。
*
夢は所詮夢でしかない。
そんなことはわかってるよ、でも、俺はスズハがいない現実を受けれることができなかった。
夢に縋るしかなかった。
俺は毎日夢の中でスズハと会った。
夜、夢を見るために、昼間、現実を生きた。
だってしかたないだろ、俺の居場所は夢の中にしかないんだ。
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