第13話 その後のこと
千里とアイが退出したあと、数分程経って晴が口を開いた。
「ねぇ、マキシム。千里にはちょっと早いんじゃ……?」
「早い方がいいのです。遅すぎるくらいなので。彼のために」
その晴の深刻そうな表情を見つめながらマキシムが目を細めてそう言う。何か思うことがあるようにして長机を見つめていた。
「彼の……ため?」
「いずれその時になれば晴さんにも分かりますよ。そうなったらお話しましょう。彼の、千里さんのことを」
「そっか。マキシムがそう言うなら、私は従うよ」
「ははは、普段からそれぐらいしおらしくして頂けたら助かるんですが」
「あんまり調子にのってたら……」
「えぇ、はい。では、次は戦略についてですね、」
今はその時ではない。だが、いつその時がくるかは分からない。私でさえ把握できていないのです。晴との会談を終えて、彼女が退出した部屋で一人マキシムが呟く。
「いつになったらあの二人に会えるのでしょうね」
少なくとも、"彼"に会えたということは、その時期が近づいているという、そういうことなのでしょうか。早く会いたいものですね。
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