第3話 主人公、世界観を知る。後編
「この世界が文明化したのはつい最近のこと。200年前、ある一人の男の子がその世界の魔法を
そういうと彼女はコーヒーをすする。かなり画になるお姉さんだ。
「しかし、バルはある魔物に、我々の数は日に日に減っている。これでは人間に絶滅させられてしまうといわれ、何とか解決するように努力すると約束した。彼は、当時一番力を持っていた権力者に魔物をやたらむやみに殺さないようにしてほしいという趣旨の話をするが、彼は、『そんなことは出来ん。』と断った。さらに、お前みたいな雑種はいても何の役にもたたないと家族全員をゆっくり、じわじわと体内温度を上げていきなぶり殺した。しかし、オークの子は一人生き残ってしまった。オークとのハーフだった彼は昔から殺されない程度に周りの子供たちから魔法でいじめられていた。その時の耐性が、彼を助けた。彼は人間を憎み、自らを魔王として魔物たちを従えた。そして150年たった今、いつ魔王が世界征服をしてくるかわからない状況で人々は暮らしているわ。」
「なるほど、転生先は今は平和ですが、いつ魔王が行動するかわからないという状況なのですね。」
「ええ、そうよ。」
「まあ、荒れに荒れているよりかはまだましです。」
正直、転生後はゆっくり研究や勉強をして暮らしていたかったが、そういうわけにもいかない状況らしい。しかし…こういう設定に期待を寄せていた自分がいたらしく、少しワクワクしている。
「以前現れた、記憶持ちの方は自分で魔法を編み出したのですよね?」
「ええ。ちなみに彼は70歳の時、魔王に挑み無残にも消し飛ばされたわ。」
「…そうですか。」
「そういえば、向こうでの基本的なことは今のうちにしか決められないわよ。」
「え、どんなことを決められるんですか?」
「そうね、ここに資料があるから、読んでもらえるかしら。」
と丸投げ。まあ、特に厚いわけでもなく30分程で読み終えた。
「あの、すいません。
読んでいた間、暇だったのか、ソファで居眠りをしていた。
「ああ、ごめんね。最近夜更かしばっかで眠いんだ。ふわぁ~」
あざとかわいい。さっきまでクール系というか、イケメンというかかわいい感じではなかった彼女がいきなりかわいいとドキッとする。顔や言動に出さないようにはするのだが。
「そうなんですか。それじゃあ、決めるもの決めちゃいましょう。」
「なんかやる気だねぇ。どうかした?」
「…いえ、なんでもないです。」
それから1時間みっちりと話し合った結果、大体はこんな感じになった。これは僕の個人的な趣味と偏見から世界を救う勇者のお供の最強魔法使いをイメージして作った。…さっき聞いた通り、チート級に強くなるわけではないので、勇者のお供になるには僕の努力が必要なのだが。
名前:ナイン
…名字は決められないらしく、いつもゲームをするときに使っていた名前だ。
出身場所:ブルバのナユタ
…郊外。ブルバは東京で、ナユタは八王子や、立川といったところか。
出身家:どこでも
…文字どおり、ナユタあたりならどこでもいい。ただし貧困家庭は除く。
適正職業:魔法使い
…魔力が高く保存できるようにこれにした。後々、攻撃魔法が強化されたりするので使い勝手がよさそうだ。
特技:圧縮魔力、操作向上
…圧縮魔力は保存するときに魔力を圧縮でき、操作補正は狙ったものに魔術が当たりやすくなるものだ。これは簡単にできる人もいるので、チート級ではない。
先天性スキル:後天性スキル補正
…後天性スキルが少し強くなる。スキルの中で唯一、訓練できないスキル。
とまあ、こんな感じだ。特に目立って珍しいわけではなく、このくらいの人はざらにいるらしい。
「ふう、やっと終わったわね。休む時間もあるけど、忍耐力測定も準備が整ってるらしいわ。どうする?」
「もうやることはやったし、特に疲れてもいないので忍耐力測定します。」
「え、ほんとに休まなくていいの?」
「はい、特に疲労などはないので。」
さっきからなぜか、疲れがたまらなくなっていてすごく調子がいい。
「…そう、じゃあ後は頑張ってね。」
「はい。」
「こんにちは、
「はい!」
といったときは
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