第4話 主人公、すごい。
僕は
「…あの、彼らは何をしているんですか?」
「ああ、あれは地球人に転生する順番待ちをしてるんだ。」
「くじを引けなかったり、はずれだったりした人がいるっていうことですか?」
「まあそういうことだ。受付でくじが引けないと判断されたら、魂を抜き取られてここに集められる。だから人口密度も高い。」
「忍耐力測定で不合格だった場合、僕も地球に行くことになるんですか?」
「…そうなるな。」
今後について話していると
「ふう、ついたぞ。ここが忍耐力測定をする場所だ。」
そこには小さな犬小屋みたいなものがぽつんとおいてあった。
「犬小屋…ですか?」
「ああ、そうだ。まずはここに入ってもらう。さあ、はいれ!」
「なんだか乗り気ですね。」
「まあ、楽しいからな。」
それを本人の前で言うか?
「じゃ、じゃあ入りますよ。」
足の方から
「え、なんで
「いやぁ、武君がマゾヒストだったのは意外だったなぁ。確かに言われてみればそうかもしれないけど、わかりにくいタイプだねぇ。」
盛大に恥ずかしい。彼女の見る目が怖い。死にたい。…死んでいるのだけど。
「それじゃあ本当の忍耐力測定機の所に行くか。」
「え、ここ本当の所じゃないんですか?」
「ええ、そうよ。私が
「一応弁解しておきますが、僕マゾヒストじゃないですからね…。」
「わかってるわよ。これからはいじらないから安心してね♡」
絶対いじるやつだ…といっても次会う時はまた死んだ時くらいなのだが。
「それじゃあ、行くぞ。No.1765841、お前もついていくか?」
「行くけどあなた、武君には敬語で話しなさいって言ったわよね?」
「別に最初からこれだったから、いいだろ。こいつもそんなの気にしてなかったし。」
「まあ、武君マz…うんそれなら仕方ないね。」
本当にマゾだと思われているらしい。大きなため息を聞こえるようにするが、スルーされる。
「じゃあ、こっちだ。」
仕方なく言われるがままついていく。
「ここだ。」
そこにあったのは…いや、何もなかった。
「何もないですけど、ここで忍耐力測定するんですか?」
「ああ、そうだ。ここにいるすべての人がその測定をすることになる。」
すると、
「というか、もう始まってるわよね?」
「あ、ばれた?」
僕の体感ではほとんど何も感じない。というか何も感じない。
「なんで私もやらなきゃいけないのよ!終わるまでここから出られないじゃない!」
「まあまあ、武を応援するんだよ。二人で。」
「なんで、私の許可も取らなかったの?言ってくれれば準備もできたのに!」
「そう怒るなって。シャワーもベットもあるから。」
「そういうことを言ってるんじゃないの!」
とまあ、30分くらいはぶられてたところ少し気持ち悪くなってきた。感覚的には軽い熱程度だ。
「あの、二人ともこの部屋にいて苦痛は受けないんですか?」
「私たちは受けないわ。それより、トランプやりましょう。」
僕の体調についてはガン無視。まだ気にする必要もないということだろうか。
「いいね、いいね。何やる?ババ抜きやる?」
一時間後…さらに気持ち悪くなってきた。
三時間後…頭が割れそうなくらい痛い。
「大丈夫か?ちょっと横になっとけ。よくなるわけでもないけど。」
そうなんだけどなぁ…つらい。
「あなた、一言多いわよ。武君、あと三時間くらいだから頑張ろうね。」
嘘だろ。あと三時間とか地獄じゃないか。
しかし、一時間経過すると頭が割れそうなくらい痛くなる苦痛は収まった。
「なんでそんなに元気なんだ?今、さっきより強めになってるはずなんだけど、不具合があるはずないしな?」
と言いつつ出ることもできないので時間まで待ってそこを出る。
「やっぱり、壊れてたんですか?」
「いや、壊れてなかった。多分、苦痛に慣れたんだな。」
「え、え、そんなことできるの!?」
最初に驚いたのは僕ではなく、
「なんでそんなに驚いているんだ?」
「え、だってそんなこと普通の人にはできないでしょ!」
「こいつは脳が死んでるのに気力だけで生きてたんだぞ。」
「まあ、そうだけど…」
「僕は人間なのでしょうか…」
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと人間だから。」
「そうですか。」
「切り替え早いな。…それじゃあNo.1765841、こいつを連れて行ってくれ。」
え、どこ行くんだ?
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