第5話

 電車を下りる前、「今言った場所に歩いて向かっといてくれ。自分は軽く準備してから行くから」とだけ言って走っていってしまった瑪瑙めのうと一旦別行動になり、指定された場所に着いてから待つこと数分。

 それは夏の暑い日に外で人を待つことのツラさを知るには、数分とはいえ、十分な時間だった。

 頭の中を怨嗟のごとく占めていた暑いという言葉は占めるのをやめている。

 逆に頭を占めてきたのは、この道の入り組んだ駅前で待つことに意味なんてあるのだろうか、などなど。

 行き場の無い家出少女のように背を丸めて座り、ただただコンクリートを見るわたし。

 そんなわたしの視界に足が現れた。

「トー、お待たせ」

 こんなに暑いのに走るもんじゃないね、と膝に手をついて言うその声は数分前に別れた男の声だった。

 可愛げを惜し気もなく振り撒くような女性なら、「ううん、ぜんっぜん待ってないよ! きゃぴっ!」なんて言うのだろうが、それは昔のわたしにも今のわたしにも無理だ。そんなことを言うキャラじゃない。

「おう、渡した金で飲み物は買ってきてくれたか?」

 と、立ち上がりながら言うのが関の山だった。

「うん。はい」

 その言葉を予想していたように、瑪瑙は手に持った袋の中を探ってペットボトルを一本取り出す。

 お礼を述べ、受け取ろうとして手を伸ばすが、その手はペットボトルの前で止まってしまった。

「…………」

「トー、どうかした?」

「あーいや、なんつぅか、このペットボトルのラベル……」

「あー、これ?」

 取り出されたペットボトルの中身はおそらくスポーツドリンクのようなものだ。そんなにごり方をしている。

「なんか近々イベントがあるみたいで、それ用に描かれたイラストなんだって」

「へー、そうなんだ」

 差し出されたペットボトルをそのままにしておくこともできず、受け取ってラベルを見つめる。

 可愛い女の子が描かれたペットボトルなら見たことがあるし、飲みたいと思う。

 だが、このペットボトルにはどう見ても筆で荒々しく書いたような滅☆脱水症状の文字。そして、文字の横にはこれまた荒々しく描かれた筋肉隆々でヒゲの生えた軍服のおっさん。

 今はこういうのが流行っているのだろうか。それにしても、何故これを選んだし、メノ……。

「とりあえず飲んでみるわ」

 ペットボトルの蓋を開けて試しにニオイを嗅いでみる。

 商品なので当然だが、変なニオイはしない。

 うーん、どこかで嗅いだことがあるニオイもするけど、なんだっただろうか、このニオイは。

 飲み口に口をつけ、恐る恐るペットボトルを傾けていく。

「――ん、んん!?」

 飲んだ後に、普通のスポーツドリンクとはまた違う、スッとしたなにかが口と喉を通る感覚に驚いてペットボトルから口を離す。

「えっどうした? そんな不味かった?」

「逆だ。なんっだこれ、なかなか美味いぞ!」

 スッとした味のなにかは飲み口から口を離し、空気を吸い込んでみて分かった。

 ――ああそうだ。このニオイはミント。仄かに香るミントだ。それも眠気覚ましのガムとは違い、それが主体なのではなく、後味をスッキリさせるだけに留めた程度のもの。

 二口、三口と続けて飲んでは深く空気を吸い込むのを繰り返す。

 なんだか、真夏の空気が少し冷めた気がした。

 そうして気付けば残りの量は半分より下。

「トー、それって味的にはどんなかんじなの? その反応だと普通のスポーツドリンクとはちょっと違いそうだけど」

「ん? んー、普通のスポーツドリンクって甘くてあれなんだけど、これは甘さ控えめでミントの香りが――」

 と、口頭でペットボトルの中身の説明をしていく。

 が、ある単語を聞いて瑪瑙は苦い顔をした。

「あー、ミントか。んじゃ、トーにこれやるわ。驕りっていうか、代わりに飲んでくれ」

 言うと、瑪瑙はわたしの横に移動し、袋から自分の分の滅☆脱水症状を差し出す。

「未だにだめなの? ミント系」

「うん。成長したからいけるかな? ってアイスとかを買ってみたりするんだけど、ミントだけはいくつになってもダメ。ムリ。だからお願い」

「ふーん、そっか」

 なら、しょうがねーなと、差し出された滅☆脱水症状を受け取って二本をバッグに仕舞う。

 食わず嫌いのように一度も口にいれたことがないのに嫌いなのだと決めつけてしまっているのだとすれば、わたしは試してみろと言ってみるだろう。だが、たまに試してみてダメなのならしょうがない。わたしにだって嫌いな食べ物や苦手な味はあるのだから。

「そういや、話は変わるけどさ、トーって本当にそういう服が似合うよな」

「そう?」

 唐突に褒められて少し照れくさく、つい訊き返してしまう。

 だれが見ても似合っていないだろうなーという、やたらとファンシーでフリフリな服などを渡されたりしたならば、わたしは即刻つき返すだろう。しかし、瑪瑙は男なのでフリフリな服を持っているわけもなく、袋には男物の服が入っていた。なので、わたしは素直に昨日渡された服を着てきたわけだが……。

「今のトーは、どこからどう見ても男の子だよ!」

「女の子が好きではあるけど、女の子にその言葉はどうなんだ?」

 今の服装は、黒い半そでのティーシャツ。身体のラインが出にくくする、淡い青と白のグラデーションの涼しげな半そでパーカー。通気性がいい黒のダメージジーンズ。

 鏡の前に立った時に同じ感想を抱いたとはいえ、自分で思うのと人に言われるのでは全然違う。

「でもまあ、お世辞でも似合うって言ってくれてありがとよ」

 このままだと、お互いにお互いを褒め合う気持ちの悪い展開になりそうだったし、男の子みたいと言われたことは置いておいて、軽くお礼を言って話を変える。

「んでメノ、準備ってなんだったん?」

 飲み物が欲しければ自販機でも買える。だからきっと、それ以外の目的があってその店に行く必要があったのだろうと推測して尋ねる。

「おう、これが必要だったんだよ、これが」

 瑪瑙は言いながら手に持っている袋を見せてくる。

 しかし、配慮のためなのかコンビニの袋と違って中身の透けない袋なので、少し上げて見せられても中身になにが入っているのかが全く見えない。袋の中に漫画の単行本らしき大きさの物が入っているのは袋の凹凸でなんとなく分かるのだが……。

「あのさ、袋から出してくれないとなにを買ってきたのか全く分からないんだけど」

「え? あー違う違う。必要だったのは中身じゃない」

「はい?」

 頭にハテナヲ浮かべるわたしに、瑪瑙は、まあそうなるよな、という顔をした。

「いいか、これは本も取り扱っているアニメショップの袋だ」

「うん、それは知ってる。有名なとこだし」

 探しているマンガが地元に置いてなければ、わたしもそこを利用する。それくらい有名で、本の種類が豊富で、マンガ・アニメ関係に特化したお店だ。

 そこまで知っているのならと瑪瑙は数瞬思考して、店の説明を省いて話を再開する。

「たとえばだ。趣味趣向もなにも全く知らない人に話しかけるってのはとても勇気がいるようよな?」

 いきなりの話の飛び方に戸惑いながらも、うん、と相槌を打つ。

「メノが言う、勇気がいるってのはよく分かるよ。職場に新人とか派遣の人が来ても、つい、親しい人と話しちゃったりするし。見た目が怖いと、なおさらどう話しかけたものかなって思ったりする」

 そうだろうそうだろうと、瑪瑙は頷く。」

「そこで、だ。前もっての情報、共通点や話のネタがあったりするとどうだろうって話だ」

 言って、瑪瑙はニッと笑った。

「つまり、こうやって袋や漫画を持っていることで事前に幾分かの情報を相手に与え、会話のきっかけや後々の沈黙を回避する口実を提供しておく。するとどうだろう。多少話しやすくならね?ってことなんだけど」

「…………」

 ふーむ。瑪瑙の言っていることは一理ある気がする。

 今の瑪瑙の例え話が分かりにくければ、アーティストのライブで隣の人と話すということに置き換えてみてもいいだろう。

 知識量の差はあれど、それが好きという気持ちは同じなわけで、話す口実にはなる。

「ふむふむ、なるほどねー。でもそれならさ、わたしはなにか買ってこなくてよかったの?」

「んー、買ってきてもいいけど、買ったきた物はそのバッグに入れておいた方が無難、かな。ここに買い物にきましたってのを強調し過ぎると買い物帰りにしか見えないからさ」

「へー、なーんか意外と色々と考えてるんだな、メノも」

「意外とは余計だ」

 瑪瑙は苦笑した。

 それから、自分が考えた作戦は全て話したというように、瑪瑙は手すりに背を預ける。

「あのさ、話は飛ぶんだけど」

「うん」

「トーも知ってると思うけど、金槌ってあるじゃん。泳げない方じゃなくて先端に鉄とかが付いてるやつ」

「あるねー。あんまり日曜大工はしないから馴染みはないけど」

「あれって主にイメージとしてあるのは、手首のスナップを利かせて上から下に振るって打ち付けるって使い方だよな?」

「んーまあ、だいたいそうなんじゃない? 壁に釘を打つときみたいに、時と場合によって金槌を振る方向は違うものなんだろうけど」

 大工の知り合いから正しい使い方を教えてもらったわけでもなく、ロクに振るった事もない経験での知識だが、なんとなくそういうものなんじゃないかと憶測で答える。

「それでさ、金槌を使うときに使う筋肉って、ここ、前腕筋を使うじゃん?」

 袋を持ったまま金槌でゆっくりと釘を打つジェスチャーをして、逆の手で手首と肘の間に触れる瑪瑙。

 その動作に倣って、わたしも試しに同じ動作をしてみる。

「あんまり筋肉が動いてる感じはしないけど、前腕筋だっけ? そこを使ってる、かな?」

 肘の関節を曲げたときのように力こぶが出るわけではないので、少し自信無く返す。

「まあ、なんとなく前腕筋が動いているのがわかる程度の感覚でいいんだ、トー。で、金槌を振るのに使う筋肉が前腕筋だった場合、極端な話、金槌を毎日振っていたらどこの筋肉が発達すると思う?」

 この質問の答えは考えるまでもない。

 筋肉は動かした箇所が発達する。

 発達する箇所を指差してわたしは答える。

「ここだろ、前腕筋」

「そう、そこが発達する。じゃあ、今度は違う箇所、違う筋肉に負担をかける運動をすると?」

「主に負担をかけた箇所の筋肉が発達する、だろ?」

「そう。その通りだ。脚なら脚。腕なら腕。腹なら腹の筋肉が発達する。筋肉ってのは繋がっているから一箇所限定ってのは難しいから、主にで正しい。合っている」

 働いて金を稼ぐゲームで副次的にステータスが上がるようなものだと、瑪瑙は補足をした。

「ってことはだよ。例えば、立ちバックで挿入されるのが好きな人がいるとする。その場合に発達する筋肉は?」

「えーっと……」

 どの体位であろうと経験はない。

 だが、知識として知っているそのポーズをとって使う筋肉の確認してみる。

「発達するのは主に……」

 壁や机に手をついた場合。腕を後ろに引っ張られた場合。色々な場合によっていくらかの違いはあるのかもしれない。

 だが、支えがなしではきついだろうと、目の前に机程度の台があると仮定して実際にその体勢を維持してみる。

「アキレス腱と腰周りと二の腕の筋肉、かな?」

 ん?

 始めはこの体位の質問の意図が分からなかったが、体勢を維持してキツかった部位を挙げたところで、一つの予想が頭を過ぎる。

 今までの、発達する筋肉の話と体位の話。

 もし、この二つの話が繋がっているとしたら。

 そう仮定すると、瑪瑙の言いたいことが分かって、一人納得して瑪瑙と並び立つ元の体勢に戻る。

「今の話の流れ、そういうことかよ」

 言って、額に手を当てたら汗が手についた。

「ああ。今ので言いたいことが理解できるとは、さすが幼馴染だ。そう、筋肉を見ればその人がよくする体位や好きな体位が分かるってことだ」

 あくまで参考程度だけど、と瑪瑙はわたしが予想したことにそう付け加えた。

「…………」

 これでも一応わたしは女の子なのだから、メノ君、サイテーと純情ぶってみたり、ヘタしたらセクハラだぞ! とか言いたいことは色々あった。

 だが、今は瑪瑙の肩に手を置いてこの言葉を贈りたい。

「メノ! お前、実は天才だったのか!!」

「ふふーん。だろぉー? もっと褒めていいんだよ? それだけ、自分は伸びる子なんだよ?」

 ドヤっというように瑪瑙は腕を組んで得意そうにする。

「いよっ、天才! これ以上ないくらいの天才!」

 手を筒状にして声を張り上げ、ドヤ顔の瑪瑙を褒めちぎっていく。

「おいおい、本当のことでもそんなに言うなよー」

 やめろよーというような口振りで言うが、それとは裏腹に、瑪瑙は胸を張って鼻を上に伸ばしだす。

 その鼻を伸ばす光景が面白かったので、わたしは絶えず声を張り上げて絶賛していく。

「いよっ、目の付け所が違う天才! なんか色々すごい天才!」

「ふっふーん」

「もうこれ以上ないくらいの天才! 史上稀にみる天才!」

「……あの、トーさん、なんかトーさんが大声出すから人目が集まってきてですね。もうそのへんで、ね?」

 言われても、わたしの悪ノリは止まらない。というか、なんか楽しくなってきたので止めたくない。

「あったま良いなー、天才! 発想がすごいぜ、天才!」

「……あの、ほんっとに恥ずかしくなってきたから、ね?」

「オヤツ買ってきてほしいなー天才! なんか、クソ天才!」

「ちょっと! トーさん!? 人がいっぱいの所でもうこれ以上天才の連呼やめてくれない!? なんか願望混ざってるし! 最後の方は天才って言っとけばいいやみたいに、なんかとかクソとかついてるし!」

「いやいや、そんなことはないよー」

「カッコ棒が付いてもいいくらいの棒読みだけど!?」

「……まあ、いいじゃないか、気持ちが込められていたかどうかなんて些細な話は」

「感情を込めるかどうかが些細!? 否定するならそこが一番重要だよ!」

「まあまあ、いいじゃんいいじゃん。そんな話よりもさ、実のある話、さっきの話の続きに戻ろうじゃないか」

 棒読み云々についてまだ何か言いたげだったが、そこまで掘り下げるような話でもないと考えたのか、瑪瑙は喉の調子を整えたりして奇異の視線で見られるのが終わるのを待った。

「――えーっと、どこまで話したっけ? あーそうそう。筋肉の発達具合でって話をしたんだったね。それでここからは提案になるんだけど、逆ナン待ちでただ突っ立っているだけってのもヒマじゃん? だからここは一つ、別のことも同時進行でやってみようと思うんだ」

 話の流れや幼馴染の勘から同時進行でやることの想像はだいたいつく。が、なにも聞かずに承諾は怖いのでどんなことをするつもりなのかを一応問うと、瑪瑙はわたしにだけ聞こえる程度の声で返した。

「今の時期は夏で暑い。見ろ、あそこを歩いている子を。あの子の穿いているホットパンツなんて下に穿いている下着と大差ないんじゃないかってくらいだろ?」

 言われて瑪瑙の視線の先を見ると、たしかにそこには短めの半そでティーシャツに布面積がすごく少ないホットパンツを穿いた女の子が独り歩いていた。

「ああ、いるな。……それにしても、あの子、分かってるなー」

 狙ってやっているのか、動きやすさ重視でそうしているのかは分からない。

 だが、あの服装との組み合わせで、腰までありそうな長い髪ををポニーテールにしているところが素晴らしい。あの子の姿はもう、なんというか、溢れる若さと元気が服を着て歩いているようなものだった。

「おい、トー。あんまり鼻の下を伸ばして見るなよな。視線で見ているのがバレるぞ」

「はあ? べ、別にそんなには伸ばしてねえし! ただ、脚線美とか髪型がたいへん素晴らしいなーと思っていただけでだな」

「はいはい」

 先ほどの注目を集めたことの仕返しとばかりに、わたしの弁解は流された。

「それで話を戻すとだな、幸い、ここはそれなりに大きな駅というだけあって男女問わずで開放的な服装をしている人が多い。ということは得意な体位の目を鍛えるのにはもってこいだ。どいうわけで、トー、当て合おうじゃないか」

「……まあ、いいけど。でも、本人に聞こえるような声で言ったり、メノも見過ぎたりするなよな。あまり褒められた行為ではないんだから」

「わーかーってるって。周りに聞こえないようにって配慮くらいはキチンと弁えてる。見過ぎの方も、ほら、伊達に男の子してないっつうか、女性の一部を凝視しないようにする訓練くらいはしてるからさ」

 任せておけ! と、瑪瑙は自信満々に親指を立てた。

 ……気にはなるが、とりあえず、瑪瑙がしているという訓練云々については気持ちが悪いので訊かないでおこう。

「あと、得意そうなのを言う時は、頭文字だけな。もし万が一、周りに聞こえたら恥ずかしい。あー、あと、本人に確認もなしだ」

「オーケーオーケー。確認ができる程の勇気があったら逆ナンされにここにはこない! だから、安心しろ!」

 そんな胸を張って自信満々に勇気のなさを根拠にされてもなー……。

 まあ、得意な体位を瑪瑙に尋ねに行かれてあの子が傷付いたりしないのなら、よしとしよう。

「それじゃ、後姿になっちゃってるけど予想はできそうだから、さっきの子で。よーい、スタート!」

 瑪瑙は開始の合図で軽く手を叩いて音を出した。

 その合図とともに、わたしはさっきの子をチラチラと目で追って予想をしていく。

 思わず見蕩れてしまいそうな素晴らしい後ろ姿。

 その後ろ姿からも分かる情報となると、分かりやすいのは脚とアバウトな身体のラインだ。

「ふーむ……」

 あの子の脚をよくよく見ると、ふくらはぎと太ももに大きな違いがある。

 速く走るのには、脚を上げることと脚を上げ下げする速さが必要だ。

 その際には、主に脚を上げる太もも。次いで地面を蹴るふくらはぎ。さらに次いで足。と、要は脚全体を使うだろう。

 変わって、歩く際に使う筋肉を考える。

 踵が尻につくくらい膝を曲げれば別だが、普通、意識しないで歩く際には太ももの筋肉よりふくらはぎの筋肉の方が負担は大きいのではないだろうか。

 なにもない日常で、腿上げをしながら歩く人はそういないだろうことから鑑みると、もしかしたら、あれはよく歩く人の脚なのかもしれない。

 それらの情報に合わせて、服の上からでもキュッとしているのが分かる胴体から、消去法で体位を絞っていく。

「――よしっ、予想できた!」

「自分もだ。それじゃ、お互いの予想を言うぞ。せーの!」

 手を軽く叩いて言う瑪瑙とわたしの予想した体位は被らなかった。

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