黒の鼓動①
魔王の落胤(システマギア)養成・開発及び研究科、魔王の落胤(システマギア)教育機関“灰礼院学園”。
太平洋沖にある孤島に建てられたこの施設にあるカリキュラム(ルール)はたった一つ。
―― “卒業するまで、生き延びること” ――
学園の支配人(オーナー)から繰り出されてくる様々な試練。魔術師が召喚した魔獣の討伐、科学者が作った殺人マシンの破壊。それらを多く討伐、破壊した成績優秀者には特権が与えられる。実に単純なカリキュラム。しかし、それをクリア出来なければ落第(死亡)か補習室(実験室)行きが確定する。
そんな地獄のような場所で、その少年は時を過ごした。両親の顔は覚えていないところを見ると赤ん坊の時からこの学園(地獄)にいたのだろうと彼は考える。
学園は巨大な実験場だ。それも異能者だけではなく新開発された魔術や兵器の試運転の場でもある。学園の支配人は金と謀略で世界中からありとあらゆるを集めてここに収容している。理由などは分からない。ただ、魔王の落胤(システマギア)という世間からはみ出した存在を使って何かをしようとしているのは確かだった。
少年は考える。なぜ自分はこんなところにいるのだろう? しかし、そんな疑問はたちどころに消え失せる。考えたところでどうにも出来ないことを彼は知っているから。
仮に自らの力を使って外に出ても居場所がないのだ。世界は彼等のことを遠ざけようとする。それが実の子であっても。彼等は拒絶される。
故に、彼は、嗤う。悪魔的に。実に、楽しそうに。
グシャリ。魔獣が圧し潰れた音、マシンが圧し潰れた音、その判断も確認も要らない。最初は圧力、二番目は切断と徐々に自らの力が強くなっていく、それに応じて学園の支配人(オーナー)からの待遇が良くなっていく。
欲しいものを与えられ、そうして、彼は思う。こうして飼い慣らされていくんだと。
そんな彼の隣で一人の青年は言った。
「もう、嫌だ」
泣きながら。泣きながらも目の前の試練を睨みながら……。
彼の手から炎が生まれる。ただし、単なる炎ではなく視界を覆い尽くすような巨大な大火が。
うねる炎は熱風を撒き散らしながら彼の手から離れ、対象を喰らい尽くす。灰など残さない。圧倒的火力で焼き尽くす。その大火は大地、空すらも照らす。
「もう、僕を解放してくれ……っ!!」
その訴えに少年は疑問する。ここを出ても彼に居場所はあるのだろうか? と。
『本日の成績優秀者は――』
校舎の白い壁に掛けられた壊れかけのスピーカーから流れる、飛びがちの女声が成績優秀者の名前を告げていく。中には少年の名前もあったが、彼は気に留めることもなく疑問しながら踵を返す。
首を傾げ、少年は思考する。居場所のない自分達はなぜこの世界に生まれ落ちたのだろうか? 自分達がこの世界に生まれ落ちた意味とはなんなのだろう? 少年には分からなかった。
――不意に、熱風が、炎が舞い上がった。そして、
「……お前を殺せば良いのかよ――なぁっ!!」
青年は叫ぶ、悲鳴と慟哭が入り混じった叫びを。その手から、再び炎が生まれる。だが、先程とは違う、炎らしい炎ではなく、最早“光”とも言い換える事も出来る純白の炎だった。
青年はその炎を少年に向かって放射した。放たれた炎は光り輝く白い大蛇となり音速を超える速度で少年に牙を剥く。圧倒的熱量を前に、少年はただ、立つ。
炎の余波に巻き込まれた者達の悲鳴が幾つも重なり、校庭に響く。青年の放った純白の炎が発する熱量は有り得ない温度に達し、触れもしないものを燃やし、大地をドロドロに溶かしてその軌跡に溶岩の川を作る。
残り数一0Mの距離、後半秒と経たない内に到達するであろう業火の蛇。しかし、その大蛇は牙を肉に食い込ませるよりも前に、停止した。その場に縫い付けられた様に。
続いて大蛇が歪む。熱波で空気が歪むのとは違う、中心から渦を巻く、不自然な歪み方だ。その歪みは黒板に爪を立てて思い切り引っかいたような音を幾重にも重ねたような怪音を立てながら純白の大蛇を飲み込む。
少年は逃走行為も防御行動も、挙動すらもない。彼はただ、その場に立つ。ただ、それだけなのに純白の大蛇は歪み、まるでベルトコンベアの中に強引に引き込まれてしまったかのように渦の中に消え失せた。
その光景を目の当たりにしながら青年は笑う。狂気じみた笑い。絶望の底でその根源を目の当たりにしたような壮絶な笑みで。
「ひ、ひは……ひはは、はははは、ははは!!」
青年は壊れたラジオのように小刻みに笑い、再度、右手から純白の炎を現出させる。それも天を衝くような特大の炎を。
彼はその炎を強引に圧縮、更にそれを長細く、限界まで薄く、鋭く整形。そして、彼はそれを握った。その“光の剣”を。
青年は挙動する。足元にて炎を小爆発させ、弾丸のような速度で瞬く間に少年の下へと向かって来る。その最中、彼は光の剣を振るう。剣を振りかざすと同時に熱風が巻き起こる。数百Mとある距離からの熱風の一撃。
ただし、それは一瞬で人間を蒸発させて吹っ飛ばすような超高熱の暴風であった。
しかし、少年は微動だにしなかった。
恐怖だとか、諦めではない。
嘲笑だとか、哀れみでもない。
そういう感情の一切が皆無であるその“無”という感情(色)によって彩られた表情は酷く冷たい。
それは熱風を受けても崩れなかった。
青年はその光景を見ながら更に激しく、けたたましく笑いながら少年の下へと辿り着くと胸倉を掴み叫ぶ。
「お前を倒せばここから出してもらえるんだろぉ……だったらよぉ、殺すしかねぇよなぁ?――」
紅蓮の劫火が少年の胸倉を掴むその手から噴水のように噴き出す。
しかし、炎は不自然に歪み、少年には燃え移らない。それを見ながら青年は更に笑った。本当に、壊れた様に笑った。
彼を倒せればここから出られるという在りもしない希望(幻想)を抱きながら、理解してしまったから。自分のこの炎では少年には一生懸けても傷一つ付ける事は出来ないと。少年の力は異常を通り越した何かだと。だから、彼は言う。ありったけの侮蔑の意味を込めて、
「――化け物」
不自然に視界に歪みが生じる。軋むような音共に風景に一本の縦線が生じた。調度、青年を分かつかの様に中心から一直線に。
「あ゛?」
悲鳴を上げる間も無く右半身と左半身が上下にズレる。
青年は切断された。目の前で、かち割ったように縦に両断された。二つに割られた青年の体は重力に逆らう事無くくず折れ、地面に横たわった。
少年は返り血を浴びながらも、その光景を見ることはなかった。見る必要性がないから。
二つに割られた青年の体が地面に横たわった時には少年は空を見つめていた。その目に映るは青年の放った純白の炎の熱によって発生した暴風が上空の雲を掻き回す様子。今はまだこの程度で済んでいるが放っておけばこの地球上の全ての生命を根こそぎ摘み取ってしまいそうな異常気象だ。「このまま世界が滅べば俺も死ぬのかな……?」、そんなことを呟き、同時に彼は思う、“こんな事で世界が滅ぶのなら、この世界は何故俺達を生み出したのだろう?”。
「――お止めしないのですか?」
声がした。
やけに透明感のある、だが、どこか調整されたような、一人の少女の声。
少年が一瞥したその先には一人の少女が立っていた。西洋のお仕着せを纏った、どこか憂いを帯びたような、同時に濁りの生じた目をした少女。
「なぜ、止めないのですか……?」
その彼女の問い掛けに彼は何も言わずその傍らを通り過ぎる。少女はそんな少年の背中をたどたどしく、黙って追いかけ始める。彼女は幼い頃から少年の世話係を任されてきた、ただそれだけの為に生まれてきた存在だ。だから、文句を言わない。言えない様に教育されている。
パキンッ!! 不意にプラスチックの板を強引に割ったような乾いた音が校庭に響き渡った。その表現が不釣り合いなくらい、大きくも不気味な音が。
その音を皮切りにあらゆる事象が停止する。歩く少年を除いて。
来た、と彼は思う。学園の支配人が、能力の余波を止める為に遣わした魔術師達が。
魔術師達は少年を軽く一睨みすると凍結させた空間に歌を響かせた。歌は空間に振動を生み、事象そのものに干渉する。荒れ狂う暴風が席巻する灰色の空にガラス板を鈍器で殴ったような亀裂が入る。
続いて、砂礫で作った城が風に舞ってどこかへ運ばれていくかの様に、空が崩れ、粒子になって空を塗り替える。
新しく生まれた空は熱に浮かされる以前の、西日の空だった。
†
寮の廊下では嬌声が鳴り響いていた。成績優秀者と、その“褒美”達が発している声だ。
優秀な成績を修める者達に与えられる特権として“奴隷を飼う”事が許される。奴隷と言ってもここには労働というものは基本的に存在しないので彼等の用途は残酷なものしかない。
その上、最近ではより強い落胤を作る為なのか奴隷達に魔王の落胤の細胞を入手させ、人工的に精や卵を作り、受精させるといった事も行っている。
少年は思う。これ以上俺達みたいな存在を養殖(ふ)やしてどうするのだろう? と。
「よう、先輩。先輩はなんで犯んねーんだ?」
「なに言ってんだバーカ。先輩はまだガキだろうが」
幼い少年の姿を見ながら「そりゃそうだ」、「ギャハハハ」嘲笑する男達。
少年は苛立つ様に歯噛みする。別にガキ扱いに不満がある訳ではなかった。実際少年は十に達しているかいないか分からない程幼いのだから。
少年が苛立つ理由は別にあった。男達の足元で転がる奴隷達。
女性奴隷は犯され、喘ぐ暇もなくただ精を注ぎ混まれ、最終的に飽きたから棄てられた。
男性奴隷はストレスのはけ口にされたのか物言わぬ骸となって横たわっている。
ここでは奴隷だからという理由でそういう行為が日常的に行われている。
少年はここの空気が好きではなかった。倫理的な思考を持ち合わせているのか、はたまた思春期すら迎えてない程の年齢だからなのかわからなかったが彼はその行為を軽んじたり、その行為を軽視する者達が嫌いだった。
彼はその場から一刻も早く逃れる様に、自室に駆け込んだ。
嫌悪感で一杯になった胸を押さえながら。
「――申し訳ございません」
後から部屋に入って来た少女は不意に頭を下げた。
「私は、貴方様を癒す為だけにいるのに私は貴方様を癒す事が出来ず、ただただ後を追うだけしか出来ておりません」
彼女の口から出たのは謝罪の言葉だった。言葉は無力な自らを必死に自戒するものだった。
「……なぜ、貴方様は私に何も求めて下さらないのですか?」
少年は彼女に何も求めなかった。炊事を自身でこなし、寝る時は彼女にベッドを使うよう指示し、備え付けのソファに一人でに座り、寝る。
明らかに奴隷の待遇ではないものを受け取り、それが今日(こんにち)まで続いていた。少女は戸惑い続ける。
だが、少年はそんな彼女の問い掛けを受けても態度を改めるつもりはなかった。理由は定かではない。
ただ、他の人間達の様になりたくなかった、とか。彼女を他の奴隷達のように地べたを這わせたくなかった、とか。それがどういった感情から生まれる行動なのか? それ以前にその感情が生まれたのはどういった理由なのか酷く曖昧だった。
†
ズズン。腹の底に響くような重低音と共に巨大な兵器が真横に倒れた。
“2nd”と言われる黒髪の男が兵器の装甲に巨大な風穴空けていた。男は続いて振り向き様に漆黒の野獣に“通した”。
男はそのまま跳躍する。高く高く上昇した彼は真下で暴れ回る兵器や獣達に黙視し、“通した”。
試練として宛がわれた殺戮者達が次々と巨大な風穴を開けて地に横たえていく。男は“通した”兵器の上に着地し、切れ長の目で辺りを見回して一つ、嘆息する。
「無惨だな……」
決して殺戮者達を見て言った訳ではない。その周りで転がる人間達を見て、彼は言ったのだ。“2nd”と言われる男が“通した”からではない。彼がその場にやって来た時には既にそこは惨事の渦中だった。
高出力のレーザーや小型ミサイル、渦巻く鎌鼬や凍てつく冷気……、一方的に虐殺された後の様だった。
男は再度嘆息する。死の臭いに慣れてしまった自分にうんざりしながら。
ガザリ。片隅で何かが崩れる音がした。
「(生き残り……か?)」
彼はその音源へとゆっくりと近付いて行く。音はそれきり無かったが、確かに何者かの気配があった。
動作する時に震動を起こす兵器でも、目に入るもの手当たり次第に殺意を向ける獣でもない。ただ、そこにあるのは純粋に“人間がいる”というものだ。
――なのに、彼の筋肉はほんの少し硬直していた。何かある、という訳ではなかったとそう彼は思った。実際音源に辿り着いた彼が見たのは生き残りの人間だった。だが、彼はそこに縛り付けられた様に固まってしまった。そこにいた、“それ”を見たから。
「“光”、“貫通”……粒子を濃縮、凝固し、光を越える速度で撃ち出す。成る程、貴方が“2nd”ですか」
「………………………………、」
少女だった。人間の少女。十歳前後の幼い少女。大低幼い魔王の落胤(システマギア)は試練に敗れ、息絶えるというのに、この少女はこの地獄のような場所で、体に埃を付ける事すら無く、ただ、立っていた。
彼は思う。少女……こいつはなんなのか? そもそもこいつは人間なのか? 分からない。彼には理解することが出来なかった。
ただ――ただただ、理解できたのは自身のなかで沸き立つ嫌悪感と恐怖感。
瞬間。彼は光の槍を投射した。その行動に至るまでの時間はおよそ二秒。時間の経過がやけに長く感じられた中、彼の槍はあらゆる事象を押し退けて最速で直撃する。
――筈だった。
消し飛んだ。光の槍が、あらゆる事象を押し退けて、“2nd”と呼ばれる男の腹部を消し飛ばした。
貫かれた箇所は後から温度が伝わって、パンパンになるまで膨れ上がってから水風船を破裂させたように爆発した。
辺りには夥しい量の血液による血溜まりをが出来ていた。
(こいつ……なにをした――!?)
認識出来る訳が無かった。光の槍は光速を遥かに越える速度で放たれる為、投射の動作よりも早く槍は到達する。
言わば不可視の軌道と最速の攻撃速度、その両方を合わせ持つ一撃が何等かの力で“跳ね返された”。
「(いや、跳ね返されたというよりも寧ろこれは軌道を捩曲げられたというべきか?)」
歪み。
それがそこにはあった。あらゆる速度を凌駕して到達する槍の軌道を捩曲げるには初めからその歪み纏っていたということになる。魔術師としての知識や力も持つ彼にはそれがどんな“意味”を持つか、理解出来てしまう。
“これには勝てない”。男はそう判断する。
少女の力は他のそれと比べて明らかに異質であった。男は考える。少女の力を。そして、自分の通り名の由来に行き着いた瞬間――彼はその言葉を口にした。
「――“1st”……?」
問い掛ける“2nd”の言葉に少女は腕で円を作り、「ピンポーン」と笑んで答える。
ケタケタケタとせせら笑う少女。彼女はそこから更に続けて、
「そ、あたしは、“1st”。正確には“1st・Replica”。つまるところ“1st”の模造品。お母さんは試験管なの☆」
少女はそんな事をさらりと言い述べる。なぜそんな事を笑って言えるのだろう? 彼はそう思う。そして、同時に何故その彼女がここに現れたのかを考える。だが、
「考えても無駄だよ。貴方の前に何故あたしが現れたか? なんてさ」
少女は言う。「いい? この世界に“偶然”何て言うものは存在しない“必然”しか存在しないの。偶然っていうものは“数ある中から選ばれた選択肢”だとかの可能性論でしか無いでしょ? でもね、事象が起こった後じゃ全て必然になってしまうの。だって、事象が起こったっていう事実はどうやったって捩曲げようが無いでしょう?」
壮絶な笑みを浮かべて空を仰ぐ少女は指揮棒(タクト)を振るうように指先を動かし、歌うように、壮大に、彼に向かって告げる。
「――貴方とあたしは出会ってしまった。だから、これは必然なの」
「必、然……?」
「そう、貴方とあたしは出会うべくして出会った。そして、貴方はあたしに殺される為に、生まれてきた」
彼女は悍ましい形相を残したまま指で宙空に、何かをなぞる様に線を引いた。それと同時に飲料の入ったペットボトルに圧力を掛けて中身を飛び出させたような音が鳴り響く。ただし、それはペットボトルのそれとは違い、数秒間に渡ってその音は鳴り響いた。
突然鳴り響いたその奇妙な音に不気味さを覚えながら、男は違和感を感じる。そして、気付く。妙に“軽い”。右肩が。なぜ? 肩から先が“無くなっているから”。
腹部に続いて今度は右腕を吹き飛ばされた。いい加減意識が飛びそうだが、少女はそれを許さない。
ブチッ。
そう、雑草を抜くような感覚で左腕が千切られる。続けて、
グシャッ。
プレス機で押し潰した様に右足が潰れる。
ドンッ。
内側に火薬を仕込んでそれを点火させた様に左足が弾け飛んだ。
激痛という境界線を一足飛びで飛び越したような痛みが彼を襲う。それが痛みなのかそうでないのか? という認識すら出来ぬ痛み。しかし、そんな彼を余所に彼女は悍ましい形相で笑って右腕を上げながら、男をまるで矮小な羽虫を見下すかの様に見つめて宣言する。
「聞け、アリ共よ!! 今より私と二人の同胞達が貴様等を喰らい尽くす!!」
ただ、その場で声を張り上げる。ただ、それだけなのにその声は、その言葉は、スピーカーを介した様にひたすら巨大な音量を生み出し、学園中に響かせた。
「これは――“見せしめ”である!! 私は今からこの“2nd”という男を殺す!! さぁ逃げ惑えアリ共!! 私達はその一つ一つを踏み潰してやる……残酷な、“子供”のように、な」
強者が弱者に向かって吐く言葉を少女は宣言した。“こちらはいつでもどこでも好きなようにお前等を殺せるぞ”という意味が込められた圧倒的な宣言。
宣言を終えた彼女は脱力したように頂垂れた。頂垂れながら顔を歪ませて……“嗤った”。そして、一気に顔を上げ、天を仰ぎ、静かに、静かに、呟く様に絶叫する。
「――鏖ろしだ」
彼女は抑え切れない感情を口の端々から漏らして、フラフラと男の前から立ち去って行く。男が死に逝くのが分かっていたからなのだろうか? それとも止めを刺す価値がなくなったのだろうか? 或いは、興味がなくなったか。答えを知る術はもうない。知ろうとする者がいないから。
この時にはもう既に、“2nd”という男は力尽きていたからだ。
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