第7話 抵抗者『レジスタンス』Ⅱ
女の子の裸…初めて見てしまった。
ボロボロのソファで寝ているユキを見て、頭を抱える柊であった。『BLOOD』が治ったのは多分『HOPE』の影響なのだろうな…
僕に生きる力をくれたユキに、少し恋の気持ちや守ってあげたいという気持ちが段々と強まっていった。その心が後に自身を滅ぼすとは知らずに…
そして1夜明ける─
「ん…シュウ?」
「起きたか」
小さなテーブルに2つのカップヌードルが置いてある。起きたユキは吸い込まれるように座った。
「あれ…?カップヌードルって知らない?」
「うん…美味そう」
「そうか…作ったかいが─、3分待ったかいがあったよ」
決して作った訳では無い…
ユキに勘違いされてはいけないので、途中で訂正をしておいた。よほど僕の言葉が不自然に聞こえたのか、いつもと変わらない無表情で首を傾げていた。
「まぁまぁ…食べよっか?」
「うん…」
二人が橋を持って食べようとした時だ。
入り口に黒い男が立っていた事に気づく。
見た目は大人で、執事の様な服を着ている。背中にはライフルやランチャーなどが見られる。
「やぁ、ユキ…と誰だ…?」
「え?!…その…」
「シュウだよ…」
「シュウ?」
「村上 柊って言います」
「ん…少し失礼していいか?」
柊は頷き、男を部屋に入れる。
「えーと、ユキとはどんな関係で…?」
「私とユキの父は同期何だ。そしてユキ自身も我々の団体『抵抗者(レジスタンス)』1員だ」
「『レジスタンス』?」
「対研究者、対『BLOOD』の抵抗軍団…」
「ユキはその団体の一人…?」
「うん…そしてシュウも入るの」
「え…ええ!?」
「あぁ…君が『HOPE』の所持者なんだろう?なら入ってもらう」
「強制的?!」
「そうだ…頼むぞ」
勢いで机を叩いた事に、何も動じずに話す男が、とても洗練された感じがした。
「それでは柊君、ユキ、今日の午後に中央広場待ち合わせだ。いいな」
「は…はい…」
「ん…」
二人は自信なさげに答えた。
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