2017年7月10日「ため息のつづき」

 コーヒーカップに砂糖ひとつ。じわり、日中のかげろうみたいに溶けていく。くるくる回して、突破口をさがす。

 一人で? いいえ、あなたと。

 言い争っても、傷つけあっても、それが運命サダメなのなら。


 背負うものがあるのなら、耐えなくちゃならない。何、当然の事語っちゃってんの!

 がっかりした?

 でも本音。

 言わなくちゃならなかった本当の事。愛してるからこそ。


 大丈夫。あなたには私がいるじゃない。助けは必要? でなければ席を立つ。それが約束だったから。

 私にはあなたが必要。でもそれは愛じゃなくて、変わらない想い。友情の行方、知らぬ間に先を急いだ。

 明日は駒を一つ動かしていて、全部が投了してもあなたは次の一手を考え続ける。

「こうさんだってば」

 笑うのに時間がかかった。そんなあなたの姿に胸を射られて。


 水の音がする……。

「あ! ホース踏んでるよ!」

「ゴメンゴメン」

 勢いよく、水道の水があふれた!


 独りぼっちの私の想いと一緒に、あなたも踏んづけてしまおうか。

 とっても迷うけど、そうしたらあなた、逃げてっちゃいそうね。

 大丈夫よ。大事にするわよ。そうしたら、大好きだよって、抱きしめてくれる?

 席を立つと言ったけど、あなたのことは見守っていたわ。これからもずっと……。


 耳を打つリズムとテンポが、心地いいのよ。まるで永遠みたいに響くの……。

 生きていこうよ。ずっととは言わない。その終わりまでを一緒に。

 二人を終わらせない方法も、きっとあるわ。

 信じようよ。二人で、未来を。


 抱きしめて。今みたいに、ずっと……。

 あなたの望むように。

 目がさめたら、あなたはきっと煙のように消えてしまう。

 そんなさびしさなんていらないから、強く……。


 だけどあなたを見つめたら、そんなことはどうでもよく。

 夢は夢、だよねえ……なんて、笑っちゃう。

 ねえ、追いかけさせて。私のこと好きじゃなくてもいいから。

 一生の思い出にするから!



               END

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