2017年7月10日「廻りあうために」

 神様がいて、二人がいて、出会うために道をつくったのなら、それに従って歩けばいい。

 でこぼこな道でも、絶壁があって、屍を踏み越えなくっちゃならないとしても、それら全部、全部。

 愛情、だからね……。

 負けそうになるかもしれない。泣いちゃうかもしれない。それすら大事なエッセンス。


 道端の花に心ゆらして、楽しくて。指差す場所に共に行けたらいいね。

 希望は人の胸に根付くもの。誰も奪ったりできない。だから前へ進むの。

 あなたが居る場所が遠くても、追いかけるから。

 待っていてね、きっと……。


 廻りあうために出会って別れた……一生のうちにそうそうあることじゃない。二人だけの巡礼のような。

 とまどわないで。私が見つけたこと一つひとつ正直に教えるから。あなたはそこにいて。大丈夫。

 見つめたものに価値があるって、信じて?

 私が今見つめてるあなたにも。


 ねえ、今一人? 私は独りよ。

 全身に浴びた愛情のシャワー。忘れられるはずない。きっとあなたも。

 だからラブストーリーを始めようよ。この別れは重要なエッセンスだって、思い知るために。

 うだる夏。もう夏よ? だから……始めようよ、このラブストーリーを。


「別れる」のは簡単だった。でも、また「出会う」ためには何かが必要だったね。

 限りない時間がしんしんと内面うちがわをひたしていく。孤独がしみつく前にどうにかして、ねえ、あなた。大好きよ……。

 呼んでるのよ、ずっと……。

 多分あなたも。

 だから絶対廻りあえるはず。


 そう信じて……。

 神様は微笑んでくれるのかしら。私をバカだって思うかしら?

 いつかの約束信じて、待っているよずっと。

 追われたいならそう言って! イジワル。


 私は追わないわ。ただそこにいる。あなたの胸の内にだけ、ひっそりと。

 痛みとひきかえに、涙で心をいっぱいにして……。

 だけど他に方法を知らない。

 きっと生まれたときから、あなただけだから……。


 二人だけの愛の空、抱きしめて、もっと自由に愛し合って、きっと微笑みあえる……。

 どこへ行こう? あなたは言うわ、きっと、

 どこまでも! って……スナオな瞳で。



               END

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