2017年7月9日「SWEET・DREAMS」
あなたと二人で行く公園は安らぎに満ちてて。
駆けてくる子犬や、慣れない新品の自転車をのりつける子供たちを見て、未来を語った。でも今は眠たいの。あなたの声が聴こえない……。
まどろみの中、たどる思い出の街。クレープを食べたね。甘いものが苦手って、後で知った。コーヒーに砂糖私は三つ。あなたはブラック。そんなことにも気づかずにいた昨日。
少し笑って、シエスタのやさしさに包まれて。
今もずっと夢見てる。
待ってるわずっと。ふいに訪れてくるあなたの笑顔を。ずっと、きっと待っている。
扉を叩く音――!
うそ!?
……聞こえてくるバイクのエンジン音にいてもいられなくなって、ドアに向かって走った。
同じ間取りの隣の女子が、ヘルメットを持って出てきて、不思議そうに私を見た。
きっと同じことは続く。選ばれるのはいつも私じゃなくて、あなたは違う人のところへ行ってしまう……そんな夢ばかり見る、この頃。
誰かの咳払い。
「だれ?」
後ろを見ると、風だけが吹いて、他に誰もいない。
「気のせい……」
向き直ると、
バサ!
目の前がむせかえる香気に覆われた。
「ハッピーバースデイ。少し遅くなったね」
「しょおうちゃん! 逢いたかった!」
END
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