第13話 しばらく失踪してきます
俺たちはティナの提案によりレアノケモンを求めてゆっくりフローリアという島に向かっていた。
『いやぁ〜一日中ゴロゴロしてても誰にも起こられない、何もしなくても料理が出る、部屋の掃除もしなくていいし、何もしなくても不自由なく暮らせる。これほどまでに素晴らしい生活ってあるか?』
『お兄ちゃん、日本にいた時ずっと家事ばっかりしてたもんね…』
『確かに、改めて聞くと我々はすごい生活をしているんだな。』
『そうですよねぇ。誰も苦労しなくても生活できるっていいですよね!』
うん、ホントいい生活してるよな俺たち。
誰も苦労しなくていいっていいね!
ん? 誰も苦労しない?
あれ? 俺たち何か忘れるような………
『してるわよ、苦労。』
『『『『『『あっ…』』』』』』
多分その場のティナを含めた六人全員が察した。
『毎日毎日朝六時に起こされてはみんなの朝食作らされるし、その後は食器洗ってから全員分の選択しなきゃだし、その後は昼飯の用意して休む間も無く今度は洗濯物を全部干して、部屋の掃除をして、夕食の支度して、風呂の掃除して、洗濯物全部取り込んでからアイロンがけして、トイレ掃除して、十時には強制的に寝させられる。 』
『全部強制よ!? もう、全身筋肉痛よ! 私だって遊びたいわよ!』
イザナの叫びに、俺たちは同情するしかなかった。
快適すぎる航海をしていた俺たちだが、テンプレに近い台詞によってそれは一変した。
『そういえば、アニメとかラノベとかだったらこういう時って、そろそろ何か起こるようなタイミングだよねぇ〜。』
『そうねぇ。でもこのまま何も起きなければいいんだけど…』
『フーカ、サラ、それはフラグにしか聞こえないぞ! そんなこと言ってたら何か起きちまうじゃねぇか!』
こういう時のフラグって恐ろしいから!
何が起こるかわからないんだからやめてくれよ…。
『あのなお前ら、俺はゆっくりこのままこの生活を続けたいんだよ… だからなーーーー』
『ユーリさん、残念なお知らせです。前方から海賊船が来てます。 見事にフラグ回収ですね……』
『あああああああああああああああああ!』
俺は軽く発狂してしまった。
二、三分後、ホントに海賊船が見えて来た。
だが少しばかり船は小さいようだ。
その船はどんどんこちらに近づいて来て、とうとうクイック号の横に船をつけて来た。
すると、海賊船から三人ほどの男が出てきて、そのうちの一人、黒いマントと二刀の剣を装備した青年がこちらに向けて声をあげた。
『我が名は漆黒の騎士ユウト! 血に飢えし我が軍ブラックナイツが貴様らの墓標を立ててやろう!』
……………………はっ? なんつった?
今の一言で相手の意思を理解できた人はすごいと思う。
ただ、言葉の意味が理解できなかった俺たちでもわかったことがある。
相手に敵対意思があることだ。
その証拠に自称漆黒の騎士さんは剣を抜いてこちらへ斬りかかろうとしてきたのである。
『おっ、マジかっ! 』
俺は驚きながらも取り敢えず戦闘態勢を取った。
しかし次の瞬間、自称漆黒の騎士が驚きの行動をとる。
自称漆黒の騎士はクイック号の甲板目掛けて走って自分の船の甲板の端、
船縁と呼ばれる部分を蹴って飛び上がろうとしたが…
運悪く足を滑らせ海へと真っ逆さまに落ちてしまった。
それはもう見事な滑りようだった。狙ってたのかってぐらいに。
するとそれを見ていた自称漆黒の騎士以外の二人がこちらに向けて
『すいませ〜ん。うちの船長拾うの手伝ってくれませんか?』
『すいません、船長泳げないんっすよ…。』
と言った。
なんというか、船長落ちたのに軽いなぁ〜。
俺たちは自称漆黒の騎士を海から引き揚げ、取り敢えず三人ともクイック号の一室に入れてあげた。
『で、何がしたかったの? 』
『ふっ、貴様などが我に質問するな!』
『そういうのいいから真面目に答えろ。』
意外にも自称漆黒の騎士さんはすぐにまともに話し始めた。
『は、はい。えーっと俺の名前はユウト、漆黒の騎士ってのはなんというか、ノリかな?』
あれをノリってことにするのか…
すると、残り二人も自己紹介をしだした。
『そんで俺が、カズ。』
『僕がヒロです。一応この三人で海賊稼業やってます。主に人助けを。』
ようするにこいつらも同業者ということだろう。
『でも、なんで私たちに喧嘩売ろうとしたの?』
『えーっと、それにはちゃんと理由があるんだよ。そう!あれは日差しの強かったある日…』
『回想入るのかよ!』
この世界の人は説明をするとき必ず回想に入らないといけない決まりでもあるのだろうか……
ユウトはそのまま理由を話し始めた。
またもや回想に入っておしまいです。
できればこのやり方変えたいんだけどなぁ〜
『そう!あれは日差しの強かったある日…』
そう言ってユウトは説明を始めようとしたが…
『いやユウト、遡る必要ないだろ。まずあんたの能力説明しないと……』
カズに止められたユウトは少し残念そうに端っこの方で小さくなっていた。
そんなユウトの代わりにヒロが説明をしてくれた。
『えーっと、まずユウトの能力なんですけど、運命〈リアマックス〉っていうんです。』
その言葉を聞いた瞬間ティナが慌てて声をあげた。
『えっ!? リアマックスですって!? 』
『何? そんなにすごい能力なの?』
疑問に思ったフーカが聞いていた。
『はい! 海賊の能力の中でも世界に一人しか授かるものがいないと言われている上位能力の一つですよ!』
『しかも、リアマックスは上位能力の中でも一番すごい能力で、自分の力が三十倍となって運がすごく良くなるというものです。』
『へぇ〜すごい能力なんだな。』
上位能力と聞くとそそられるものはある。
例えるならばライダーの最強フォームが出てきた時のワクワク感だろうか。
しかし、その期待はすぐに消えてしまった。
『しかし、それは半径三十メートル以内に運命の人がいればの話です。』
……はい? 運命の人?
『いなかった場合はありえないぐらいの運の悪さになって調子に乗るとピークを迎えますね。』
『ピーク時だと一歩歩くごとにガムを踏むレベルですね。』
は? ってことはつまり……
『皆さんご察しの通り、全ての能力の中でのハズレですね。』
使えねぇ〜!って思わず声に出しそうになった。多分ヘルパーズ側全員が思っただろう。
確かに能力のせいで運が悪いと考えたらさっき足を滑らせたのも納得がいく。
しかし、一歩歩くごとにガムを踏むレベルの運の悪さというのは幾ら何でもかわいそうな気がする。
ユウトの能力の説明が終わったところで別の疑問についても説明してもらった。
『で、結局なんで俺たちに喧嘩売ったの?』
能力説明のおかげでユウトが暗いオーラ放ちまくっていたので代わりに今度はカズが説明してくれた。
『それは〜、あんまりにもユウトの運が悪いから一回よく当たるって噂の占い師に占ってもらったんだよ。』
『そしたら、フローリア方面へ向かったらとある出会いがって言われたんだよ。』
『で、あんたたちがいたもんだから出会いってこれじゃない?って話になって、そしたらユウトがどうせなら腕試ししようぜって言い出したもんだから……』
『つまり、そのおかげで調子に乗ったそこの人が喧嘩売ろうとして転落したわけか。』
『はい、その通りです…』
なんというか、二人も苦労してるんだなぁ。
完璧に患ってる船長に振り回されてる図が簡単に想像がつく。
少し重くなった場の空気を察したティナが俺たちに提案を持ちかけた。
『あの〜、ユウトさんたちもフローリアにむかってるんですよね?』
『だったら一緒に行きませんか?私たちもフローリアに用事があるんで。』
その提案を聞いたユウトたち、もといカズはすぐに答えた。
『そうさせてもらうと助かるよ。ありがたく同行させてもらうよ。』
俺たちは取り敢えず船を出すことにした。
『ほら、船長。行きますよ。』
ユウトは二人に連れられて自分の船に戻っていたが…
グキッ
『うっ、足グネった……』
歩き出したユウトは見事に足をグネらせていた。
こんなので大丈夫なのか?
俺たちは自分たちの安全に少し心配になりながらもその場から船を出した。
====================================================
はい、という事でさんざんふざけた挙句謎に失踪というエンディングを迎えてしまいましたが、皆様いかがだったでしょうか?という事でこの『俺たち海賊ヘルパーズ!!』の方、話の途中ですが終了とさせていただきますm(__)m
理由の方述べさせていただきますと、作者(←トトイと言います、よろしく!)がこの小説に時間を掛けられなくなってしまい、正式に失踪という形を取らせていただきたいと思います。
この小説も残すかどうか未定ですし、説明文の方にもこれと同じ旨を説明しておきたいと思いますので、ご理解とご協力の方をお願いいたします。
そして最後に、この小説いかがだったでしょうか?なにアニメネタ使ってんだよクソが。つまらん小説だ。これ小説と呼べるの?。これ考えた奴アホじゃね?ww。みたいな感想をお持ちでしょうか?
少なくとも私はそちら方面の意見が多いと思いますし(実際私も少し思うところはあります)、それを全面に(小見出しの題名の方に)押し出した形での執筆のなりました。
ですがその意見はとても正しい物だと私自身思っております。ですが好感を持った読者が一人でもいらっしゃれば、報われたな(笑)、と思わせていただきたいと思います!
最後に長文、失礼しました。ではこれを以て『俺たち海賊ヘルパーズ!!』の方。終わらせていただきたいと思います。読者の方、誠に有難うございました。
俺たち海賊ヘルパーズ! シスコン野郎 @gurei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます