第12話 D社の怒りでこの小説ごと燃やされて滅びればいいのに
無事に出航島を出航してから数日がたった。
俺たちはティナのナビに従いながらクイック号という船の名に反してゆーっくり海を漂っていた。
『お昼出来たわよ〜。 早くきなさ〜い。』
『『『『『『はぁ〜い。』』』』』』
このあいだの依頼を解決してた時の雰囲気はどこに行ったのだろうかと心配になって来るほどに俺たちは気が抜けていた。
『さぁ、全員揃ったわね! それじゃ、いただきます!』
『『『『『『いただきま〜す。』』』』』』
『イザナちゃんホント料理上手いね。勉強してたの?』
『いやいや、能力のおかげだよ。料理中ずっと無意識のうちに身体が動いてるって感じだもん。』
イザナの能力、家事上昇はどうやら本人の意思に関係なく発動するようだ。
例えば、本人の意思に関係なく洗濯をさせられたり、料理だって、掃除だって、ほぼほぼ強制的にやらされてるらしい。
しかも、上昇とついてるだけあって全てがありえないぐらいの質で終わっている。
洗濯をするとシワ一つ残らないし、料理は店を出せるレベルである。
本人にとってはハズレ能力だろうが、こっちからすれば結構ありがたかったりする。
『そういえばお兄ちゃん、ちょっとこれ見てくれない? 』
サラに言われ、俺はサラのPTSを見た。
『ほらこれ! アプリストアってあるでしょ? これ開いたら日本にいた時と同じアプリがあったんだけど…』
『なにっ!』
俺は急いで自分のPTSを見た。
すると、本当に、日本にいた時と同じアプリがある。
というか、全く同じだ。
こんな偶然もあるんだな。
『うわっ、パズクラにバケスト、あっノケモンGOまであるぞ!』
俺の声に残りの全員が集まってきた。
俺は全員に今あったことの説明をした。
『あっ本当だ! マイナーなやつもあるよ!』
『これ、私しかやってなかったゲームじゃないか!』
『ちょっと待ってください。 駄目元でデータ引き継ぎを押して日本で使ってたデータのパス打ったら僕の使ってたアカウントが出てきたんですけど!』
おっと? 流石に偶然とは言えなくなってきた。
『なぁティナ、これってどゆこと?』
『あっ、皆さんには言い忘れてましたね。』
『この世界って皆さん以外にも日本人が召喚されてるんですよ。なので、必然的に日本の文化が広まってるんですよ。』
『じゃあやっぱりこれもスマホなんだな。』
『いえ、スマホじゃないです!』
そこは頑なに否定するんですね。
とりあえず俺たちは暇つぶしにスマホゲームもといPTSゲームをやることにした。
三時間後
『ああ〜スタミナ回復遅すぎ〜 運営どうにかしろよ〜』
『ちっ、またガチャハズレたぁ〜!』
『このクエ難しすぎないか?』
『あっスタミナ回復しました。』
『あっ私も。』
『お兄ちゃん、レアでたから交換してぇ〜』
『皆さん見事に廃人化してますね…』
気がつくとおもいっきりティナが引いていた。
まぁ現代っ子にスマホを持たせると大体こうなるだろう。
流石にやり過ぎたと思い俺たちはやっとゲームをやめた。
『皆さん、そこまでゲームしたいならいい情報がありますよ!』
『ちょうどこの近くにあるフローリアって島にノケモンGOのレアノケモンが出るみたいですよ! 行ってみませんか?』
『そうだな、そろそろ仕事しないとヤバそうだしそこでついでに何個か依頼解決しますか。』
ということで俺たちはティナのナビでフローリアに行くこととなった。
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