第11話 番外編?知らんわそんなもん

ユーリたちが島を無事に出航した頃。


遠く離れたある島にある黒い空気が渦巻く巨大な城の中の一室では六人の男女が机を囲んで座っていた。


その中心にいる人物こそがこの世界の三分の一を支配する勢力、ソーマ軍の頭目。


海賊王 ソーマである。


おぞましい空気の中ソーマが口を開いた。


『はっはっは! これでこの世界を完全に支配できる!』


『あぁ。 今までの苦労の甲斐があったさ。』


『そうだね。 これで、頂点は私たちをものだね!』


『ふっ、この俺の力があってこそだな!』


『あっ、そんなことないから。』


『…………………………………』


『…………………………………』


この雰囲気の中で呆れた顔をしていた二人がとうとう口を開いた。


『お前ら、これ世界統一ゲームってボードゲームだったよな?』


『確かにチーム戦で四対二にわかれたけどさ、そこまで雰囲気出さなくてよくね?』


『まず、うちらこんな感じのテンションじゃないでしょ? 』


『『『『はい、正直調子に乗りました。』』』』


注意、これはユーリたちでなくソーマ軍の幹部たちである。


一応、紹介をいれておこう。


喋った順に


海賊王のソーマ


軍の知将である ミッ○ー


戦いのプロである パル


お分かりの通り中二病の よしたん


ボケの多い軍の貴重なツッコミ役 コノハ


同じくツッコミ役の ゼロ


ソーマ軍はこのメンバーたちが中心となっている。


『あのさ、ソーマ。暇だからみんなでボードゲームしたいって理由で幹部全員に緊急招集かけんのやめてくんない? 何かあったのか?って思うから。』


コノハの言葉に全員が頷いた。


『正直そろそろ会議らしい会議をやりたいとは思う。 だって毎回毎回始めようとしたらソーマがあそぼ!って言うし……』


その場はソーマに対する愚痴をこぼす会となっていた。


『てか、今更だが俺たち幹部って七人だったよな? 二人どこ行った?』


『あっ、その二人のことなら聞いてるよ。』


『えーっと、チュン君は階段から落ちて足と手首の骨を折っちゃったから今日は病院みたい。』


『そんで、ヒナちゃんはノケモンGOのレアキャラを捕まえに行くってフローリアに向かったみたい。』


『フローリアか。 結構人が来る観光名所のはずだが仮にも幹部のヒナが一人で行ってよかったのか?』


『だって、ヒナちゃんこの中で一人だけ悪魔と契約してないから懸賞金かけられてないよ。』


『oh……』


『名前さえ言わなければバレないと思うけどなぁ〜。』


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る