第10話 漫才とアニメネタと…この小説はこれだけしかありません
『力がみなぎるってこういうことかぁ〜。やっぱ能力持ちっていいなぁ!』
『何を言っている。 貴様はもう満身創痍じゃないか。そんな状態で俺に勝てるとーーー』
『勝てるよ。 だって主人公だもの。この程度の逆境ぐらい変えてやらぁ!』
そう言って俺は大将に殴りかかった。
生体加速について説明しておこう。
アニメなどでもある能力だが、分かりやすく言うと身体に負担が掛かりにくい加速だ。
自分の時間だけを早くしてるからである。
俺はその加速を使って殴りまくった。
加速の具合は大体5倍ぐらいだと思う。
俺はボクシングの試合などから拳中心の戦い方は頭に入っているので生体加速は俺が一番この状況で欲しかった能力とも言える。
正直、調子に乗った。
気がついたら大将はフルボッコになりすぎで全身痣だらけになってしまっていた。
『まぁ、倒したってことでいいよな?』
大将が気絶したのを確認した俺は五人の元へ戻った。
流石に、血だらけの俺を見たマリンはちゃんと回復してくれた。
数分後、大きな船が俺たちの前を横切った。
多分、武器の輸入船だろう。
俺たちの受けた依頼は護衛だったので、その輸入船について行って島へ戻ることにした。
無事に島に帰り着いた俺たちを出迎えにマリも港にいた。
『まさか、本当にやってくれるなんて……』
『いやー俺たちも正直驚いてますよ。でも、結構キツかったよ。だって死にかけたもん。』
『もう、お兄ちゃん無理し過ぎだよ! どれだけ心配したと思ってんの!?』
『本当だぞ! 流石に私でも罪悪を覚えだぞ!』
じゃあ最初から回復してくれよ。と言いたいところだが、今はツッコミを入れる気力も無い。
『そういえば、依頼の報酬を考えないとね。』
正直、俺も忘れていた。
俺たち全員が既にやりきった感があって報酬のことは全くもって考えていなかった。
『よし、決めた。今回あんたたちにあげる報酬は、クイック号と貸した武器だよ!』
『『『『『『えっ?いいの?』』』』』』
マリン以外のみんなが驚いた。
『うん、それくらいの利益がこっちにもあったんだからいいよ!』
これは本当にありがたい。これでもう、武器にも船にも困らない。
ありがたく使わせてもらおう。
こうして俺たちはマリに、一旦船を預け宿に泊まりに行った。
ベッドに入るとすぐに寝ることが出来た。
一日の疲れが一気にでたのだろう。
そして翌日、俺たちは朝早くからマリの待つ港に向かった。
『おっはよー、海賊たち! 船整備なら済ませたよ! ついでに食料も積んどいた!』
『ありがとうございますマリさん! ここまでしていただいてなんと言っていいやら……』
『いいってことよ! 個人的にお礼がしたいだけだし。』
こうして俺たちは無事に出航準備が整った。
『あっ、あんたたち! 一つ聞いときたいんだけど、あんたたちの団名ってなんていうの?無いなら今決めたら?』
『そうだなぁ〜………』
これは悩みどころだ。
ちゃんとした名前を付けないと……
あっ、いいのがあった!
『団名、海賊ヘルパーズってのはどうかな?』
『いいねぇ! いかにも人助けって感じ!』
『よし、最後にこれを渡しておこう!これは海賊のお守りらしいの。効果はわかんないけど、きっとあんたたちを助けてくれると思う。』
そう言ってマリは、俺に四角い青色の石っぽいものを手渡した。
『よし、準備も出来たし出航するか!』
『『『『『『おぉー!』』』』』』
俺たちはこうして、次の島へ向かって出航して行った。
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