第8話 そしてまたアニメネタに頼ってしまう
朝早く起きた俺たちはウエポンショップマリの前に来ていた。
理由はもちろん依頼の達成のため。
二日前、俺たちは武器屋店主のマリから武器の輸入船の護衛の依頼を受けていたのだ。
『こんちわ〜。約束通り来ましたよ〜。』
『なんか軽いね。まぁ依頼受けてくれてるしいいんだけど。』
『じゃあ詳しく内容を話すね。まぁ中に入って。』
マリに言われ俺たちは意気揚々と店の奥にある居間っぽいスペースにお邪魔した。
『じゃあ始めるね。 まず、武器の輸入船なんだけど、今から約二時間後ぐらいいつも海賊に襲われてるってポイントを通るらしいの。
みんなには急いでそこに行ってもらいたいの。はい、これが海図ね。』
そう言いながらマリは少し大きめの海図を俺たちに渡した。
その海図には赤いペンでバツマークがついていた。おそらくそこが目的地だろう。
しかし、海図だけでは解決しない問題がある。
『で、あんたたち。船、持ってないでしょ?』
そう、船だ。移動手段がないと行こうにも行けないのだ。
しかし、マリはすぐにその問題を解決してくれた。
『仕方ないから貸してあげるよ。港まで来てくれる?』
これには驚いた。
最悪港にいるはずの漁師と交渉して借りようかと思っていたのでその手間が省けるのはありがたい。
こうして俺たちはマリの船のある港まで移動した。
『じゃーん!これが私の船、クイック号だよ!』
マリの船、クイック号は一般的な帆船だがマリの説明を聞くと速さは他の船より遥かに上回るらしい。強度も十分。
今回の依頼にはもってこいな帆船だった。
『さぁ、これで準備は出来たか。 じゃあ時間もないし早速出航しますか!』
『『『『『『おぉー!』』』』』』
俺たちはマリから見送られながら島を離れた。
マンガやアニメで得た知識のおかげで俺たちは難なく船の操縦が出来ていた。
俺たちはとりあえず船内を回ることにした。
すると物置らしい部屋に手紙が挟まった大きな宝箱があった。
俺たちはとりあえずその手紙を読むことにした。
その内容はこうだった。
駆け出しの海賊たちへ
あんたたち、大事なこともう一つ忘れてるでしょ。
武器、持ってないよね。
そんなあんたたちに武器屋の私からプレゼントをしよう!
あっ、今回はちゃんとした武器だからね!
その武器たちはうちの家宝レベルの代物だから質は保証するよ!
武器の輸入船の護衛よろしく!
武器屋の店主より。
手紙はここまでだった。
宝箱の中には内容通り武器が全員分入っていた。
『これ、私が欲しかった武器じゃん! やっぱマリさんって優しいんだね!』
サラからこの台詞が出る程に二日前の件で信用を失っていたんだなぁ〜と改めて感じた俺であった。
出航してから一時間が経った頃俺たちは予定のポイントについた。
そこには大きなドクロマークを掲げた大きな船がいた。
当然武器の輸入船ではない。
十中八九襲ってる方だろう。
こちらが様子を伺っていると敵さんの方から声を掛けてきた。
『お前ら、見ねぇ顔だな。 輸入船を狙うなら帰りな! なんてったってソーマ軍準幹部に一番近いと呼び声高い俺たちがいるんだからなぁ!』
この世界の人ならビビるような台詞だったであろうが、俺たちの反応は……
『ねぇサラちゃん、あの台詞はないよねぇ〜。』
『うん、準幹部に近いってそこまですごくないよねぇ。 よくて中ボスレベルの台詞だよね。』
『私たち、一応正義の味方側なんだから倒していいんだよな? あいつら。』
『マリンさん、いくら倒していいからってお願いですからあの時のゲームみたいにオーバーキルしないでくださいよ。見てる方が怖いですから。』
『こういう時にこの台詞言うのよね! イザナが命じる! 貴様たちは○ね!』
『いや、ル○ーシュの台詞だろ! てか、お前が授かったのギ○スじゃないだろ。』
こんな感じのゆるい返答に当然の如く敵さんたちはヤクザや族のように怒り出した。
『よーし、相手さんたちも怒り出したし、全員突撃〜!』
『『『『『『おぉー!』』』』』』
その一言で俺たち全員が敵の船に乗りこんだ。
だが、敵もバカじゃない。
広い甲板を使って一瞬で俺たちを取り囲んだ。
見た所敵は二百人程のようだ。
全員当然のように武器を持って今にも切り掛かってきそうだ。
『仕方ないな、よし、戦闘開始!』
その瞬間全員が動き出した。
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