第2話 やはり主人公はシスコンなのか
『ようこそ!夢に溢れた世界へ』
小さな妖精はそう言った。
そして、ツッコミを入れる間も無く満面の笑みで自己紹介を始めた。
『私は、ティナっていいます。これからよろしくお願いします』
『お、おう』
皆がこんな感じの反応しかできなかった。
『早速ですが色々質問しますね!』
若干食い気味で会話の主導権を握っていくティナからの質問は…
・名前、及び自己紹介
・俺たち六人の関係
とりあえず答えるしかなさそうなので教えることにした。
『えーと、まず俺がユーリだ。一応このグループのリーダーかな』
『で、こっちが俺の三つ下の妹のサラだ。言うまでもなく超かわいいだろ?』
『お兄ちゃん。流石にそのシスコン発言はちょっと…』
『おっと、つい言い過ぎたかな?』
『で、私がフーカだよ♪学校では生徒会やってたんだからね!』
『はいはい、そーいうのいいですから。僕がグランっていいます。』
『で、残りはロングの方がドSのマリンさんで、ツインテの方がツンデレのイザナさんです。』
『ちょっとグラン?!ツンデレって何よ!』
『私もドSなんかではないからな!』
なんか自己紹介になってないような気がする
『で、関係だけど、サラ以外が全員同じ高校で知り合ったオタ仲間って感じかな? 全員があだ名で呼びあってるのもそれが理由だ。』
『そっちの質問には答えたぞ、そっちもそろそろ説明してくれるか?この世界の』
『そうですね。それでは説明しよう!』
ティナは昭和のヒーロー物の説明のテンションの高さで説明を始めた。
『えーと、まず皆さんがここに来た経緯ですが、私がいた機関の仕事によるものです。』
『私がいた機関の仕事は、世界中の人々の願いをランダムで選びそれを叶えるというものです。』
『例えば、神社や教会、後は流れ星とかに祈った願い事をランダムで叶えます。』
『つまり、流れ星に祈った皆さんの願いが選ばれそれが叶い、ナビ役として私も一緒に召喚された。という状況です。』
うん、わからん。説明されても理解が追いつかない。
アニオタはこういうときに状況理解が速いと聞いたことがあるが、あれは嘘だなぁ。全く状況が理解できてない。
そんな俺たちをほっといてティナは次の説明に移った。
『次にこの世界についての説明ですね。』
『この世界の名はアークル。アークルには人助けを生業とする海賊という存在があります。』
『海賊ってあのワン○ースのアレ?』
『はい! ワン○ースのアレです。といっても悪でなく人助けをするいい人たちです!』
『海賊たちは、その身に特別な能力を宿しそれを巧みに使い依頼を達成していきます。能力はいっぱいあるんですよー! 戦いの役に立ったり生活の役に立ったり、種類はとっても多いんです。』
確かにすごい。
やっと状況を把握出来てきた。
俺たちはやはり異世界に来たみたいだ。
『なんかわくわくして来たわね!』
『でも、そんなすごい力を持つ人がいるってことはそれを悪用する輩をいるってことですよね?』
『流石グランさん!察しがいい。』
『グランさんの言った通りこの世界にも悪い奴らがいます。そのトップが海賊王 ソーマです。』
『ソーマはこの世界の三分の一を支配する程の力を有し、人々はソーマ軍と呼んでいます。』
なんだかすごく異世界系のラノベを読んでるような感覚だった。
六人は、説明が終わったティナに向けゲームだったらこの後あるのがお約束の提案を目を輝かせながら待ち望んでいた。
『色々いいましたが、ここからが本題です!』
『さっき、この世界には人助けの海賊がいると説明しましたよね?』
『ああ』
『せっかく異世界に来たんです。皆さんで
海賊をやりませんか?』
やはりティナは俺たちの予想通りの提案をしてきた。
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