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カップ麺を食べ終え、デザートのアイスを口にしながら、音楽番組のエンディングを眺める。
「ふぇーらいひゅうはひゃのばんろふぁふぇるふら(へぇー来週はあのバンドが出るんだ)」
エンディングでデカデカと彼女の好きなバンドのテロップが流れた。来週の目玉のようだ。
これは彼女に伝えてあげなければ。今日のライブが何時に終わるかは良く分かんないけど、連絡だけは入れておこう。
きっと彼女は喜ぶだろうから。
――ピロン♪
バンドの出演の事を伝えると、即座に連絡が帰って来た。どうやらもうライブは終わったらしい。
ついでに何時に帰ってくるのかと訊くと、晩御飯を食べて帰るからもう少し遅くなるとのこと。分かった、とだけ返信しておく。
彼女には今日飲み会をキャンセルしたことは言っていない。それとなく電車の時間を確認して駅まで迎えに行って驚かせようと思っているからだ。たまにはこんなことも楽しいだろうと思って。
彼女との連絡を終えて、顔を上げるとテレビは既にニュース番組に変わっていた。女性キャスターが今日のニュースをダイジェストで教えてくれる。
なになに、パンダの赤ちゃんが順調に成長している? そりゃぁ良かった。
上半期好きな芸人ランキングが発表された? あとでちゃんと見ないとな。
人気声優同士の結婚とな。末永くお幸せに!
笹の花が咲いた。え、笹って花咲くの!? 興味ある!
今第人気のバンドのライブに密着! え、あれ? 知ってる。
「これ、あのバンドじゃん」
ダイジェストの最後になんと、今日のライブの密着取材が入っていたのだ。もしかしたらどこかの映像に彼女が写っているかも? なんて思いながら俺は前のめりに画面を見つめる。
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