解放同盟
第25話 オプション品
マンティコアを倒し一路アデオムを目指す。
が、ティオの乗る馬車が流された影響で車軸が壊れ使用できなくなってしまった。
また、何頭かの馬も逃げ出したりし、移動の足が不足している。
「残った人数はからすると移動速度の低下はやむを得ないな。」
最低限、ティオの周りの護衛は馬が必要だし、ティオ自身も馬に乗ってもらうしかない。
セントールであるオースティンに乗る話は却下である。
本人曰く「馬ではない。」と実に不機嫌そうに言った。
セントールにはセントールの矜持があるのだろう。
確かに馬のように扱うには彼に失礼だし、何より荷物や人を乗せると戦闘時の機動力が損なわれる。
彼はこのパーティで一、二を争う攻撃力の持ち主であり、縦横無尽に戦場を駆けることに意味がある。
「富岳殿、どうしましたか?」
「移動手段がな。」
「でしたら本機のオプションを拡張されるのがよろしいかと。」
「オプション?」
ブリッツの説明によると、武装は階級に依存し、その他の装備はそれまでに支給されるCr(クレジット)で購入できる。
それにより機体ごとのカスタマイズが可能になっている。
「しかし、購入しようにもCrがないぞ。」
「マンティコアを倒したことで支給されております。」
「!!で、どのぐらい?」
「1600Crです。あと、ワイバーンの迎撃で1400Cr、合計3000Crです。」
うーん。3000Crと言っても、どのくらいなのか判らない。
「この世界の貨幣に換算すると?」
「ざっと、金貨1200枚でしょうか。」
結構な額になるな。この世界の乗用馬は金貨80枚である。
軍用馬はその4倍の金貨320枚。
こうなれば飛行オプションをつけて一飛びに・・・。
「そうだ、肝心のオプションの値段は・・・・。」
飛行ユニット・・・・・1000000Cr
水中ユニット・・・・・350000Cr
浮上ユニット・・・・・100000Cr
そんなことだろうと思いましたよ。
と下の方に目をやると
大型車両ユニット・・・・2000Cr
これなら何とかなりそうだ。
とりあえずこれはキープと。他のオプションは・・・・。
「富岳様何をなさっていますか?」
「フガク殿。ブリッツと何を話しているのでござるか?
馬の配分をどうするか今思案している所なので助けてほしいでござる。」
「それなら何とかなりそうだよ。」
「ほう!それはそれは。」
「ブリッツ、購入可能一覧をみんなにも見えるように出してくれ。」
購入できないものを除いた、購入一覧がみんなの前に表示される。
「この内の大型車両ユニットを購入すれば移動の問題は解消されると思う。」
「なるほど、これは6人乗りの大型馬車なのか?」
「まあ、そんなところです。」
「富岳様、この移動キャリア用オプションにシステムキッチン400Crがあります。」
「システムキッチン?」
「機能的な台所?ってところか?」
「それさえあれば簡易食を無理に食べる必要が無くなるようだな。」
「同系統のオプションにバスユニット100Crがありますよ~。」
「簡易ベット50Crもあるな。6人分で300Crか。」
「まてまてまて、そんな物より防御ユニットとか移動ユニットの強化の方が・・・。」
「「「「「却下」」」」」
却下されました。持ち主なのに・・・。
結局、大型車両ユニットとシステムキッチン、バスユニット、簡易ベットを購入することになった。
残り金額は200Cr。購入可能オプション無し。
やれやれ。
とりあえず、大型車両ユニット、他購入オプションと移動用キャリアーを出す。
目の前にはキャンピングカーが出現した。
「とまぁ、これで移動は・・・。」
「すごいでござるな。この乗り物は座る場所が柔らかく疲れそうにないでござるな。」
「左様でございますな。我らリザードマンでも座れるようになっていますな。」
「む、このクッションはいままで使ったことの無いものだ。」
「ああああ、やわらかーい。きっとこんな感じの・・・ぐふふふふ。」
突然キャンピングカーが出てきたことで、護衛の連中も驚いている。
そんな連中に説明をするのに時間がとられ、結局は夜になってしまった。
今日はここで野宿だ。
「やはり私には先見の明があったな。」
ベッドにもぐりこみながらそう呟くカイルス。
全くその通りでございます。
野営がこんなに楽になるとは思わなかった。
簡易ベットと言ってもこの世界のベットの基準からすると豪華な物であり、
バスユニットも一般家庭には風呂が無いことが多い。
それを考えると何やら規格外の装備のようだ。
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「ところで、ブリッツ。いろいろリストがあるがこの灰色になっている分は?」
「現在、富岳殿は現在階級がOF-1であるため基本兵装といくつかのオプションしか許可されておりません。」
「まて、じゃあこの突撃兵装:ブリュナークや迎撃兵装:タスラムとかは・・・」
「不許可です。」
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