楽園
この塔には、何かが住んでいるらしい。伝承通りなら神様らへんだろうし、人間が住み着いている可能性もある。
けど、何かが住んでいるならば、私の目的は果たせない。これからどうしよう。
「どんな感じなんだろうな」
「ん、何が?」
「塔の頂上だよ。どうなんだろーな」
「……とりあえず、綺麗だとは思うよ。上空からの景色はとても綺麗だから」
本当に、上空からみる景色は綺麗だった。人や生き物なんて見えないし、上空だからこそ見える世界がある。
「あ、景色じゃなくて、頂上には何があるのかって話。人が住んでるんなら家があったり、水があったり、自然があったりしてんのかなあって」
景色を見るって、ソラの目的にあったと思ってたんだけど、違ったみたい。
「……どうだろうね。伝承にあるみたいに楽園があったりしてね」
楽園、か。空を自由に飛び回れる世界があれば、もうそれだけで私にとっては楽園だなあ。せめて、小説みたいに『魔法』がある世界に生まれ変われたら良かったのに。
そんな世界なら、しがらみとかも全部投げ出して、ずっと空を飛んでいるんだろうなぁ。空、また飛びたいなあ。
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