天井

「ね、ソラ。今日はあなたが火の番だからね。寝ちゃだめだよ!」

「げっ、まさかノエル、昨日寝なかったのか?」


 そういえばソラは寝ることが大好きだっけ。懐かしいなあ。


「そゆこと。だから、昨日よりもペースおとしてくよ。流石にこんなとこで体調崩したら元も子もないからね」

「りょーかい。きぃつけろよ」




「あ、天井が見えてきた。ちょっと見てきていいか?」


 ほんとだ、天井の上には何があるんだろ?けど、ここで体力を削るわけにはいかないから、今までのペースでいかなきゃ。


「いいけど、何があるかわからないんだから、少しは体力温存しといてね」

「じゃ、先に上で待ってるな」

「いってらっしゃーい」





「ねー! 天井の上はどうなのー?」

「広間だったー。で、王宮とかにある噴水みたいなのがあってー水も流れてたー。しかもーベッドもあるしー、火も焚かれてるー。休憩所っぽいー。てか来た方が早いぞー」


 この塔、何のためにあるんだろう。よくわかんないや。


「んー、じゃあもうちょっと待ってねー」





 階段を上りきると、広間にでた。広間は円を四等分した感じにスペース分けされていて、階段を上がってすぐの場所にベッドがいくつも並べてある。そしてベッドの横の区画には大きな暖炉が。そして、広間の中央には大きな噴水があって、今も、綺麗な水が流れている。ちなみに、上へと続く階段もちゃんとある。


「うわぁ、広いね。しかも綺麗」

「今日はここでじっくり休まないか?」

「……そうだね。いつまで続くかわかんないし、これからも休憩できそうなとこがあるとは限らないしね」

「よし、ならノエルは休んでこい。寝てないんだろ?」


 ソラってたまに気が利くんだよね。シエルににちゃったのかな。本当に優しい子だよ。


「ありがとう、お言葉に甘えさせていただくよ」

「んじゃ、おやすみ」

「おやすみ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る