約束
「しっかし、どこまでつづくのかねぇ……」
「わかんねぇよ。地上から見てもわかんなかったし、今だって確認する術もねえしな」
取り敢えず、地上が白んでくる辺りまで上ってきたことは確かだけどな。
「ね、ソラは途中で帰ってもいいんだからね?」
こいつはいきなり何を言い出したんだ?
昔みたいな、不安げな顔で。
「は? いきなりどーしたんだよ」
「……なんでもないよ。ちょっと、ね?」
「最後まで一緒だって、約束しただろーが」
「……約束?」
「約束。勝手に忘れてんじゃねーぞ。馬鹿ノエル」
「あはは、昔のことは、忘れちゃったんだ」
こいつは、なんでこんなに悲しそうに笑うんだ?
……俺はどうすればいいんだ。いや、こんな時、シエルならなんて言ったんだろうか。
「なあ、ノエル。この搭を登ってる間、俺の思い出話に付き合ってくれよ」
「ソラが過去について話すなんて珍しいね。どうしたの?」
「忘れたんなら、思い出せばいいだけの話だろ。だからだよ。で、どこから覚えてないんだ?」
「……まだ、三人で遊んでいたあの時から」
嘘つき。覚えてんじゃねーかよ。
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