第10話 男ひな祭り開催決定!??の巻

二月も終わろうとしている日の夜、声を荒げている男が一人いた。

「諸君!そろそろひな祭りであるっ!」

「そーですね」

「確かに我々男には端午の節句という男の日があるが、こいのぼりだけである」

「何が言いたいんだ」

「男のひな人形がほしい」

「まーたバカなこと言ってる」

「というか五月人形があるだろう」

 ああたしかにという顔をしたがやつは反論する

「バカ!あっちは数1、向こうは11くらいいるだろうが

差がありすぎる」

「そういう問題じゃ・・・」

「とにかく男雛が必要である、ということで元天才塾造形コースお平田7兄弟に作ってもらった、それがこれだぁ~」

 そういってチュウは手に隠し持っていたボタンを押す、すると地面からふつうの雛人形と変わらないサイズのものが出てきた。

「いつの間に改造を」

「ん?なんか変だぞ」

「説明しよう!まず下から露出狂・酔っ払い・クレーマー、次の段は

変質者・ニート・引きこもりで次が不衛生・迷惑電話・違法ダウンロード

最後にできちゃった婚だ」

「あんまり男子関係ないような」

「ねぇ」

「いーんだよ、さっそくこれを大量量産して売りさばくぞ!!」

 そういいチュウは制作に取り掛かり始めた

「そういえばナナシさんあの準備は?」

「ええ・・」

 しかし全日本ひな祭り・雛人形協会に訴えられかけ販売は中止となった


3月はじまりの月

「くそ!これだからひな祭りは!」

「それ関係ない」

「チュウさん、お客さんです」

 そう言うと入ってきた白スーツの男が話だした

「どうも初めまして、私おもちゃメーカーをやっているもので大平と申します」

「はぁ」

 二人は奥の部屋に消えていき・・・


”新発売 男雛!!”

「まさか本当に発売するとは」

「ふつうのサイズなのにひな人形より二分の一の値段だしな、どちらかというとおもちゃ枠だし」

「世の中なにが出るかわからんなぁ」

「ねぇ、そういえばチュウさんは?」

「なんか第二弾の開発に取り掛かりだしたという」

「なんだと!!」


「よーしよーし」

「おいチュウさすがに二弾目は売れんぞ!!」

「大丈夫だ、それよりお前にはやってもらうこよがある」

「嫌な予感が」

 逃げようと思ったが奴の奥義かなにかで体を拘束されたあとだった


3月2日

「さて野郎ども準備はいいか!!」

「「「おーーーー」」」

 町の一角にふんどしすがたの男どもが集結していた。

「なんだこの異様な光景は」

 もちろんバカもそこいた

「これより作戦を発表する、じつはこの裏では新作雛人形の発表会がある、そこには等身大雛人形がありそこには本物の人がある、そいつを乗っ取る!!」

「「「おーーーー」」」

「うわぁ~」

「パニックになるぜぇ~、っとその前にトイレトイレ」

「なんでこんなことに」


「あっいたいた!」

「?あんたは確か大平さん」

「なんですかその恰好、速く着替えて」

「ええ!??」

 思ったよりも押しの強い大平さんに連れられ着替えさせられたのは

「これはお内裏様?」

「そう、ナナシさんからの誕生日プレゼント」

「誕生日?」

 そこでチュウは思い出す昔誕生日がわからないとナナシに話した時じゃあ今日をそうしようといわれた、それが今日三月三日だった

「あいつあんなことを覚えて」

「ささ、速くこちらへ」

 しかしこの状況を見られていた

「あいつなにやっているんだ」

「裏切りか」

 するとバカが思いつく

「よし、俺たちだけで決行だ!あいつにも復讐だ!!」

「「「「「おーーーー」」」」」

 その時の声はチュウの時より大きかったという

「ではこれより新作雛人形発表会を・・・」

「うぉーーーーちょっと待て~」

 男の集団が現れ雛段の破壊を始める

「げっ!あいつら!!」

 そして案の定段は階段の落ちのように崩れ落ちた

「なんですかこれは!」

「「「そこの男に命令されたんです」」」

「よし逃げろ~」

 彼らはチュウを指さし全員はるか彼方へと逃げていった

「お、おれも」

 ガ死ッ

「チュウさんこの落とし前どうつけてくれるんですか」

「えっと、あの・・・・・」


「でチュウさんは?」

「今テレビ電話がきてるぞほら」

「バ…カ、たす、けて・・・」

「なんでもサハラ砂漠に雛人形の普及をしに行ってるだとかで」

「哀れすぎて何もいえねぇ」

                        つづく、かも

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