第二章 障壁の街

登場人物紹介 1

・ 登場人物紹介 1


※ 第四十七話「それぞれの再戦へ」までのネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。



◇ 主人公


・ 朝見涼一あさみりょういち

 伏川高校出身の大学生。

 父親は蒸発、母は早くに亡くなり、叔父夫婦に育てられる。人付き合いのいいほうではない。

 転移後は術式発動の能力を得て、帝国部隊から危険な操術士として警戒されている。

 人並み外れた魔素力を持つ“起動者”とも呼ばれるが、詳細は分からない。



◇ ヒロイン


・ レーン・クレイデル

 栗色の髪の、美しい少女。エルフに似た尖った耳を持つ。

 フィドローン王国の英雄の娘であるが、辺境のハクビル村に落ち延び暮らしていた。

 王国人では珍しい、本格的な術式の使い手で、“重飛の魔弓”を使いこなす。

 好きな言葉は「魔弾よ、縫い止めろ!」

 たまに言動の被る山田を、同族嫌悪することもある。




◇ 地球人


・ 朝見若葉あさみわかば

 涼一の妹。伏川高校の二年生。

 美術部に所属し、映像記憶やイメージ力に優れている。

 兄を慕う清楚な黒髪の少女だが、稀に怒ると、涼一も恐れる程だ。

 兄に似た雰囲気を持つレーンには、親しみを感じている。


・ 瀬津せづアカリ

 若葉の友人。同じ伏川高校美術部の仲間。

 日本にいる時に、若葉と一緒にいる涼一を何度か目撃している。

 登場人物の中では、常識人と言える。やや他人の影響を受けやすい。


・ 山田修治やまだしゅうじ

 涼一の高校時代の同級生。

 明るいクラスのムードメーカーだったが、その内面までを知る者は少ない。

 涼一には好意的で、よく話しかけていた。

 少し子供っぽく、調子に乗りやすいのが欠点。

 「考える前に走る」が座右の銘。


・ 中島恵なかじまめぐみ

 パッケージ制作会社の経理担当。

 制圧部隊から、親を亡くした子を連れ逃げ、涼一と出会う。

 料理の得意な、自立した女性。


・ 神崎毅かんざきつよし

 ギガカメラ店員の痩せた男。

 伏川駅でビラを配り、店に戻ったところで、転移に巻き込まれた。

 先輩の佐藤と共に避難住民を誘導し、副リーダー的役割を果たす。


・ 小関宗太郎こせきそうたろう

 伏川高校のサッカー部員。背が高く、キーパー志望。

 街を避難中に山田とは分かれ、その後の行方は不明。


・ 大門和也だいもんかずや

 伏川高校のサッカー部員。背の低い、フォワード志望者。

 小関と行動を共にしていると思われるが、彼と同じく行方は不明。


・ 佐伯祥子さえきしょうこ

 伏川高校の古典教師。

 赴任して日が浅いが、男子生徒の人気は高かった。

 理想主義的で、転移後の混乱に胸を痛める。


・ 佐藤光造さとうこうぞう

 ギガカメラの一階フロア責任者。妻子を転移時に亡くす。

 直情的で怒りっぽいが、面倒見はいい。

 第三十五話で死亡。


・ 松木篤朗まつきあつろう

 幼馴染みと一緒に転移した、専門学校学生。

 大人しい眼鏡の優男。動物好きで、乗馬の経験もある。


・ 楢崎有沙ならさきありさ

 転移後に親を亡くした少女。

 中島に助けられ、一緒にゾーンを逃げて回った。




◇フィドローン王国人


・ マリダ・クレイデル

 レーンの妹。ハクビルに落ち延びてからは、体調を崩し、床に臥せていた。

 本来は、明るく勝ち気な性格だった。


・ リディア・クレイデル

 レーンの母。穏やかな印象の女性だが、レーンの激情家な一面は母譲りである。

 娘の無鉄砲さを心配しつつも、成長を頼もしく思っている。


・ ロド・ラーゼン

 フィドローン王国騎士団の元次席。現在はナーデル自由都市連合にいる特務部隊の総隊長である。

 リディアとは縁戚に当たり、王都にいた時から親交があった。




◇ ベルギア帝国人


・ ガルド・アイングラム

 部下の信頼も厚い帝国の将官。

 金髪の偉丈夫で、自身の武芸で功を立ててきた。

 ゾーンに派遣されるのは初めてであり、対策部隊の総司令として南部本部に詰めている。


・ フォン・ド・ルース

 ゾーン三隊の内、制圧部隊の指揮を執る巨漢。内部制圧を担当した、全体の副司令。

 武人として誇り高いが、残虐な性向も合わせ持つ。

 帝国上層部には、彼を気に入り引き立てようとする者も多い。


・ ナズル・ヴェルダ

 ザクサ出身の帝国魔導兵。

 地方のゾーン対策部隊の一員として、最初にアレグザへ派遣された。

 目端の効く男であり、地方一般兵としては有能な人物。


・ イース・クライン

 ガルドに仕えて永い、ゾーン対策部隊の主席参謀長。

 彼へのガルドの信頼は厚く、お目付け役となることも多い。


・ リゼル・ゴース

 術式を使う狙撃手として、帝国部隊を渡り歩き、特殊工作班の長を歴任する。

 アレグザの障壁部隊では、狙撃班の隊長の任に就いた。

 何故か苗字ではなく、皆に名前で呼ばれているが、本人は気に入っている。


・ タルド・マルテ

 ド・ルース配下の部隊長で、アレグザのゾーン中央部の管轄を任される。


・ デルロス・メリッチ

 帝国術式研究所所長。

 選定侯でもあり、ガルドとド・ルースのゾーン対策部隊司令への就任に、強く反対した。

 未登場。




◇ その他の登場人物


・ ヒュー・ラダカッサ

 爬虫類に似たリザルド族の男。リズダル自治共和国の諜報員。

 帝国南東部で活動中に、ゾーン侵入の命令を受ける。

 優れた身体能力を持ち、個人戦闘力も非常に高い。

 他人には淡泊な対応を取るが、意外に若葉とは仲良くしている。

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