貴族との面談

 智子と義子をダンジョンの外に送り出し、ゆっくり達を作ったりして、戦力の編成を繰り返すこと丸二日。


 今日も私は、冒険者達からゴミを受け取り、洗浄液が詰まった筒を渡す。これ以上ナイフを渡しても、価値が減るだろうからね。ダンジョン攻略の株価暴落は避けたいところだし。

 とは言うものの、私のダンジョンでは使えないんだけどさ?


 それはそうと、新しくやって来た冒険者達が、仲良くコケる。

 このパーティーか、次の新入りが貴族だと思われるも、私のダンジョンは通常営業を貫くだけ。

 怒って権力にモノを言わせ、数の暴力で攻略しようとするなら、それでもこちらは一向に構わない。

 無限回廊で足止めし、突破されたなら、ダンジョン内部を一度崩落させる。それでも反撃する余力があるなら、智子シリーズや音声ユニット達でボコるのみ。

 私自身は回避に専念し、防御はジェム・マギカに任せておくだけよ。


 前にもいったと思うけど、籠城戦に持ち込まれたなら、冒険者の勢力は、体勢を立て直すためにも撤退しなくては、継続戦闘が厳しくなる。

 補給や後方支援が無い状態で、前進し続けるのはただの自殺行為。仮に大将首を挙げても、満身創痍で退路はないに等しい。

 例え傷一つ負う事なく首を挙げ、仲間達の元へと戻ったならば、逆に吊し上げられてしまう。だって、そんな戦闘力を隠していたのなら、今まで死んでいった同士達の苦労は、一体何だったのかという事になるからね。

 最初からお前一人で行ってこいよって話だし。


 無双モノで、味方が全滅してもなおプレイヤーが孤軍奮闘し、大軍を退ける。確かに気持ち良いかも知れないけど、だったら味方は何のためにいたのかって話よ。


 で、そう言う類いの奴は、決まって英雄と呼ばれる傾向がある。

 英雄の元には腕利きの冒険者が集まり、ダンジョンの攻略数や攻略への効率化が進み、ギルド以外でも名前が広く知れ渡るようになる。

 果ては国の要人と対面出来たり、貴族から贔屓にされるでしょうね。または、国内の不満を抑えるために、新しい貴族を興さないかと、執拗に誘われるかも。


 つまり、このダンジョンがある国の貴族には、二種類あるの。古い家系で元々からの貴族と、成り上がった新興貴族。英雄以外でも、商人とかは金やコネで、貴族になれるらしいんだって。

 いずれにしても、私の家に土足で上がり込むだけでは飽きたらず、モンスターを襲うといった狼藉を働く奴は、基本的に問答無用でコケさせておくに限る。


「ダンジョンを幾つか攻略してるんなら、無限回廊にも気付くはず」

「もしくは、罠だという確信が持てなくても、何か変だとは感じるでしょうね」

「そんなことより、直接聞こうぜ。まだるっこしいんだよ!」


 ジェム・マギカは私と違い、モンスター達と視覚や聴覚を共有出来る。

 元々がモンスターだから、当然といえば当然の機能でもあるけど、ちょっと羨ましいわ。

 現在、冒険者達は各個分断しているらしい。


「あ、立ち止まったみたいだよ。……新興貴族ではあるけど、どうやら商人の家系みたいだね」

「このダンジョンを担当する貴族は、こっちのようね。どうもダブルブッキングしたか、ダンジョンの視察という手柄を、横取りされそうになったみたい」


 マドカが見てる冒険者と、ホムラが見てる冒険者は、両者共に貴族ってことか。

 マドカの貴族は商人の家系、ホムラの貴族は英雄の家系。つまり、二人とも新興貴族って訳。

 でも、同じ新興貴族とはいえ、方向性が違えば蹴落とし合うみたい。

 商人貴族は英雄貴族の視察を邪魔し、この出来立てホヤホヤなダンジョンを自分の所で管理したいらしい。

 英雄貴族はダンジョンの危険度と、ダンジョン・マスターの性格を見極めに来ている。でも、気に入らないなら始末して、ダンジョンそのものを潰す事も視野に入れてるっぽい。

 あー、これはケンカにもなるわ。うん。


 要するに、ここを仕入れルートにしたいか、ダンジョンが成長する前に痩せ細らせるべく動くか、ってところね。

 痩せ細らせたら、良い品を大量に調達出来ない。かといって成長させたら攻略に時間が掛かり、ダンジョン・マスターの顔すら見れなくなる可能性が出てくる。故に適度にモンスターを狩って、成長し過ぎないように釘を刺す意味もある。後々の攻略に対する時短目的か。

 このダンジョンは英雄貴族の管轄だけど、商人貴族に金でも借りてるのか、そこまで強くは主張していない。だからこそのダブルブッキングを装った、妨害工作と利益確保に来たと読める。


 ただし、これはジェム・マギカを通しての情報だから、完全に相手の背景とかを把握してはいないので、間違ってる可能性もあるわね。


 残りの四人は二人の護衛らしい。こいつらに用はないな。

 いや、外堀から埋めるように、こいつらから情報を聞き出すか? 本人達が本当の事を喋るとは限らないし?


「護衛の口は軽そうかな?」

「商人貴族の護衛は軽いみたい。すでに飽きが入って、緊張感が欠片もないね」

「英雄貴族の護衛は、ブック・フェアリーと戦闘中。二人ともまだまだ頑張れそうだぜ?」


 両極端な状況ね。

 口が軽いと、有益な情報なんてもってなさそうに思える。

 戦闘をしているという事は、モンスターから歩み寄ると斬られかねない。

 貴族の二人はまだ歩いている。ブック・フェアリーには最初こそ驚いていたけど、攻撃しなければ襲われないとでも思ったのか、今では飛んでくるブック・フェアリーを避けている始末。

 当たってもエンカウント、触ってもエンカウント。でもそれらは虚仮脅し。身構えるだけムダなのよね。

 ただし、ブック・フェアリー達が本気なら、開幕魚雷の如く、一瞬で片がつく。

 エンカウントと同時に射撃やら斬撃を受けて、無事でいられる冒険者の方が少ないはずだからね。先制攻撃とか生ぬるい表現って感じの威力よ。


「……弱るまで待つ。もしくは、突破されるまで待機」

「随分と消極的ですね」

「消極的だけど、最も確実よ。飢えて、疲れて、それでもなお、正常な判断や対話が出来るのなら、私は相手の条件を呑んでも良いと考えている」

「へっ、上から目線だな」

「ははっ、ここは私の家なのよ? 私が主である以上、私が偉いのは当然でしょうに」

「それが分からない輩は?」

「排除か、監禁かの二択となる」


 死亡した場合はどうなるのかって?

 極力死なせない方針でいくわ。寄生させてでもモノを飲み食いさせるし。


 稀にある冒険者同士の殺し合いも、いつでも止められる。と言うか、合流が簡単では無いから、途中で食糧の奪い合いとかが出来ない。


 歩け、歩け。尿意や便意を気にしろ。飢えに苦しめ、渇きに苦しめ。睡眠は妨害してやる。自決なんかもさせん。ここはダンジョン、モンスターの影に怯えろ!

 それでも心が折れないようなら、冒険者側の人権やプライドを踏みにじってやる。

 二度と泣いたり笑ったりが出来なくなるまで、精神やら人格やらを物理的に破壊してあげよう。

 本の角は、とっても痛いからねー?


「うーん、マスターは病んでるわね。私と同じ豆腐メンタルかも……」

「制限だらけで、マスターも壊れてるんじゃねーの?」

「良いんじゃないかしら、こんな現状だと、真面目に生きても辛いだろうし」

「あー……。アンタが言うと説得力が違うから。そうかもって思っちゃうよ」

「少しは励まそうよ……」

「行ってしまったわ。円環の理に導かれて」

「ひどい理だなぁ」

「励ましですらねーじゃんか」


 ジェム・マギカも弱るまでお喋りタイムみたい。

 不等辺三角形のテーブルに、五人が詰め寄っては、お茶会に興じている。でもなんと言うか、とても、食べづらそうです……。


「ケーキ旨ーい」

「おいおいキョウコ、食べ過ぎると、余分な肉が、つくんじゃないのかなー?」

「バカ、サヤカ! そんなところを摘まむんじゃねーっ!」

「ええんかー、ここがええんかー?」

「ごめんサヤカちゃん。それはちょっと……」

「セクハラオヤジ過ぎるわ」

「ちょっ! 冗談なのにドン引きはひどい!」

「……汚れた。サヤカに、汚されちまった」

「うえぇっ!? キョウコ、いや、キョウコさんまで!? ゴメン、悪かったから許して!!」

「……なら、お前のでいいから、ケーキを寄越せ」

「ふふっ、結局は食べるのね」

「騙された! 私は騙された!」

「絶望したからって、切腹しないで!」

「おかしい。全てのMSは苦しみから解放されたはず。絶望はしないはずよ?」

「ゴメン、ホムラ。マジ返答されると私困るから、やめてくれないかな」

「そういやさ。サヤカがMSの中で、一番MS的な役が多いよな」

「コア・ジェムを投げ捨てられた後辺りとか、よく利用されているわよね」

「アタシってほんとG」


 新機動戦記のパロディ的なMMDの事か。


 それはともかく、そろそろ良いかも?


「ちょっと。貴族と護衛はどんな感じ?」

「護衛は四人とも、だうーんだうーんしてる」

「貴族二人は、ブック・フェアリーが当たりまくって、ページまみれ」

「貴族を強制連行。あ、一人ずつね」

「了解だよー」


 まずは商人貴族から会おう。


 拘束して、椅子に縛りつけておこう。

 リキッド・スライムをぶっかけて、強制的に起こす。


「うぅ……。な、何だ。誰だお前は?」

「当ダンジョンのマスターよ」

「そうか。なら、この拘束を解け! 冒険者を敵に回すと、後で後悔する事になるぞ。今なら私が口添えして、ギルドには低ランクの--」

「--交渉は口の巧さではなく、実力がものを言うのよ?」


 話にならないわね。現状を理解してないにもほどがある。

 拘束している奴の口から、後で覚えてろとか、殴られたくなかったらとか、言われても説得力が皆無なのよ。

 ダンジョンを運営しているから言えるんだけど、モンスターと冒険者を、分かりやすく軍事力として考えてみよう。

 冒険者は戦ってモンスターを倒し、経験や素材を得られる。もしくは、落ちている道具や宝箱を得て、生活費に替える。

 ダンジョンは冒険者を倒してもいいし、撃退してもいい。または、今回のように交渉する事だって出来る。

 戦闘を極力避けている私のダンジョンでは、いまだに戦力の一端しか見せていない。

 つまり、ダンジョンの勢力が分からないの。

 ダンジョンの情報が無いまま攻略する事は、ベテランであっても難しいわ。

 戦力が分からない相手ほど不気味なモノはない。更には、そんなダンジョンでは戦闘もままならないときた。

 要するに、戦闘が起きる可能性が低い状態、と言い換えようか。

 戦闘が起きない以上、こちらとしても冒険者達の装備や技量が分からないけど、それは制限があるから。

 戦闘らしい戦闘もなく、ただ宛もなくさ迷わせるという事は、冒険者達へ無駄に心労やら、食糧の消費を促しているとも取れる。つまり、攻略や探索を長期化させているの。

 初見の冒険者は、まずそういった洗礼を受けてもらう。

 何故かというと、交渉の席で有利に立つためよ。

 軍事力というものの不思議さなんだけど、戦闘が起きる可能性が低いからといって、モンスターが貧弱だと、拘束しても冒険者からはナメられてしまう。

 発言力が弱くなると、冒険者対ダンジョンの交渉で不利となる。

 冒険者の強さとモンスターの強さ、またはダンジョンの強さによって、発言力は左右されるけど、この時、交渉とかで勝つのは大抵、軍事力のある方なのよね。

 下手な事を言うと、殴られるかもしれない。

 自分よりも強い相手と交渉した時には、こういう無言のプレッシャーがのし掛かるもの。これは政治でも一緒。

 見逃してくれたら、手持ちの道具をやる。そんな交渉の仕方もあるから、経済力も武器にはなるが、軍事力とセットになっていなければ効果は薄い。

 確かに、弱いくせに装備だけは一人前、という冒険者もいるけど、通常なら殺して奪えばいいだけ。ダンジョンに拘束された時点で、そう言う選択肢もあるんだし。

 お金さえあれば道具は買えるのと、命もお金や道具で買えるっていうのは、意味を履き違えてるわ。

 それでも、殴られたくないから言う事を聞く。子供の喧嘩と同じじゃないかと思うかもしれないが、その通りよ。

 ある国とある国の利害がぶつかる案件で、他の国も交えて国際政治をやったとしよう。すると、相手をリスペクトするような議論をし合うような場ではなく、難しい事を行っては煙に巻き、自分の主張を曲げずに呑ませようとする。そんな子供の喧嘩の場となるわ。どんなに勿体振った言い回しや、難解な理論、複雑な理由を並べ立てようと、根は一緒。自分も自分もと、我が儘を言う。相手の事なんて知らない。自分さえ良ければそれで良い。そんな思惑しかないの。

 で、子供の世界では、腕力の強い子は弱い子に対して優位に立つ。何か言い返したとしてもボコられるのが落ち。これと同じで、腕力の弱い方は強い方の言う事を聞かざるを得ないの。国際政治も、現代だろうが、中世だろうが現実は一緒。

 もちろん、冒険者個人も、いざという時に自分を守るため、ギルドに入ったりして、背後関係という軍事力を持つ。貴族なら兵隊を保険として用意したりもする。商人なら道具やコネ。

 例えモンスターが相手では無くても、同じ冒険者に蹴落とされるかもしれないから、個人的な強さ以外も武器としなければ、自分の身すら守れない。故に背後関係とかの軍事力は必要となる。

 でも、自滅への道を恐れないようなイカれた奴には、例え国王であっても無力よ。死にたくないからと、どんなに好条件を突き付けようとも関係ない。何故なら、殺されてしまえば、殺してしまえばそれまでだからね。


 だからこそ、交渉には実力がいる。いくら口が巧くても、殺されれば意味無いのよ。


「目先の利益しか見ていないなんて、商人としては失格よ」


 ゆっくりを上から落として、煩い商人貴族を気絶させる。


「英雄貴族をここに」

「コイツはどうする?」

「無限回廊に捨てて来なさい」


 さーて、お次はここの担当らしい貴族よ。

 英雄らしいけど、しょせんはただの人。衰弱させてしまえば、大抵は抵抗する気力も無くなるってね。


「ん……くっ……卑劣な罠をはったのは、お前か?」

「口の聞き方に気をつけなさい。生きて帰れるかどうかの瀬戸際よ?」


 やれやれ、貴族ってどうして、どんな状況だろうと偉そうなのかしらね?

 貴族というステータスが通用するのは表だけよ。裏であるダンジョンではクソの役にも立たないっての。


「俺を殺したら、お前はギルドと国を相手取る事になるぞ!」

「ようこそ、ゲキド街の図書館へ。まぁ、ゆっくりしてってね?」


 中学生みたいな陳腐な脅しなんて、相手にしないに限るわ。

 音声ユニットの、ほのぼのとした日常を垣間見れば、怒りなんて吹き飛ぶはず。


「おい、仕事だ。豚一匹が迷い込んで来た。あとはわかるな? やれ」

「マスター、顔がちょっと怖い……」


 スマホで連絡を取るポーズ。コールの念話を飛ばすと、すぐに音声ユニット達が現れた。


「ターゲットを確認。野郎ども、女王様の命令だ。俺達の忠誠心を見せろ」


 おいおい、よりによって戦艦砲を引っ張り出して来やがったぞ。


「了解。付近に女王様を確認。使用兵器の変更を求める」


 ジェム・マギカを率いて、念のため下がっておこう。


「MRF/A E-イー0105オトコの使用許可を」

「……許可する。豚には少々勿体無いが、さっさと終わらせて帰るぞ」


 格納庫のような音が響き渡り、辺りは低音天国と化す。

 次第に、目映い光が砲の先端部へと収束していき、チャージが完了すると消え失せ、男の顔が軽い破裂音と共に現れた。

 頭部が縦に一回転すると、ロックオンしたのか、次の瞬間には射出。

 射ち出された後で、両腕を広げつつ更に加速。足元がブースターらしい。

 そしてターゲットの背後へ迂回して着地。スパロー音を奏でつつ、地表をスライドしているようだが、うまく目で追えないのか残像が見える。

 ターゲットの肩に腕を回し、顔がフクロウの如く横に一回転した後、口元が囁くように動く。

 や・ら・な・い・か☆

 拘束されたままの貴族は、唖然としたままで動かない。

 自律型特定対人兵器は、豚の両脇を抱えて上に持ち上げると、腰に掴み直して自らの腰を高速で動かしつつ、ダンジョン内の上空を旋回していく。


「……対人ミサイルの、目標捕獲を確認」


 宙を舞う恐怖からか、豚野郎の叫び声が木霊している。


「なんて恐ろしい兵器だ」


 対人というか、男専用の最凶兵器。ノンケだろうと容赦はしない!

 恐ろし過ぎるわ!!


「……着弾まで、2……1」


 地面、というか床に激突し、ミサイルは大爆発を起こす。

 とはいっても、これらはエフェクト。派手なだけで殺傷能力は無いに等しい。

 勿論、見た目通りの殺傷能力を持たせる事も可能よ。


「ミサイルの着弾を確認」

「了解、引き揚げるぞ」


 音声ユニット達は艦砲装置を押して退場。

 残されたのは爆心地にいる豚のみ。


「……コメントしづらいわね」


 私の呟きに、ジェム・マギカ達も首肯した。

 英雄貴族の、なけなしのプライドを粉砕。心にはトラウマが刻まれたかも。


「起きろ」

「……うぅ……グハッ、ガハッ! ……ヒッ!」


 英雄とまで呼ばれた奴が、すんげー怯えてる……。


「お前ともう一人の貴族は、方向性が違うだけで、ダンジョンを管理出来ると思っている、保守的な糞だ」


 理由や動機はどうであれ、どちらも大きな革新を恐れる保守派だ。

 もう一人を再度連れて来させ、しばき起こす。


「……保守だの革新だの、右だの左だの。そんな分類に意味はない。意味がある分類は、正解か間違いかだけだ。それが糞なのか味噌なのかだ」


 私の豹変に対して、絶句する貴族達。


「保守だの革新だのそんな分類は。糞と味噌の区別がつかない間抜けが、色だけで一応分けてみたような話だ。味噌も糞もまとめて、茶色や赤や白に分けたような、間抜けな分類だ。肝心の味噌が、糞の山に紛れて分からなくなる、有害なだけの迷妄だ」


 二人の襟首を掴み、力ずくで持ち上げ、られないので、補助を使う。よっこいしょっと。


「以上を踏まえて、私のあり方を答えよう。私は味噌であろうとはしても、茶色であろうと思った事は無い。お前等は実体を無視し、茶色である事を誇る糞だ。お前達は糞だ!」


 ダンジョンの運営に、豚の口出しや手出しは不要。

 ここは私の家だ。糞の肥溜めでは断じて無い!

 たかる蝿もろとも、私の邪魔する奴は撃退するのみ!


 二人を投げ飛ばし、護衛達もろとも装備を剥奪させて、ダンジョンの出入口へと運ばせる。

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