第8話それから


一旦口を離した後も、今度は私から前に乗りだし、健斗の肩に手を置きながらキスする。

身体が熱い。

「ねえ、俺の部屋来いよ」


それから居酒屋を出て、家に向かうため、駅でバスに乗った。

「まだ私のこと好きなの?」

健斗の腕に腕を絡め、寄りかかりながら聞く。

「好きだよ」

「そう」


健斗の寝室に着くと私は一応聞いた。

「私、健斗を利用するかもよ」

「いいよ。」「私、今健斗となら堕ちてもいいかと思ってる。…ずっと側にいてね」

「俺も桐華とならどこまででも行くよ」

その健斗の言葉を皮切りに私はまたあの日のように健斗にベッドに押し倒された。甘い刺激と怠惰と快感に押し潰されそうになる。

「…あっ、…健斗キスうまいね」

「天性の才能」

「でも私もうまいし」

今度は私が健斗の上で攻める。

何だかほんとに。もうよく分からないや。

いいのか、それで。結局私、健斗を求めてる。

何で?

慎二に浮気されたのが嫌だったから仕返し?ただの欲求不満?

いいえ、違う。

私はキスされた瞬間、この人が欲しいと思った。

いいえ、実際はもっと昔から。


種明かし、しよっか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る